【プロが解説】気になる「事故物件」あれこれ 不動産会社は教えてくれる?そもそも売れるの?

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2023年11月30日 07:00  まいどなニュース

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大切な自宅売却の際に知っておきたいあれこれを教えます

「家を買う」という話はよく聞きますが、「家を売る」となるとよく知らない人も多いのではないでしょうか。家を売る前に知っておきたいあれこれを、不動産売却一筋15年で「売り主のミカタ」のIESUKU代表・田端梓さんに聞きました。

【写真】この家、どうやって売れば…?

そもそも「事故物件」ってなに?

――「事故物件」は芸人さんが住んでみたり、映画化されたりとエンタメ的に有名になった気がします。ところで、そもそも事故物件ってどんな物件のことですか?人が亡くなった物件ですか?

「自殺、他殺、火災、この3つのいずれかが起こった物件のことです。2021年10月に国土交通省が発表した、お客様への告知に関するガイドラインによると、こうした物件の購入や入居を検討されるお客様には、こうした事実を告知する義務があります」

――火災も事故物件ですか?

「はい。たとえ死者が出ていなくても修繕を行っているので、建物へのダメージについてお伝えしなければいけません」

「他にもガイドラインでは、お客様から聞かれたらどんな事柄も答えること。また、すでに報道された事件や事故に関わるような、社会的影響の大きい物件は告知せよ、などとあります」

「しかし不動産会社の多くは、告知義務のない事柄も伝えていますね。購入後に『実はこの家では昔……』と知ったお客様とのトラブルを防ぐためです」

――以前、自殺や他殺があった賃貸物件の場合、直後の入居者には告知する。でも、それ以降の入居者には告知しない、と聞いたことがあります。

「私も聞いたことはありますが、そんなことはありません。確かにガイドラインには、賃貸物件の場合は発生して3年経てば告知は義務ではない、とあります」

「でも、普通の不動産会社なら伝えるでしょう。購入物件の場合は年数の制限なくお伝えするようにしています」

 告知する義務のない物件とは?

――逆に、告知義務がないのはどのような場合ですか?

「その家で老衰や病死などでご家族に看取られて亡くなられた、いわゆる自然死の場合は告知義務がありません。室内で転倒など不慮の事故で亡くなった場合も同様です。また孤独死でも、ご遺体が腐敗しなければ告知義務はありません」

「ただし、腐敗して特殊清掃が入ったり床板などの修繕がされたりすれば、事故物件となるので告知義務が発生します」

――うーん。やっぱりそういうことは知りたい気がします。

「そうなんです。お客様の受け取り方は実にさまざまで、それがこういう物件の扱いを難しくしています」

「全く気にしない方もいれば、極端に気にする方もいる。だから大半の不動産会社は、些細なこともお客様にお伝えするのです」

「私も過去に告知しなったことで、契約を白紙にされた経験があります。戸建て住宅で独り暮らしをされていた方が、ある日玄関で倒れ、そのまま亡くなられました。その住宅は解体。その後、更地に建った新築住宅の購入契約を交わしたお客様が、過去にあったことを知って契約を破棄されました」

――不慮の事故で亡くなられた方のお家を取り壊し、その後建てた新築物件でも、そういうことがあるのですね。

 事故物件は安くならない?!

――ところで事故物件って、安くなりますよね?

「確かに事故物件は価値がない、タダ同然と思っておられるお客様は多いですね。でも実際はそこまで安くなりません。条件によってかなりの幅はありますが、おおむね市場価格の1〜2割引きです」

――もっと下がると思っていました!

「例えば孤独死でご遺体が多少腐敗しても、特殊清掃をしてリフォームし、売りに出された場合、2割減といったところでしょうか。備考欄に『告知事項あり』と書いて、市場と同等の価格で売りに出す不動産会社もあります」

「事故物件であっても、相場の価格で買ってくださるお客様がいる限り、私たちも必要以上に価格を下げることはしません」

――さっき言っていた、「気にしない人」ですね。

「以前、マンションに住む2人暮らしの母娘のうちお母様が飛び降り、下の駐車場で発見されました。娘さんはベランダに引っかかって未遂で終わり、その後母娘の住んでいた部屋は売りに出されましたが、相場の価格で買い手が見つかりましたね」

「室内で亡くなったわけではないので、この場合はガイドラインでも告知義務はなしです。しかし不動産会社としては、以前起こった事実はきちんとお伝えして、納得くださったお客様に購入いただいています」

――伺っていると、不動産会社の現場判断が多いですね。

「それだけ目の前の買い主様の受け止め方次第という部分が大きいからですね。そこが難しくもあり、また不動産会社の姿勢が問われるところです」

「次回は、売った自宅に賃貸で住み続けることのできる、今人気のリースバックについてお話ししましょう」

(まいどなニュース特約・國松 珠実)

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