なでしこ、ブラジル遠征初戦は黒星…終盤の2発で追い上げも、ラストプレーで痛恨の失点

7

2023年12月01日 06:43  サッカーキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サッカーキング

なでしこジャパンはブラジルと撃ち合いの末に敗れる [写真]=Getty Images
 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間11月30日、国際親善試合でブラジル代表と対戦した。

 来年に控えたパリ・オリンピック出場を目指し、アジアで2次予選の戦いをスタートさせたなでしこジャパンは、3連勝の好スタートで最終予選への切符を掴んだ。年内最後の活動となる今回は、ブラジル・サンパウロへの遠征を実施し、ブラジル女子代表との2連戦に挑む。

 ブラジル女子代表はFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023ではグループステージ敗退となったが、既にパリ・オリンピックの本大会出場権を手にしており、FIFAランキングでもなでしこジャパンより順位が1つ下の9位につけている。過去の対戦成績はなでしこジャパンから見て5勝2分4敗。今年2月の対戦時には0−1と黒星を喫していた。なでしこジャパンにとっては、来年2月に控えたアジア最終予選に向けて貴重な実戦の機会だ。

 なでしこジャパンを率いる池田太監督は、キャプテンの熊谷紗希を筆頭に、長谷川唯、長野風花、宮澤ひなたといった面々をスターティングメンバーとして送り出した。センターバックに入ると予想される17歳の古賀塔子は、なでしこジャパンデビューを飾っている。

 試合は立ち上がりから一進一退の攻防が続いたが、38分になでしこジャパンが均衡を破る。自陣左サイドでボールを受けた遠藤純が熊谷とのパス交換で敵陣へ侵入。左サイドへ流れてきた宮澤がスルーパスを引き出し、マイナスのスペースへ折り返すと、フリーの状態で長谷川にボールが渡る。長谷川は無理にフィニッシュまで持ち込まず、横へ繋ぐと、待っていた藤野あおばが右足でシュート。強烈な一撃がクロスバーを叩いてゴールに吸い込まれ、なでしこジャパンが先手を取った。

 このままなでしこジャパンの1点リードで前半終了かと思われたが、ブラジル女子代表もホームの大声援を背に反撃へ。41分、ペナルティエリア手前右寄りの位置でフリーキックを獲得すると、ベアトリス・ザネラットが左足で壁を越える一撃を放つ。GK平尾知佳も反応したが、ボールには届かず、ブラジル女子代表が試合を振り出しに戻してハーフタイムに突入した。

 なでしこジャパンはハーフタイムに選手を交代。古賀と藤野を下げ、石川璃音と清家貴子をピッチへ送り出した。後半に入ると一気に試合が動く。61分、ブラジル女子代表はピッチ中央付近で熊谷のバックパスが短くなった隙を見逃さず、ここからボールを奪ってカウンターへ。飛び出してきた南萌華をかわしたガブリエレ・ポルティージョが独走してペナルティエリア前持ち運ぶと、1度は飛び出してきたGK平尾にシュートを止められたものの、こぼれ球を自ら右足で押し込む。ブラジル女子代表が逆転に成功した。

 なでしこジャパンとしては自分たちのミスから失点を喫する形となったが、続く63分にもビルドアップの乱れを狙われる。南から熊谷に付けたパスをベアトリス・ザネラットに奪われ、ループシュートを沈められた。ブラジル女子代表は立て続けの2得点で一気に勝利を手繰り寄せている。

 2つの連続したプレーで逆転を許したなでしこジャパンは、68分に植木理子を下げて田中美南、熊谷を下げて谷川萌々子、79分には宮澤を下げて中嶋淑乃を投入。谷川はこれが嬉しいA代表デビューとなった。

 2点ビハインドで終盤に差し掛かるも、なでしこジャパンはここから怒涛の攻撃を披露。80分、敵陣左で田中からのパスを呼び込んだ中嶋がカットインから右足を振り抜くも、強烈な一撃はクロスバーに嫌われた。それでも続く85分、敵陣右サイド深い位置でボールを奪い返すと、田中とのワンツーでペナルティエリア内に侵入した谷川が倒され、PKが与えられる。このPKを遠藤がゴール右上にきっちりと決め、1点差に詰め寄った。

 続く88分には敵陣中央で粘った清家がマイナス方向へ落とすと、長野を経由してボールを受けた長谷川が右サイドへ展開。駆け上がった清水梨紗がダイレクトで中央へクロスボールを送ると、ニアサイドへ飛び込んだ田中がダイレクトで合わせた。ストライカーの田中らしく右足のつま先でねじ込み、なでしこジャパンが遂に試合を振り出しに戻した。

 だが、試合はこのままでは終わらない。後半アディショナルタイム、ブラジル女子代表はGKからのパントキックをプリシラ・フロールが収めると、デーボラ・クリスティアーネとのパス交換からペナルティエリア左へ入り、右足を振り抜く。ファーサイドめがけたシュートがゴールネットを揺らし、土壇場でブラジル女子代表が勝ち越しに成功した。

 試合はこのままタイムアップ。終盤の2ゴールで追い上げたなでしこジャパンだったが、ラストプレーの失点により黒星を喫した。前述の通り、なでしこジャパンは今回のブラジル遠征で同女子代表と2連戦に臨む。2試合目は現地時間12月3日の11:00(日本時間23:00)にキックオフ予定だ。

【スコア】
ブラジル女子代表 4−3 なでしこジャパン

【得点者】
0−1 38分 藤野あおば(なでしこジャパン)
1−1 41分 ベアトリス・ザネラット(ブラジル女子代表)
2−1 61分 ガブリエレ・ポルティージョ(ブラジル女子代表)
3−1 63分 ベアトリス・ザネラット(ブラジル女子代表)
3−2 86分 遠藤純(なでしこジャパン)
3−3 88分 田中美南(なでしこジャパン)
4−3 90+7分 プリシラ・フロール(ブラジル女子代表)

【スターティングメンバー】
なでしこジャパン(4−3−3)
GK:平尾知佳
DF:清水梨紗、南萌華、古賀塔子(46分 石川璃音)、遠藤純
MF:熊谷紗希(68分 谷川萌々子);長野風花、長谷川唯
FW:藤野あおば(46分 清家貴子)、宮澤ひなた(79分 中嶋淑乃);植木理子(68分 田中美南)

このニュースに関するつぶやき

  • 相変わらず守備陣が不安定。やらかし失点も相変わらず。熊谷が未だに中心で若手の成長がイマイチ。
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(6件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定