伊豆諸島の「須美寿カルデラ」で発見された新種の「セキジュウジクラゲ」(aは横から、bは上から撮影)(海洋研究開発機構提供) 伊豆諸島の岩礁「須美寿島(すみすじま)」の北側にある海底カルデラ「須美寿カルデラ」(直径約10キロ)内で、透明な傘の中に赤い十字のような形が見える珍しいクラゲが見つかった。海洋研究開発機構のドゥーグル・リンズィー主任研究員らがミズクラゲ科の新亜科、新属、新種に分類し、和名を「セキジュウジクラゲ」と命名。国際動物学誌ズータクサに20日、論文を発表した。
このクラゲは傘の直径が約10センチ、高さが約7センチ。2002年に海洋機構の無人探査機で1匹だけ採集した後、20年に2匹目を採集できたため、他種のクラゲと形態を比較したり、遺伝子解析を行ったりした。その結果、ミズクラゲ科ではあるものの、他種のクラゲと大きく異なっているとして、新たな亜科に分類した。熱水鉱床がある須美寿カルデラでしか見つかっておらず、さらなる調査が必要という。