色覚障害で朝日が緑色に見えていた少年、クラスメイトがお小遣いで専用メガネをプレゼント(米)

6

2023年10月29日 18:11  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

クラスで好きな色について話していた時、色覚障害を持っていることを打ち明けた少年。「みんなと同じ色を見てみたい」と願っていたという(画像は『NBC 5 Dallas-Fort Worth 2023年10月20日付「Colleyville student sees color with help of his classmates」』のスクリーンショット)
米テキサス州の小学校で、ある少年が色覚障害を持っていると知ったクラスメイトたちは、お小遣いを集めて専用メガネをプレゼントした。「みんなと同じ色を見てみたい」と願っていた少年は、初めて見る景色を目の当たりにしてとびきりの笑顔を見せたという。米ニュースメディア『People.com』などが伝えている。

【この記事の他の写真を見る】

米テキサス州コリービルにある小学校「Glenhope Elementary School」のグレード5(10〜11歳の子が在籍)のクラスで先日、好きな色について話し合う授業が行われた。一人一人が好きな色を答えていく中、ジャロン・カシジャス君(Jaron Casillas)は自分が色覚障害であることを打ち明けた。

色覚障害とは、通常の色が異なる色として見えてしまう状態のことだ。ジャロン君の母親リンジー・カシジャスさん(Lindsay Casillas)によると、朝早く出かけた時のこと、朝焼けを見たジャロン君が「キレイな緑色の朝日だね!」と言ったそうで、この時にリンジーさんはジャロン君が色覚障害であることに気がついた。色覚障害の有効な治療法はないが、専用のコンタクトレンズやメガネをかけることで、見え方を調節することができる。

ジャロン君は、他のクラスメイトが紫や緑、青に見えているものが、濃さの違うグレーとして見えていると話した。担任のクリスティーナ・ヘイズさん(Christina Hayes)が「色覚障害用の特別なメガネは知っている?」と尋ねると、ジャロン君は「知っています。けれど、ものすごく高いんです」と答えたそうだ。

その授業の2週間後、クラスメイトらはクリスティーナさんに「ジャロン君へ専用のメガネを買ってあげるため、資金を集めることはできませんか」と相談した。そしてクラスメイトたちは募金活動を行い、自分たちのお小遣いも合わせることで、屋内用と屋外用、2種類の専用メガネを購入する資金を集めた。

そして今月19日、ジャロン君の両親をクラスに招待し、ジャロン君に専用のメガネをプレゼントした。クリスティーナさんは「みんな、あなたのことが大好きで大切な存在だと思っているから、喜んでお小遣いを出したのよ」とメガネを受け取ったジャロン君に説明した。

ジャロン君は緊張しながらも、メガネを手に取ってかけた。初めてみんなと同じ世界を見ることができたジャロン君は、「ワオ! みんなはこんな景色を見ていたんだ!」と驚きながらも笑顔で周囲を見渡していたという。

その後、クリスティーナさんは特別に休み時間を設け、ジャロン君が屋外用のメガネを試せるようにクラスのみんなと外に出た。クリスティーナさんは「とても素晴らしい瞬間でしたね。ジャロン君はずっと笑顔で、あの笑顔は忘れられないわ」と振り返った。


またリンジーさんも、次のように語っている。

「クラスメイトたちの溢れるほどの思いやりと、ジャロンの名前を呼んで弾けるような笑顔を見せる子どもたちを目の当たりにして、決して忘れられない瞬間になりました。母親として、子どもの“初めて”に立ち会いたいと思うものです。初めての一歩や初めての言葉、初めてのアイスクリームの味などと同じような瞬間を見ているようでした。けれど私たちは、プレゼントの反応を期待する子どもたち、そして友達の“初めて”に立ち会う子たちに囲まれ、愛に溢れる瞬間にいたのです。」

「多くの子どもたちがお小遣いを持参し、寛大なプロジェクトで一つになったことは、世界にはまだ善良さがあり、次世代の心には善意さがあると私は思います。このことは家族でも話していますよ。ジャロンは真の友情とは何なのか、周囲を思いやる心とは何なのかを目の当たりにしたと思います。この日のことを胸に刻み、ずっと忘れないでいて欲しいですね。」


メガネをプレゼントしてもらったジャロン君は、「僕のためにこんなことをしてくれる友達がいて、これこそが真の友達なんだと知ることができてとても嬉しいです」とクラスメイトたちの行動に感激していた。

ジャロン君は今後、新しく色の認識を覚え直すことになる。これまで草の色を“赤”と答えていたジャロン君にとって、覚え直すことは新たな挑戦になるが、すでにクラスメイトが暗記カードを作るなどサポートしているという。原色から始め、原色を混ぜ合わせた二次色も順番に覚えるため、一緒に取り組んでいくそうだ。

なおテックインサイト編集部では「Glenhope Elementary School」に、ジャロン君のために資金を集めたことで学校全体に与えた影響や、ジャロン君とクラスメイトの友情についてうかがうべく取材を申し入れている。

画像は『NBC 5 Dallas-Fort Worth 2023年10月20日付「Colleyville student sees color with help of his classmates」』『Mac 2021年1月5日付X「The fact that I hardly ever mentioned my want for colorblind glasses」』『GoFundMe 2019年11月22日付「Color Blind Glasses」』『Storytrender 2018年7月9日付「Colour me beautiful – Wife gives husband enchroma glasses as wedding gift」(CATERS)』のスクリーンショット、『CNN 2017年3月4日公開 YouTube「Moment boy sees color for the first time」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 iruy)

このニュースに関するつぶやき

  • 少年よ、日本の朝日はアカいぞ(笑)。
    • イイネ!73
    • コメント 4件

つぶやき一覧へ(4件)

前日のランキングへ

ニュース設定