イタリアサッカー連盟(FIGC)は26日、ニューカッスルに所属しているイタリア代表MFサンドロ・トナーリについて、合計10カ月間の出場停止処分を科したことを発表した。
トナーリに関しては今月12日、不正賭博に関与した疑いによりイタリア代表のトレーニング施設にて警察当局の取り調べを受け、同じく賭博違反の疑いがかけられているアストン・ヴィラ所属のMFニコロ・ザニオーロとともにイタリア代表からの離脱が伝えられていた。所属クラブのニューカッスルは18日付で声明を発表。「サンドロ・トナーリが違法賭博行為に関連してイタリア検察庁とイタリアサッカー連盟(FIGC)の捜査対象であることを認める。サンドロは誠心誠意捜査に応じており、今後もあらゆる関係当局と協力していく。彼と彼の家族は今後もクラブの全面的なサポートを受けることになる」と明かしていた。
複数の調査を経て、FIGCは26日付で処分の詳細を発表。最大3年間にも及ぶ出場停止の可能性も報じられていたが、最終的に検察当局はサッカーイベントへの賭博を禁止する項目に違反したとして、合計18カ月間の出場停止処分および2万ユーロ(約317万円)の罰金を言い渡した。ただし、トナーリが賭博違反を認めた上で捜査に協力する姿勢を見せたことで一部の処分内容が軽減。8カ月間におよぶギャンブル依存症を克服するためのリハビリ活動、および連盟が主催する公開ミーティングに最低16回は参加することで、そのうちの8カ月間は減刑される。実質的には合計10カ月間の出場停止処分が確定した。
なお、FIGCは17日、トナーリと同じくサッカーイベントへの賭博を禁止する項目に違反したとして、ユヴェントスに在籍する同代表MFニコロ・ファジョーリに合計12カ月間の出場停止処分を下したことを明らかにしていた。こちらのケースでもギャンブル依存症を克服するためのリハビリ施設に通うこと、6カ月間の治療、最低10回の公開ミーティングへの参加でそのうちの5カ月は減刑されることとなり、実質的には7カ月間の出場停止処分となっている。『スカイスポーツ』によると、トナーリの場合は自身が出場する試合での賭博にも関与していたことで、ファジョーリとは異なり実質10カ月間の出場停止処分となった模様だ。
トナーリは今夏の移籍市場にて、ミランからボーナス込みで7000万ユーロ(約110億円)と見られる移籍金でニューカッスルに完全移籍加入。2028年夏までの5年契約を締結していた。今季はここまでプレミアリーグ8試合、チャンピオンズリーグ3試合、カラバオ・カップ(EFLカップ)1試合の公式戦合計12試合に出場し、1ゴールを記録。前述の出場停止処分により、今季の公式戦全試合の欠場が決まったほか、来季もプレミアリーグ開幕直後の数試合には出場することができない。
加えて、トナーリはイタリア代表でもこれまでに公式戦通算15試合に出場しており、新世代の“アズーリ”(イタリア代表の愛称)を担う存在と目されていたが、来夏にドイツで開催されるEURO2024の参加も不可能となった。なお、『スカイスポーツ』によると、出場停止期間内に行われるトレーニングや練習試合等には参加できる見込みだ。