マンション購入「穴場エリア」4選 - 住宅のプロだからこそわかる"穴場"を特別に紹介!<都内・東京近郊編>

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2023年10月11日 09:01  マイナビニュース

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価格高騰が続く東京首都圏のマンション。「東京近郊でマンションを買うなんて、私には無理」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には東京都内・東京近郊でも、まだまだリーズナブルな価格で中古マンションが買える場所はあるのです。



今回は、日頃から中古マンション市場をウォッチし続けているプロの視点から、これから注目の「穴場」エリアをご紹介。2023年現在はまだお買い得価格でマンションが購入できて、かつ今後人気が高まっていきそうなエリアを厳選してご紹介します。キーワードは「少し先の未来を見ること」です!


【1】金町エリア

■駅周辺の再開発を皮切りに、活発な「まちづくり」に期待大



1つ目にご紹介するのは、JR常磐線各駅停車の金町駅、京成金町線の京成金町駅周辺エリア。東京都の東端・東京都葛飾区に位置します。地図上で確認すると都心部から離れているように見えますが、電車アクセスがよく、通勤利便性も悪くありません。



常磐線(東京メトロ千代田線に直通)を使えば大手町駅に直通30分かからず行けるほか、京成金町線(都営浅草線直通)を使えば日本橋駅や東銀座駅まで30〜40分程度でアクセス可能。また、成田スカイアクセス線で成田空港へも直通で行くことができます。



そんな金町エリアは、駅南側の再開発によってできた複合施設「ヴィナシス金町」(2009年)を皮切りに、東京理科大学葛飾キャンパスの開設、葛飾にいじゅくみらい公園の開園(ともに2013年)と、堅実にまちづくりを進めてきました。2021年竣工の野村不動産のタワーマンション「プラウドタワー金町」や住友不動産による「シティタワー金町」「シティテラス金町」など大手ディベロッパーによる大規模マンションが続々誕生。住宅と暮らしのための機能が整えられてきています。



さらに開発は続き、駅の北口側では「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」として、商業施設・公共施設と一体となった地上40階建てタワーマンションが2030年までに完成する予定。

■都内ながら抑えめな坪単価で流通するエリア



価格は、築年数20年以内でも坪単価で280万円ほど。都内ながら抑えめな値段で、同じJR常磐線の沿線である北千住駅周辺(足立区)と比較すると、1坪あたり56万円ほどお安め。ファミリーサイズの物件も5000万円台で購入可能です。


【金町エリアの中古マンション参考価格】

・40.5平米: 2,980万円

・68.1平米: 5,980万円

※築20年以内、2023年10月時点のデータより算出



【2】小村井エリア

■発展途上ではあるが、防災対策を含め将来に期待ができるエリア



2つ目にご紹介するのは、東京都墨田区の小村井駅周辺。住所でいうと墨田区文花もしくは立花になります。東武鉄道亀戸線は曳舟駅から亀戸駅までの5駅のみをつなぐローカル感漂う電車で、曳舟駅(約3分)や亀戸駅(約5分)まで5分以内の距離感です。また駅前から出ている都営バスで押上駅まで出ることも可能です。



墨田区は「文花地区まちづくり方針」を掲げ、文花1〜3丁目に墨田区初の大学を誘致することに成功。旧曳舟中学校・旧西吾嬬小学校跡地に、iU情報経営イノベーション専門職大学が開学、千葉大学 墨田サテライトキャンパスが開設されました。「公・民・学」が連携するまちづくり組織『UDCすみだ』の元で、街に開かれた新しい教育の場づくりが進められています。



都営住宅の建て替え計画や老朽化した木造建築物が集まるエリアの防災に強いまちづくりも計画されており、現状でエリアが抱える懸念やリスクを見直していく動きもあります。



まちづくりの段階としては先にご紹介した金町エリアよりもさらに「途上」となるため、今後に期待しての購入、ということになります。そのため小村井駅周辺には現状ではスーパーなど日常的な買い物施設は少なめです。自転車や亀戸線で、曳舟駅・亀戸駅・錦糸町駅・押上駅など周辺駅まで移動することが必要です。

■「文花」か「立花」かで多少の価格差があるが、いずれにしても控えめ価格の傾向



小村井エリアの価格は、住所が文花か立花になるかで、若干の価格差があります。築年数20年以内で文花は1坪あたり285万円、立花は242万円ほど。いずれにしても控えめな価格です。同じ亀戸線である亀戸駅周辺(足立区)と比較すると、価格差は坪単価で約86万円。



亀戸は、マンションと一体となった大規模商業施設「カメイドクロック」が2022年にオープンするなど再開発によって変革期を迎えていることもあり、価格が上昇傾向にあります。


今後は大学に通うために小村井エリアに賃貸で居住し、卒業後もそのまま周辺に住みつく流れができあがっていくかもしれません。大学誘致を拠点に街が盛り上がっていく例は周辺でも北千住など少なくないので、長い目で見て将来に期待したい街です。


【小村井エリアの中古マンション参考価格】

・45平米: 3,730万円

・62.3平米: 4,490万円

※築20年以内、2023年10月時点のデータより算出



【3】六町エリア

■高島屋の連結子会社が駅前の区有地を所有しており、駅周辺の開発やブランディングに期待



3つ目の穴場エリアは、足立区の六町エリア。2005年つくばエクスプレスの開通にあたって開発されたエリアであり、六町駅を中心に今もまちづくりが進められています。東京都の東側の中でも北寄りに位置し、川を挟んで埼玉県八潮市に接しています。つくばエクスプレスを使えば北千住駅まで直通約5分、秋葉原駅まで直通約16分でアクセス可能です。



都内居住者であってもなかなか知る人ぞ知るマイナーとも言える駅ですが、このエリアが注目だと言えるのは、六町駅前の区有地「六町駅前区有地活用事業」において、公募型プロポーザルにより選ばれたのが高島屋の連結子会社である東神開発株式会社だから。玉川高島屋S・Cや流山おおたかの森S・Cを手がけた同社によって、高島屋ブランドの施設が誕生することになれば当該エリアのブランド力が急上昇することもありえます。現時点での発表によれば、2026年6月開業予定で行政と民間、地域と繋がる「まちの中心」となる複合施設の計画が進められています。

■2駅先の「北千住」の約1/2の坪単価だが、物件数は少なめ



比較的若い街だけに、築浅マンションが多め。1坪あたり約140万円から約262万円まで差が大きいですが、築10〜20年であれば、1坪あたり140〜197万円のレンジで住むことが可能です。同じくつくばエクスプレスの駅である北千住駅周辺(足立区)と坪単価を比較すると、たった2駅先の距離にも関わらず2倍弱の価格差があります。六町エリアは物件数が少ないため、青田買いを狙うのであれば虎視眈々と狙いたいエリアです。


【六町エリアの中古マンション参考価格】

・53平米: 2,850万円

・61.7平米: 3,680万円

※築20年以内、2023年10月時点のデータより算出



【4】新横浜エリア

■駅前の再開発により、利便性・人気が高まる可能性を秘めるエリア



最後にご紹介する穴場エリアは、新横浜。新幹線の停車駅だけに、驚かれた方も多いかもしれません。交通要所ではあるものの、いわゆる観光都市でもある横浜市街地からは若干外れることもあり、実はお値段が抑えめなのがこのエリアなのです。売出物件数も多めなので、お買い得物件を見つけやすいでしょう。



駅舎もローカル感が漂うコンパクトなつくりです。「新横浜駅篠原口のまちづくり計画(案)」として、駅前は歩車分離が行われるなど道路事情が改善されるほか、再開発計画案では街区として高層集合住宅や商業棟の建設が検討されています。横浜駅まではブルーラインで直通11分程度。横浜中心地にも気軽に行けることは立地としての大きなアドバンテージであり、何より新幹線駅の停車駅であることは出張や旅行が多い方にとって便利なだけでなく将来的な値崩れの可能性も抑えられるでしょう。



仮に駅前の開発が実現されれば、生活利便性も高まりますし、居住者増加によりニーズとともに価格も上昇するでしょう。まさに今が、観光地としての横浜を移動圏内としながら日本全国への交通アクセスも手にできる住宅地を割安で手にできるタイミングとも言えるかもしれません。

■シングル・DINKs向けよりファミリー向け物件が割安



価格は、築年数20年以内で1坪あたり260万円を切ります。70平米台のファミリーサイズの物件も4000〜5000万円台で購入可能。30〜55平米レンジのシングル〜DINKs向け物件の方が、やや割高で、築10年以内の物件で坪単価350万円を超える物件も見られますが、それでもやはり控えめな価格帯であることには変わりません。



坪単価は新横浜駅が259万円、新横浜駅から自転車で10分程度の大倉山駅が坪単価284万円なので、新横浜の方が25万円ほど割安。ちなみに横浜駅のすぐ南西にあたる平沼橋駅(相模鉄道本線)が坪単価312万円、みなとみらい駅は坪単価516万円なので、やはりそのリーズナブルさは周辺で群を抜いています。


【新横浜エリアの中古マンション参考価格】

・40.7平米: 3,150万円

・78.1平米: 5,580万円

※築20年内、2023年10月時点のデータより算出



○「穴場エリア」はここに注目して探そう!



中古マンション選びは、立地条件が8割を占めるといっても過言ではありません。穴場エリアを選ぶ時のポイントは、「再開発エリア」を狙ってマンションを購入することです。今回も、【1】現状で価格が周辺エリアよりも安め【2】再開発予定がある の2点で見ています。実際に検討する際には、現地に行って周辺を歩いてみることはもちろん、Googleマップなどを使って広い視野で該当エリアをとらえてみることをおすすめします。気になる点が見つかるかもしれません。さらに、購入物件を探すときは、駅徒歩分数など該当エリア内におけるマンションの位置も考えたいところではあるのですが、それらのポイントに関しては、別の機会でお話しできればと思います。



針山 昌幸 はりやま まさゆき 株式会社Housmart 代表取締役。相場を確認しながらかしこく中古マンションが売買できるアプリ「カウル」やメディア『マンションジャーナル』、不動産仲介会社向けの営業支援システム「プロポクラウド」など、住まい選びをより自由にすべく幅広く事業を展開。著書に『中古マンション本当にかしこい買い方・選び方』(日本実業出版社)。 この著者の記事一覧はこちら(針山 昌幸)

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