32歳、3度目の不倫でまたも…!?独身をよそおう既婚男性に3度出会って恋して騙された私

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2023年09月28日 22:21  All About

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既婚者に独身だとだまされて付き合うことになったのは、大学生の頃のバイト先の上司を皮切りに、新入社員時代の取引先の男性、そしてマッチングアプリで知り合った単身赴任中のバーの雇われ店長。なんでこうも続くのか。
独身だと思ってつきあっていたら、相手は結婚していた。こういうケースは少なくない。職場での出会いや共通の知人がいるならすぐにわかることだが、相手の背景がわからない唐突な出会いやマッチングアプリなどだと既婚者であると見抜けないこともある。

初めての恋愛だったのに

「初めての大人の恋は大学生のときでした。相手はアルバイト先の正社員だった。私は他の人と隔離されて個室でコンピューター関係の仕事をしていたので、バイト仲間ともほとんど話す機会がなかったんです。

1カ月のアルバイトが終わる寸前、彼から猛烈なアプローチをされて……。誘われて食事に行ったら、小さなダイヤのついたネックレスをもらいました。バイト代以上の仕事をしてくれたお礼だと。そしてつきあってほしいと言われたんです」

懐かしそうに当時のことを話すアイリさん(32歳)。彼女も7歳年上の彼を好きになっていた。それから彼とはデートを重ねた。仕事が忙しいからと会えないことも多々あったが、平均すれば週に2回は会っていたという。

「彼は自分は親と同居だからと、私のひとり暮らしのアパートに泊まっていくこともありました。連絡は携帯だし、私は彼の自宅の住所も知らなかったけど、最寄り駅はわかっていたし、特に不審には思わなかった」

つきあって半年たち、「今度、旅行でもしたいな」と言った彼女に、彼は「いいよ、車で行こうか。中古だけど」と笑った。彼女は彼が車を持っていることさえ知らなかったことに気づいた。

「なんだかわからないけど、頭の中で黄色信号が点滅したような気がしました。彼について、私はまだまだ知らないことがあるはずだと」

親友からの鋭い指摘、嘘だらけの正体

1泊ドライブ旅行の当日、迎えに来るはずの彼が約束の時間から1時間たっても来ない。連絡もつかなかった。会社に電話をしてみたが、休日のため誰も出ない。彼女は焦った。

「急に見捨てられたんだと思いました。あわてて親友に電話をして会ってもらった。すると彼女、しばらく考えてから『前からアイリの話を聞きながら思ってたんだけど、彼、結婚してるんじゃないの?』って。うわーっと叫びましたよ。そんなこと考えてもいなかった。

だって当時、彼は26歳だし出会ったのは彼が入社して3年目ですよ。早く結婚していたって不思議じゃないし、もしかしたら年齢も嘘かもと彼女が言い出して……」

3日後、彼からようやく連絡があった。「突然の体調不良で病院に運ばれて、意識もなかった」というのだ。不自然だった。その日のうちに会って問い詰めると、彼は実際は10歳年上で既婚、ドライブの日は生まれて半年の子どもが熱を出して病院に連れていったのだと白状した。

「きみのことが好きで言えなかった」

人目のあるカフェで涙ぐみながらそう言った彼を一瞥し、彼女は無言で席を立った。

就職してからも、騙されてしまった私

大学を卒業した彼女は、第一志望の企業に入社した。そしてそこで今度は「離婚したばかり」だという取引先の30歳の男性と恋に落ちてしまう。ところが彼は離婚などしていなかった。

「彼は私と同じ部署の人たちにも、自分はバツイチだからと明るく話していたんですよ。だから信じてしまった。ただ、仕事で知り合ってプライベートな関係になってしまったのは、まだ秘密にしておこうと彼が言う。私もそれがいいと感じていた。

1年ほどつきあったころでしょうか、その社の担当が変わったんです。新しい担当者が『彼は子どもが生まれたばかりだから』って……。さすがにそのときは『彼、結婚していたんですか』と素っ頓狂な声を出してしまいました」

アイリさんと彼がつきあっていることは誰も知らなかった。彼女も大事に育てていきたい関係だと信じていたから、秘密裡にしていたのだ。

「裏切られたというより、だまされたと思いました。彼の会社の人に言ってやろうかと思ったけど、私もまだ入社2年目。自分がいけなかったと思うしかありませんでした」

ただ、彼はその数年後、同じような手口で別の会社の女性をだまし、その女性が会社に怒鳴り込んできたことで悪事が発覚、退職したそうだ。それを聞いたとき、アイリさんの気持ちも少しだけ晴れたという。

マッチングアプリで出会い、3度目の不倫

そして今、彼女は3度目の「不倫」で傷ついている。今回は相手が単身赴任だったのを知らなかったのだ。

「彼とはマッチングアプリで知り合いました。同い年で、都内の賃貸マンションでひとり暮らし。故郷は西日本のある県の県庁所在地で、大学のときから東京にいる、と。バーを経営しているというんです。バーにも行ったけど疑わしいところはなかった。

もっとも彼は『仕事場にはあまり来てほしくない』と言ってたし、その気持ちはわかるから数回しか行っていませんけどね」

彼の部屋にはよく行った。いかにも男のひとり暮らし、殺風景だがステレオだけは立派だった。彼はジャンルを問わず音楽が大好きだったのだ。

「店でかける音楽も自分で選んでいると言っていました。ちょうど私、昇任試験を受けるところだったんですが、彼は応援してくれていた。私が試験に受かったら結婚しようと話していたんです」

2年つきあった。彼女の合格を知った彼は、「今日は店を従業員に任せる」と言って自ら料理を作って祝ってくれた。その最中、彼の携帯が鳴った。

「電話に出た彼が真っ青になって……。電話を切ると、『ごめん、今からまだ新幹線に乗れるよね。帰らなくちゃ』って。おとうさんが倒れたとおかあさんから連絡があったと。私は彼の家の鍵をもっていなかったから、一緒に出て東京駅まで見送りました」

翌日、彼から連絡があった。おとうさんは残念ながら亡くなったという。お通夜やお葬式があるからしばらく帰れないと聞き、とにかく疲れがたまらないよう気をつけてと涙声の彼を励ました。

「なんとなく彼を感じたくて、彼の店に行ったんです。そうしたら私を覚えていた店の人が、『今日は店長、いないんですよ』と言った。店長という言葉に違和感があって、あの人はオーナーではないのかと聞いたら、雇われ店長だと。

『今日はお子さんが病気になったので、自宅に戻ってます』とも言われました。自宅、広島だから遠いんですけど、さっき連絡があってお子さんが念のため入院したので2、3日は帰れないらしいですって」

アイリさんは顔面蒼白になっていたのだろう。店の人に心配された。どこをどう通って帰ってきたのか、ほとんど記憶がないそうだ。

「全部聞いた、もう連絡しないでとメッセージを送りました。彼は『ごめん』とだけ。男運が悪いのか、私が甘いのか。こう立て続けに既婚者とばかり恋をするのは、私がそういう恋を引きつけるんだろうと親友は言うんですが……。私はまともな恋をしてまともに結婚したいだけなんですが」

苦笑いが泣き笑いのような表情になった。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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