ソフトバンク新料金「ペイトク」を徹底解剖 PayPayを使うほどお得だが制限も

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2023年09月27日 20:22  ITmedia Mobile

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ソフトバンクは新料金プラン「ペイトク」を10月3日より提供する

 ソフトバンクは、SoftBankブランドの新料金プラン「ペイトク」を発表した。10月3日に提供を開始する。9月27日の発表会で、同社が新プランを提供する狙いを説明した。記事中の料金は全て税込み。



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 ソフトバンクには、SoftBank、Y!mobile(ワイモバイル)、LINEMO(ラインモ)という3つの携帯電話サービスがある。このうちSoftBankブランドは、スマホでデータ容量を多く消費する人を対象として、データ容量の上限を設けない無制限プランを提供している



 そのSoftBankブランドの新料金プラン「ペイトク」は、契約するとスマホ決済サービスの「PayPay」の還元額が上乗せされるというプランだ。無制限プランに加えて、30GBと50GBという中容量のプランも提供される。



 ペイトクの基本料金は以下の通り。



・ペイトク30:月30GB、7425円



・ペイトク50:月50GB、8525円



・ペイトク無制限:容量無制限、9625円



 料金プランからの割引は以下の3種類。PayPayカード割は、今回新たに追加された割引だ。



・「新みんな家族割」:家族2人で660円引き、3人なら1210円引き



・「おうち割 光セット」:(固定回線契約で1100円引き



・「PayPayカード割」:PayPayカードユーザーは187円引き



 上記の各種割引を最大限に適用すると、ペイトク30が4480円、ペイトク50が6028円、ペイトク無制限は7128円となる。



 新たに追加された「ペイトク特典」は、PayPayの決済金額に応じて、ポイントを還元するという内容だ。つまり、PayPayやPayPayカードで普段の利用額が多い人ほど、還元額が増える仕組みになっている。



・ペイトク30:還元率+1%(月1000ポイントまで)



・ペイトク50:還元率+3%(月2500ポイントまで)



・ペイトク無制限:還元率+5%(月4000ポイントまで)



 プランごとにポイント還元の上限額が異なるが、月5%までのペイトク無制限の場合、月8万円のPayPay決済を行うと上限に達する計算になる。



 還元されたPayPayポイントは、ソフトバンクの料金支払いに充当することが可能だ。最大限に割引を適用し、ポイント還元も最大額まで利用した場合の“実質負担額”は、以下のようになる。



・ペイトク30:3928円



・ペイトク50:3528円



・ペイトク無制限:3128円



 要するに、複数の割引サービスを適用して、PayPayで決済を毎月8万円使うソフトバンクに忠誠心の高いユーザーであれば、“月3128円から”無制限プランを使える、という構成になっている。



 なお、ソフトバンクは「ペイしてトクトクキャンペーン」として、半年間限定でポイント付与率を3倍に上乗せするキャンペーンを実施する。例えばペイトク無制限なら、通常+5%還元のところ、+15%還元となる。



●PayPayを使わない人向けの「メリハリ無制限+」



 PayPayをあまり使わない人向けには、「メリハリ無制限+」という新プランが用意されている。基本料金は7425円で、新たにPayPayカード割の適用用対象となっている。月間で使用したデータ容量が2GB以下だった月は、1500円の割引が自動で適用される。



 従来プランの「メリハリ無制限」は10月2日をもって受付終了となる。従来プランはPayPayカード割の設定が無い分、基本料金は7238円と割安に設定されており、使用しなかった月の割引は3GB以下で適用となる。メリハリ無制限+は、全体的には「値上げ」の方向にあるといえる。



 ただし、新プランの無制限の方が緩和された点もある。テザリングとデータシェア時の利用上限だ。従来プランでは30GBが上限とされていたのに対して、新プランでは50GBまで上限が拡大している。



 なお、従来プランのうち、「ミニフィットプラン」と「スマホデビュープラン」は継続して提供される。



●「無制限」の条件変更 データ200GB超過で速度制限も



 新プランのうち「ペイトク無制限」と「メリハリ無制限+」では、月間データ容量に上限を設けていない。ただし、今回から大容量を利用する限られたユーザー向けの速度制限が設定されている。



 具体的には、月間データ容量が200GBを超えるユーザーに対して、通信速度が4.5Mbpsとなるよう帯域制限を実施する。4.5Mbpsという速度は、動画のストリーミング再生などのスマホの通常利用では支障が無い設定だ。



 ソフトバンク執行役員の寺尾洋幸氏は「200GBを利用するのは全ユーザーのうち0.3%だ。このユーザーが全体の6%のトラフィックを占めている」と説明し、将来的な通信状況の逼迫(ひっぱく)を防ぐために、200GBの制限を設けたと述べた。



●テザリング・データシェア利用時の制限は緩和



 従来プランのメリハリ無制限では、テザリングとデータシェア時のみ、速度制限が設定されていた。それは月30GB超過時で128kbpsに速度制限という内容だ。新プランでは、この制限が緩和されている。



 新プランのテザリング・データ利用時の速度制限は以下の通りだ。



・メリハリ無制限+:テザリングとデータシェア利用時、50GBを超過した場合に300kbpsに制限



・ペイトク無制限:データシェア利用時、50GBを超過した場合に300kbpsに制限



 なお、ペイトク無制限でテザリングを利用する場合は、通常のスマホ利用時と同じ扱い(200GBで4.5Mbpsに制限)となる。毎月多くのデータ容量をテザリングで消費しているユーザーの場合は、ペイトク無制限が最もお得なプランとなる可能性もあるだろう。



●Yahoo! プレミアムが「LYPプレミアム」に、LINEスタンプ使い放題



 ソフトバンクブランドの特典となっている、「PayPayクーポン」などのキャンペーンは継続して実施される。



 また、YouTube Premiumの割引や、動画配信サービスのポイント還元上乗せなども継続して実施する。



 SoftBankとY!mobileで提供している「Yahoo!プレミアム」の特典は、11月29日に「LYPプレミアム」へリニューアルを実施する。従来のYahoo!プレミアムの特典に加えて、新たにLINEの特典が追加される。LINEスタンプが使い放題や、LINEのアルバム機能の強化、フォントの呼び出し音を変更するサービスが含まれる。



●ソフトバンクとの連携強化で、PayPayの利用額積み増しを狙う



 ペイトクのプラン内容を見れば、ソフトバンクの狙いが決済サービスPayPayの利用拡大にあることは一目瞭然だ。ソフトバンクでは今後、ペイトクを全面的に押し出して販売を進めていく方針という。



 寺尾氏によると「現状のPayPayユーザーの平均利用額は3万5000円程度」という。ペイトクで上限のポイント還元が受けられる8万円という利用額については「PayPayの決済可能枠はユーザー平均で19万円ほどある」として、生活消費のうち何割かをPayPayやPayPayカードでの決済に変更すれば、達成可能だと強調した。


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