息子のエイトは努力家です。思春期だからか文句は言いますが、それでも「自分でやってみよう」という気持ちが持てる息子はえらいと思います。私はそんなエイトを応援したくて、自分でできることは任せてサポートしようと考えています。
息子の通う私立の中学は文武両道で知られていて、陸上部も強豪です。そのなかで期待されているというのは、母としても誇らしい話でした。
以前、私が顧問の先生に会ったとき、「エイトくんはかなり見どころがある」と言われました。陸上の強豪校の顧問の先生が言うのだから、お世辞ではないはずです。これはもしかすると本当に伸びるのかもしれません。それに嬉しそうなエイトの顔を見ていると、無条件で応援したい気持ちになります。本気で打ち込める何かがあることは、エイトにとっても大きな喜びなのでしょう。
仕事から帰った夫にエイトがさっそく部活の目標を伝えました。喜びいっぱいなエイトの話に、夫がどんな反応をするか気になります。
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夫も喜ぶだろうと思っていると……。夫の反応は私には理解できないものでした。
夫のユウスケの反応は、そっけないような、慌てているような反応でした。家族みんなでエイトの活躍を喜べると思っていたのに……。エイトが寝てからも、夫の様子はどこか不自然です。
部活で活躍している息子のエイトが誇らしい。私が素直に気持ちを表現すると、夫からとんでもない意見が出ました。
エイトは陸上部の練習を頑張り、頭角を現しているようです。それをやめさせようという旦那の発言にびっくりしました。しかも理由として前の奥さんが出てきて……。突拍子のない展開についていくことができません。エイトの活躍と前妻が関係しているなんて、どういうことでしょうか？ まったく話についていけず、私は呆気に取られました。
【第2話】へ続く。
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