『カンブリア宮殿』#854はミズノ社長・水野明人が登場 (C)テレビ東京 青と白のしましまが印象的な「佐川急便」のユニフォーム。実はこれ、荷物を運ぶ際の筋肉や関節の動きを解析し、動きやすさや快適性を追求した特注品だ。作っているのは大手スポーツ用品メーカー「ミズノ」。スポーツ用品の開発で培った技術を武器に、近年“ワークビジネス”を強化し「竹中工務店」「セブン-イレブン・ジャパン」「ミスタードーナツ」など、これまで約1200の企業や自治体にウエアを納入している。
「ミスタードーナツ」には高温になるキッチンでの汗対策として、吸汗速乾性に優れたユニフォームを納入。大手ゼネコン「竹中工務店」にはふくらみにくく動きやすい設計のファン付きジャケットなどが採用されている。
さらに、ウォーキングシューズやテニスシューズの技術を生かした、軽くて履き心地のよい作業靴も人気だ。2016年以来、ワーク部門は右肩上がりで成長し、売り上げ約100億円と新たな事業の柱になりつつある。
他にもゴルフクラブやテニスラケット用に開発したカーボン素材は、トヨタの水素自動車「MIRAI」のほか、高速道路のETCバーやカシオの「G-SHOCK」のバンドなどさまざまな用途に使われている。今年6月には寝具市場にも参入し、高い体圧分散と寝返りのしやすさを実現した新構造のマットレスや、熱を逃がす敷パッドなどを発売した。
28日放送のテレビ東京系ドキュメンタリー『カンブリア宮殿』#854(後11:06)は、ミズノ社長・水野明人氏がゲストに登場。国内のスポーツ用品市場が縮小するなか、2022年度には売り上げ、利益とも過去最高を記録。創業家四代目の水野氏のもと、新分野を次々と切り開く、ミズノの驚きの手法とは。そして後発ながら激戦の寝具市場に挑む勝算とは。
ミズノは1906年、水野社長の祖父・水野利八氏が、弟・利三氏と大阪北区で「水野兄弟商会」として創業。現社長は二代目・健次郎氏の次男として生まれた。2006年に兄で三代目、正人氏の跡を継ぎ社長に就任。この頃、国内のスポーツ用品市場は少子化の影響で年々縮小傾向にあった。
そこでスポーツ以外の分野への事業拡大を推進。2020年、新型コロナ禍によってスポーツ大会が次々中止になったが、水野が推し進めてきた新事業が会社のピンチを救った。2022年度には売り上げ、利益ともに過去最高を記録。その裏にあるのが、社員たちが次々と提案する新たなアイデア。その現場にカメラが入った。