連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第24回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります！
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ウーバーイーツ配達員が遭遇したら困る突発的なトラブル。その最大のものである交通事故については以前、「もしもウーバーイーツ配達員が交通事故に遭ったら」で書かせていただきました。
今回は事故ほどではないものの、突発的に起きたら面倒なトラブルと、その対処法について書かせていただきます。
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日常的に起こるもので一番多いのがスマホの電池切れです。ウーバーイーツでは運営側が配達員に依頼を出す際、スマホのGPS機能を利用します。注文者もGPS機能で配達員の現在地がわかるようになっています。的確に配達の依頼を出すのは大切ですし、注文者に配達員の現在地を知らせることもいいサービスだと思います。なのでGPS機能を使うことに対する不満はありません。
そんな便利な機能ですが、少なくとも私が使用している機種ではメチャメチャ電力を消耗するらしく、GPSが働いている時は明らかにスマホが熱くなります。
私は配達する時、届け先の場所を確認したら目印になるポイントまでの道のりを頭に入れ、スマホをポケットに入れて移動するスタイルですが、配達中にポケットが熱くなる時があります。変な道に入るとスマホがブルっときて、確認すると「その道は違います」というメッセージがくることがあります。配達が終わった後、電池の残量を確認すると20%、多い時は30%ぐらいバッテリーの残量が減っています。
こういったスマホ電池トラブルは、モバイルバッテリーの大量購入で解決しました。配達を始めてから3ヶ月後に5000Ahのバッテリー1個を購入しましたが、最近は運営や注文者とトラブルが起こった際、音声や動画で記録する必要性を感じたことから、万が一も考えて10000Ahのバッテリーを3個購入。配達中は2個のバッテリーを持ち歩き、1個は家で充電しておくスタイルで電池切れのトラブルは解消しました。出かける時、たまに充電用ケーブルを忘れてしまう凡ミスもありますが......。
同じく日常的に起こるのがトイレのトラブル。普段から夜中に何度か目覚めてトイレへ行く50代目前のおじさんにとってトイレ問題は重要な課題です。
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解決策は「公衆トイレの位置を覚えておく」のが一番の方法ですが、たまに公衆トイレがまったくないエリアもあります。さらに、大きい方を催してしまった場合、公衆トイレが近くにあったとしても、和式なうえ、トイレットペーパーが備え付けてあるかわからない。また、私がよく配達しているエリアのコンビニはトイレの貸し出しがないのが一般的です。
そんな時に利用するのが、受け取り先の店の近くにあるトイレ。大きなビルの地下の飲食街、ショッピング施設のフードコートには誰でも自由に利用できるきれいなトイレはあるので、そういうところからの配達依頼を受けたら、料理を受け取る前に一旦トイレに立ち寄ることが多いです。
また、ビルの中に入るオフィスへ届けた場合もトイレチャンス。各フロアにはトイレがあることが多いので、配達後はなるべく立ち寄るようにしています（もちろんリュックは外に置き、トイレを出る前に手を洗い、最後にアルコール消毒はしております）。
夏場に困るのが雨のトラブル。レインコートを用意するのもひとつの手ですが、猛暑の中で着用するとコートの外側は雨で、内側は汗でビシャビシャになります。なので、一時的な雨なのか、長く降る雨なのかをネットの雨雲レーダーで見きわめ、お客さんに遅れる旨を連絡入れています。
料理を受け取る前で、お客さんから連絡があれば配達をキャンセルして他の配達員に回し、料理を受け取った後なら、ある程度周囲が見渡せる程の雨量になるのを待ってから配達を再開しています。
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さらに、年に数回遭遇するのが交通規制によるトラブル。私が配達するエリアでは隅田川花火大会、浅草三社祭などのイベントで大幅な交通規制がされます。
お祭りなどは特定のエリアで行なわれるので、その場所に近い店からの配達依頼を避ければ解決できるのですが、困るのが箱根駅伝や東京マラソン。道路の横断が数時間にわたり規制されるうえ、エリアも広いので、うっかり配達依頼を受けてしまうことも。受けてしまうと交通規制で大回りしているのに、配達中にスマホが熱くなり「遠回りしてませんか？」とメッセージが届くこともあります。
注文者に交通規制の旨をメッセージで入れれば事なきを得るのですが、普段より配達時間がかかってしまう上、遠回りしても配達料金が多くもらえるわけでもないので、いろいろ大変です。
文／渡辺雅史 イラスト／土屋俊明
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