ホンダの新型「N-BOX」がいよいよ発売! 旧型ユーザーの評価は?

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2023年10月16日 11:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ホンダが“日本一売れているクルマ”こと「N-BOX」の新型をいよいよ発売した。見たところ大幅な変化はなく、いわゆる「キープコンセプト」のフルモデルチェンジだと思われるが、旧型N-BOXユーザーの目に新型はどう映るのか。話を聞いてみた。


○N-BOXカスタムを車中泊メインで使うOさんの話



N-BOXは登録車と軽自動車を合わせた自動車全体で新車販売台数2年連続1位(2021年度〜2022年度)を獲得している大ヒット商品。軽自動車だけの集計だと8年連続1位の絶対王者だ。身の回りにもユーザーがたくさんいる。



初代N-BOXがコアターゲットに据えたのは、30代の子育て世代(女性)だった。2代目はユーザー層を20代の独身女性や50代の子離れ男性、60代のシニア男性などあらゆる世代へ拡大した。


筆者の知り合いにも2代目N-BOXユーザーがいる。自宅(東京都国立市)から徒歩1分の自家焙煎コーヒー豆専門店「ICHIYOU coffee rastery」のオーナー、Oさん(60代男性)だ。


Oさんが所有しているのは、2023年2月に購入したばかりの白いN-BOXカスタム。アーリーアダプターとして電気自動車(EV)の日産自動車「リーフ」(初代)に7年間乗ったが、バッテリーが劣化してきた(満充電時の航続距離がかなり落ちてきていたらしい)こともあり、N-BOXに乗り換えた。



リーフの次に軽スーパーハイトワゴンを選んだ理由は何か。Oさんによれば「流行りの車中泊をやってみたいという欲求が沸々と湧いてきたこと」「ガソリン代がそれほどかからないこと」「小回りが利くことこと」「妻や娘を乗せる機会があること」などの理由から、車内が広くて燃費のいい軽自動車を選ぶことにしたそうだ。



ライバルのS社やD社のクルマも検討したそうだが、N-BOXには青森旅行の際にレンタカーで乗ったことがあり、その際に広さや使い勝手に好感を抱き、ノーマルエンジンでも走りについて全く不満がなかったこともあって、いい印象があった。



ということで、近所のホンダディーラーに行って購入を即決したのが、くだんの白いN-BOXカスタムだ。すでに赤城山や浜松、榛名山などで車中泊を体験済みで、現在は車内のレイアウトや備品をブラッシュアップ中。ただし、ふだんはチョイ乗りばかりなので、走行距離はまだ2,000km台とピカピカの状態だ。


新型N-BOXの写真を見ての第1印象は「あんまり変わっていないので安心した」というもの。水平になったダッシュボードやインホイール化したメーターなどのデザイン変更については、「背が高いのでアウターホイールメーターでもよく見えていた」とあまり気にならないようだ。

一方で、助手席のスーパースライド機構がなくなった点については、レイアウトをいろいろと考える上で残念だという。



最後に、Oさんからホンダのディーラーさんにも一言。



「リーフを下取りに出した時、『必ずフル充電にしてきてください。店に充電設備がないので』といわれて、『ホンダはまだEVに力が入ってないんだな』と実感しました」

○新型N-BOXと顔がそっくり! N-VANオーナーは何を思う?



N-BOXではないのだが、兄弟車の「N-VAN」(+STYLE FUN)を所有するKさん(70代男性)にも話を聞いてみた。筆者が新型N-BOXのノーマルモデルを見た時に妙な既視感があったのは、この顔を毎週見ていたから。特に、上下に半円のリングを組み合わせた丸目2灯のライト周りは、新型N-BOXとウリ二つといってもよいほどだ。


Kさんは、伐採された国立市の桜の木を使用して木工を行う「くにたちさくら組」のリーダーの1人。毎週地元の市民(筆者も所属)を集めて作品を制作している。そのため、教室(公園で開催することが多々ある)で使用する材料や工具類、発電機(こちらもホンダ製)などを大量に積み込むことが多く、常に2シーター状態だ。


2年前の5月まで長く乗っていたのが4WDのホンダ「クロスロード」だというから、根っからのホンダ党なのかと思いきや、実は息子さんがホンダF1エンジンのチーフエンジニアだったというのがオチ。ご本人の現役時代は、ソニーの海外工場を数多く立ち上げた責任者だったということもあり、ソニー×ホンダの組み合わせになっている。なんとなく納得のいく選択だ。



年齢的なこともあって、視界のよさや乗りやすさを重視しつつ、積載量は変えたくないということで選んだのがN-VANだった。開口部が広くて床が低く、さらに天井が高い(ハイルーフ仕様で載せられる量がより増えた)点がお気に入りポイントだという。



製品を見る目はシビアで、「ホンダが売れ筋のN-BOXをキープコンセプトとしたのは当然」という考えだ。


街中を歩いていると、N-BOXを見かけることが本当に多い。多くの自動車ユーザーのライフスタイルにマッチしたことで、2代目は、すでに「国民車」のような立ち位置を獲得しているといっても過言ではない。



3代目はパッケージ、デザイン、質感、安全性、コネクテッド、動力性能、乗り心地、静粛性など、全方位的に満足度を向上させるキープコンセプトの正常進化を果たしている。売れているからまた売れる。軽スーパーハイトワゴンというジャンルのスタンダードになったがゆえである。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)
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