JR九州、マヤ車に代わる多機能検測車「BIG EYE」本運用へ走行試験

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2023年10月26日 17:11  マイナビニュース

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JR九州は26日、老朽化したマヤ車(高速軌道検測車)に代わる新たな検測車として「BIG EYE」(ビッグアイ)を開発し、11月から本運用に向けた走行試験を実施すると発表した。


多機能検測車「BIG EYE」(商標権取得申請中)は、2020(令和2)年7月の豪雨災害で被災した車両をリニューアル。高頻度かつ高精度なデータ測定により、これまで係員が実施してきた目視による線路点検や検査業務を抜本的に見直し、より安全で効果的な設備修繕をめざす。各装置から取得するビッグデータを活用し、安全性と生産性を両立した持続可能なメンテナンス体制を構築するとしている。



「BIG EYE」には「軌道検測装置」「建築限界測定装置」「部材検査支援カメラ装置」といった装置が搭載される。軌道検測装置は、レールにレーザ照射などを行い、線路のゆがみを測定。無線によって測定したデータを伝送する。建築限界測定装置は、ホーム・トンネル・信号設備等にレーザを照射し、線路からの距離を連続的に測定する。


部材検査支援カメラ装置は、ラインセンサカメラでレールやレールとまくらぎを固定する金具(レール締結装置)の状態、レールとレールをつなぐボルト類の状態などを高精度に撮影。取得した画像データを用いてAI開発を行い、不良箇所の自動判定技術の確立をめざすという。



走行中の鉄道車両を支える線路設備は、列車の繰返し荷重により日々劣化が進行するため、それらの状態を的確に把握し、適切な時期に修繕することが重要。高頻度に検測を行うことでTBM(時間基準保全)からCBM(状態基準保全)への転換を図り、より安全で効率的なメンテナンスの実現をめざす。



車両およびロゴのデザインは、社内で建築業務を行う社員の間でコンペを行い、決定した。車体側面は軌道変位を表現した波形をあしらい、車体前面と背面にはヘッドライトの目玉や牛をモチーフとすることで、こどもたちをはじめ鉄道利用者にも親しみをもってもらいたいとの思いを込めた。


今後の計画としては、2023年11月から2024年3月まで、検測データの精度の検証、機器の耐久性、データ解析のシステム構築など、運用開始に向けた性能評価を行うための走行試験を実施する。「BIG EYE」の実導入については、試験結果を踏まえ、検討を進めていくとのこと。(木下健児)

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