NTT西日本、ライブコマース「foove」で地域活性化を狙う - 奄美大島では人気ジェラートに熱視線!

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2023年10月16日 10:02  マイナビニュース

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西日本電信電話(以下、NTT西日本)では西日本管内の30府県にて、地域が抱える課題を地域のパートナーとともに解決する取り組みを続けている。奄美大島で9月中旬に行われたライブコマースサービス「foove」(フーブ)を活用したユニークな取り組みを取材した。


○■fooveとは?



fooveは、地域の「食」に特化したライブコマースサービス。スマートフォンが1台あれば気軽に始められるライブ配信を通じて、生産者・販売者は取り扱う商品を消費者にダイレクトにアピールでき、また消費者は生産者・販売者と直接コメントをやりとりしながら気に入った商品をその場で購入できる仕組みになっている。


筆者が訪れた日、奄美大島のカフェ「あまみん & Tropica Amami」では店舗の一角を利用してジェラート詰め合わせの”オンライン実演販売”が行われた。ライブに協力したのは、地元テレビ局のMBC南日本放送。


あまみん & Tropica Amamiでは店頭で自家製ジェラートを製造・販売し、地元住民にも観光客にも人気が出ている。また「あまみ月桃」「西表島ピーチパイン」「喜界島白ごま」「徳之島ラムレーズン」など、鹿児島から沖縄にかけて広がる南西諸島の特産物をうまく活かしたジェラート詰め合わせを「8個入り」または「12個入り」のケースで販売中。こちらは宅配便で全国に届けている。


この日のライブには、あまみん & Tropica Amamiを運営する田中基次代表が登場。MBCの女性タレントとともに全国の視聴者に向けて、ジェラート詰め合わせ商品の魅力を伝えた。


鮮やかなデザインのパッケージに「紺碧のチョコミント」や「魅惑のドラゴン & パッション」など印象に残るネーミングもつけられており、どれも美味しそうな商品が並ぶ。だが、やはり消費者としては「実際にはどんな味なのか」が気になるところだろう。そこで、この日のライブでは女性タレントがジェラートを次々と試食し、その直感を視聴者に伝えていった。平日の午後の配信に同時接続したのは100名あまりで、コメント欄には「美味しそう」「食べてみたい」などポジティブな反応のほか、「食感はどんな感じですか? しゃりしゃり系?」といった質問も随時寄せられた。


配信は40分ほどで終了し、生放送中に7ケースの注文が入った。なお映像はアーカイブでも視聴できる仕組みとなっている。


○■地域活性化に向けて

NTT西日本 鹿児島支店 ビジネス営業部の久保田祐貴氏に話を聞いた。



そもそもfooveとは、どんな経緯で始まったサービスなのだろう。久保田氏は「生産者の皆さんは、取り扱う商品の魅力を知り尽くしているだけでなく、”ならでは”の美味しい調理法、食べ方を知っていることがよくあります。そんな『生産者だからこそ』発信できる情報を伝えるためのライブ配信サービスがあったら良いな、というところから立ち上がったサービスです」と紹介する。



そしてNTT西日本では、その先の地域活性化を狙っている。「生産者と消費者がダイレクトに繋がって、商品が売れて、といったサイクルが生まれるなかで、生産者さんは『これまでアプローチできていなかった層にも商品を買ってもらえた』と事業に前向きになります。また消費者の皆さんは、地域に興味を持つきっかけにもなるでしょう。もしかしたら、その地域に観光で訪れてくれるかも知れません」。


――今回は、どのような経緯で「あまみん & Tropica Amami」を選んだのでしょうか?



久保田氏「奄美大島の生産者さんを中心にお声がけしていたなかで、南西諸島の特産物をうまくジェラートに落とし込んでいる当店舗に注目しました。ちなみにこちらの店舗では障がい者の就労支援も行っており、そうした理念にも共感した次第です」



――これまで取り上げてきた商品を教えてください。



久保田氏「NTT西日本 鹿児島支店としては、たとえば焼酎、さつま揚げ、変わったところでは『深海魚フェス』などもやりました。深海魚って、実は美味しく食べられる種類もたくさんあるんですよ」


――視聴者の属性は?



久保田氏「平均的には40〜50代の女性が多い印象ですが、配信される時間帯によっても変化します。夕方になると仕事終わりの社会人が増えますね。本日は午後のライブでしたが、16時以降に配信をスタートすれば300人が視聴してくれる、なんてことも珍しくありません。



先日、配信で焼酎を取り上げたときには若年層が多いのに驚きました。焼酎って、ともすればアルコール度数が高い、酒に強い人が飲むもの、年配の方向き、なんて先入観がありますが、実はそんなことないんですね。若者は焼酎をソーダ割りで飲んだりしていますし、最近はカクテル風の焼酎も出てきました。食べ合わせの妙もあり、焼酎ってまだまだ魅力を掘り下げていけるお酒なんだな、と感じました」


――今後の取り組み予定は?



久保田氏「この3日間は離島フェアをやりました。でも鹿児島県内には、まだまだ美味しい食べ物、飲み物がたくさん埋もれています。今後もこういった形で、継続的に各地の名産品などを紹介する取り組みを行っていけたら良いですね」


久保田氏は「fooveは、生産者・販売者と視聴者が一緒に作り上げていく、そんなライブコマースサービスに育ってきたのを感じます」と手応えを口にする。最後に今後、やってみたい企画を聞くと「鹿児島県内には、焼酎の蔵が100以上あると言われています。そんな焼酎の蔵が一堂に会するイベントを企画したら、盛り上がるんじゃないでしょうか」と話していた。



近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら(近藤謙太郎)
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