糖尿病は“対岸の火事”ではない? 30代40代サラリーマンが知っておくべき怖さ【専門医監修】

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2023年09月28日 11:00  ORICON NEWS

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「まだ大丈夫」ではなく、検診の結果をこまめにチェックすることが糖尿病予防の第一歩 ※写真はイメージ
 30代、40代のサラリーマンというと、仕事に追われながら、家庭に友人にと、忙しくも充実した日々を送っている人も多いだろう。体がバリバリ動く分、健康について深く考えている人は少ないはず。特に糖尿病は、“対岸の火事”といった感じで、自分には関係のない話だと思っていないだろうか? だがその“対岸の火事”は知らない間に、身近に迫ってきている。ここでは、三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長の田中祐希氏監修のもと、30代40代サラリーマンが知っておくべき、糖尿病の怖さを解説する。

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■そもそも“糖尿病”って何?

 糖尿病とは、血液の中にあるグルコースという糖(血糖)の量が多くなりすぎる病気である。血糖値はインスリンという膵臓で作られるホルモンによってコントロールされるのだが、インスリンが足りなかったり、うまく働かなかったりすると、血糖が高くなりやすくなる。遺伝的要因に加えて、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣が大きく関係して発症するのが2型糖尿病であり、日本人の糖尿病患者のほとんどがこのタイプである。

■糖尿病の怖さ

では、その危険とは何か。まず、糖尿病は自分では気付きにくいことが多い。初期段階では、喉が渇いて飲み物をたくさん飲んだり、トイレによく行ったり、だるさくらいしか感じないこともある。しかし、放っておくと、だんだん体に悪い影響を及ぼすようになる。それは、「合併症」と呼ばれる別の病気や障害である。合併症は大きく分けて2つに分類される。ひとつは細い血管に問題を起こすもので、「目」や「神経」や「腎臓」などの臓器にダメージを与えてしまう。

 例えば「目」の場合、視力が低下したり、失明したりすることもあり、「白内障」や「黄斑浮腫」や「緑内障」といった目の老化現象も早く起こりやすくなる 。

「神経」ではしびれや冷え性や痛みや感覚鈍麻などの症状が現れたり、「足底感覚消失」という足の神経が麻痺する現象が起こったりする。足底感覚消失になると、足にできた傷に気付かないまま「壊死(えし)」を起こし、「切断」しなければならなくなることもある。また、「便秘」や「下痢」、「起立性低血圧」や「発汗異常」などの自律神経障害も起こりうる。

「腎臓」では腎臓の働きが低下したり、腎不全になったりすることもあり、タンパク尿やむくみが現れたり、「人工透析」が必要になったりする。日本人の人工透析患者の約4割は糖尿病が原因である。

 もうひとつは太い血管に問題を起こすもので、「脳卒中」や「心筋梗塞」や「狭心症」などの心臓や脳の病気である。これらは動脈硬化によって血管が詰まったり、破れたりすることで起こる。動脈硬化は高血圧や高コレステロール血症などと並んで、糖尿病が危険因子とされている。糖尿病は、健康な人よりも10〜20年早く動脈硬化が進むともいわれており、その結果、命に関わる重大な合併症を引き起こす可能性が高まる。

■糖尿病にならないために30代40代から注意したいこと

では、糖尿病にならないために、30代40代からできることはなにか。それは、生活習慣を改善すること。具体的には、以下のようなことを心がけるとよい。

【食事】
食物の中でも糖質が血糖値の上昇に直結するので摂り過ぎない方が良い。ただし全く摂らないのも良くない。脳は糖質を栄養源としているため、集中力の低下、活力の低下につながる可能性がある。まずは主食(ご飯、麺、小麦製品)を大盛り、お代わりしないこと。コロッケそば、ラーメンに炒飯など糖質に糖質を重ねないことを意識すると良いだろう。
 また、最も気をつけたいのは液体の糖質である。ジュースや、栄養ドリンク、スポーツドリンクでは短時間で大量の糖質を吸収してしまうため、血糖値の急上昇を引き起こしやすい。食事はバランスよく摂り、野菜や海藻などの食物繊維や発酵食品などを積極的に取り入れる。また、油っこいものなどの高カロリーな食べ物は体重が増えやすいため控える。食事量も適切に調整し、食べ過ぎないようにすることが重要である。

【運動】
運動は血糖値を下げるだけでなく、肥満や高血圧などの危険因子を改善する効果もある。運動は週に3回以上、1回に20分以上行うことが目安である。運動強度は自分に合ったものを選び、無理をしないようにする。歩く・走る・自転車に乗る・水泳・ダンスなどがおすすめであるが、“継続しやすいか”どうかを最も重視すると良い。

【睡眠】
睡眠は血糖値やホルモンのバランスに影響する。睡眠不足は血糖値を上昇させたり、食欲を増やしたりすることがある。睡眠は毎日6〜8時間程度取ることが望ましい。また、睡眠の質も重要であり、寝る前にはリラックスしたり、暗く静かな部屋で寝たりすることが効果的である。

【ストレス】
ストレスは血糖値やホルモンのバランスに影響する。ストレスは血圧や心拍数を上昇させたり、血糖も上昇させる。ストレスは適度に発散したり、コントロールしたりすることが大切である。ストレス解消法は人それぞれであるが、趣味や音楽・読書・映画などの娯楽・リラクゼーションなどが有効である。

 以上のように、30代40代のサラリーマンは、糖尿病の怖さを知り、生活習慣を改善することで、糖尿病の発症や合併症のリスクを減らすことができる。糖尿病のダメージはひとたび進行すると回復させることが難しいため、予防して糖尿病にならないこと。またなってしまったとしても早期発見、早期治療が重要である。

【専門医からのコメント】
働き盛り世代では多忙な仕事の中で、自分の健康についてはついつい忘れてしまいがちです。まずは健診の結果で自分の血糖状態がまったく問題ないのか、すでに予備軍(境界型糖尿病)なのか、あるいは糖尿病に至ってしまっているのかを正確に把握しておきましょう。また、親族に糖尿病の人が多くないか、遺伝的な糖尿病のなりやすさがないかも確認できると良いでしょう。

【監修者プロフィール】
田中祐希(たなか・ゆうき)
糖尿病専門医で三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長。「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医として治療を行っている。HPで毎月、体験記、旬野菜の糖質オフレシピなど情報満載の院内紙を公開中。

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  • 兆候が出て自分なりに適度な運動や食事節制し昨日の経過診察では概ね改善出来てたので継続有るのみ→お菓子甘味は極力控え夕晩食は米や粉物摂らず豆腐野菜にし二駅分位は歩き陽の光を適度浴びる等
    • イイネ!1
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