散歩の相棒に良し! メレルのベアフットシューズは「街でも使える」優れもの

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2023年12月05日 06:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
メレルと聞くと「ジャングルモック」。90年代後半の裏原カルチャーをリアル体験した人なら、そう思うのではないでしょうか。街中で履くアウトドアシューズというスタイルをけん引したアイテムの一つでしょう。



メレルは元々というか、今でも登山靴が原点のブランド。その強みはラストの造型作りにあるようで、公式サイトによると、ブランド創業者のランディ・メレルさん、元はオーダーメイドブーツ職人でした。



そんな足型にこだわるメレルが「ベアフットシューズ」を出していることをご存知ですか? ベアフットシューズと聞くと、筆者には5本指シューズがイメージされます。


「ランニングにガチな人」が履いているのを見かけますが、ちょっと普段使いするには厳しいなーと思っていました。



ところが、メレルがベアフットシューズを出していて、しかも街中で履けそうなモデルもあったのです! その靴を借りて検証したところ、「散歩で履くべきシューズでは?」と思ったので紹介します。


○顔面が強いメレルのベアフットシューズ



モデル名は「TRAIL GLOVE 7 GORE-TEX(トレイル グローブ 7 ゴアテックス)」(2万7,500円)といい、ベアフットシューズ「トレイル グローブ 7」をベースに、くるぶしまで包み込む仕様となっています。



筆者が思っていたベアフットシューズとはまったく見た目は異なりますね。


色はブラックのみという潔さで、だいぶ顔面が強い印象。ゴアテックスの文字が筆者の心をくすぐります。



そしてアウトソールは安定のヴィブラムソール。本シューズは「Vibram ECOSTEP RECYCLE (ヴィブラム エコステップ リサイクル)アウトソール」を採用しています。


それ以外にも、履き口は「合成繊維ネオプレーン」、ボディに「ジャガードメッシュ&TPU補強 アッパー」を使うなど細かい部分にさまざまな素材や機能を搭載。



ここで素朴な疑問。アウトソールの「ヴィブラム エコステップ リサイクル」にはどんな特徴があるのでしょう。餅は餅屋ということで、ヴィブラムジャパンさんで詳細を聞くことに。

○ヴィブラムジャパンで検証した



ヴィブラムソールを作る際に発生する30%の廃材が配合されている本ソール。そのコンパウンド(配合)の特徴を同社の平野伸弥さんに尋ねました。



「タイルの上でグリップする、軽さや柔らかさが特徴でしょう」と言う平野さん。ここで百聞は一見に如かずということで、同社が持つ検証用の設備も使わせてもらうことに。



台の上に傾斜のついた石版が付いていて、手すりにつかまりながら「滑り具合」を実感する形です。水が流れる濡れた石板、そうでない石板があり、まずは後者に乗ってみました。すると……、もちろんグリップしますが、じりじりと下に落ちていきます。


より強くグリップするコンパウンドだと違うのでしょうか?



ちょうど平野さんが「Megagrip(メガグリップ)」を搭載したシューズを履いていたので、同じ要領で乗ってもらいました。すると……びくともしない! コンパウンドの違いがハッキリを分かる結果でした。


なぜか負けた気分でいる筆者。ここで平野さんが「ソールのデザインもあるでしょうね。ラグ(突起)が細かいので歩いちゃうんですね」と指摘します。コンパウンドの違いもありますが、ラグの大きさの違いも大きく作用していると言うのです。


たしかに平野さんのシューズのソールを見せてもらうと、一つひとつの大きさがだいぶ異なります。


「細かいラグなので河原で強さが出るでしょう。釣り用のシューズにも搭載されていますね。傾斜が30度くらいなら、濡れた場所でもしっかりグリップしてくれるでしょう」と平野さん。

本モデルのように、「細かいラグのデザイン」「柔らかいコンパウンド」という組み合わせだとこうした特徴となるようです。

○外で履いてみる



では実際にフィールドで履いたらどうなのでしょう。ベアフットシューズは「ミッドソールが薄い」「ソールに柔軟性がある」「踵からつま先までの高低差(ドロップ)が小さい」など特徴として挙げられます。



ベアフットシューズを履くのは初めてですが、ドロップが小さいことによる違和感はなかったです。また、ミッドソールが薄いことによる岩などの衝撃もそこまで意識せず歩けました。


一番筆者が気に入ったのはシューズ内の「足の自由度」でした。ベアフット(裸足)という名前の通り、新しいシューズを履いた時の違和感がなく、むしろ開放感が強い気がします。



以前、同様にアッパーがメッシュ生地のシューズを履いていましたが、その時は「しなやか過ぎて疲れる」感覚が強かったです。



感覚なので伝わりづらいですが、アッパーが柔らかすぎて足をホールドできず、普段以上に足を踏ん張って歩くことになり、疲れにつながった記憶があります。でもこのシューズは適度なホールド力があり、そうした疲れは感じないのです。



雪道など過酷な環境でも抜群のグリップを発揮! というシューズではありませんが、そこはシューズの持ち味ということで納得できるのでは? それこそ街中を数時間歩き回るには頼もしい相棒となりそうです。



もちろんゴアテックス搭載で雨の日も気にならないのは言わずもがな。なお履くときは少しコツが必要。筆者の場合は履き口を「踏みつぶす」とスムーズに足入れできました。


○普段着に合わせても違和感なし



いろいろ検証したり、筆者の感想をお伝えしたりしました。では肝心のメレルは本モデルをどう位置付けしているのでしょう。同ブランドのマーケティングマネージャーである田中祐介さんに話を伺いました。



――TRAIL GLOVE 7 GORE-TEXの特徴を教えてください。



田中さん:「トレーニングシューズとして山道にも対応する」をコンセプトとして作られています。加えて、TRAIL GLOVE 7 GORE-TEXは街中でも履けるデザインになっているのが特徴です。



――幅広、甲高の足型の筆者ですが、本シューズは非常に快適した。ベアフットシューズすべて同じラスト(足型)を採用しているのでしょうか。



田中さん:VAPORとTRAIL GLOVEのラストは一緒です。またベアフットコンストラクション2を使用しています。



――履いた後のホールド感はとても良いのですが、脱ぎ履き時に若干きつさを感じました。これは仕様でしょうか。



田中さん:フィット感を高めるために少しきつくなっていますが、足入れした際のつま先の構造は少しゆとりのある作りになっています。



「ベアフットシューズの快適さ」「山道を走れる機能性」が特徴と言えそうです。また田中さんも挙げた「街中で履けるデザイン性」も推しポイントでしょう。実際、トレッキング以外にも、普段着でも違和感無くコーディネートできると思いました。


クライミングパンツ、太めのウールパンツそれぞれに合わせましたが、筆者的にはどちらもアリでした。街やアウトドア、さまざまなフィールドを横断できるシューズとしてお勧めです。天候を気にせずガシガシと使い、脚力も強化したいと思います。


なお番外編として、兄弟モデルでベーシックなベアフットシューズ「VAPOR GLOVE 6(ベイパー グローブ 6)」(1万3,200円)も少し紹介しましょう。TRAIL GLOVE 7 GORE-TEXと違い、ミッドソールが無い「地面を掴むような"直"な感覚」が特徴の本シューズ。



筆者はジムのトレッドミルでのランニングで使用したところ、確かに裸足感覚で走れ、シューズのサポートが無い分「より負荷をかけ」走ることで脚力を強化できそうです。


ただ屋外だと足への衝撃による負担が直にくるので、走り方や慣れなど幾つか注意点があり、適切な指導を受けたり、学んだりする必要があるでしょう。



トレッドミル利用だと足への負担が地面よりは少ないので、快調に走れていますね。(金井唯)
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