公的年金はジワジワ減…乗り切るための「ダウンサイジング」の方法3つ

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2023年12月05日 21:41  All About

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令和5年度の年金額は新規裁定者(67歳以下)が2.2%、既裁定者(68歳以上)で1.9%の引き上げですが、賃金や物価の伸びより少なく実質的な目減りとなります。今回は公的年金が減る中で、それを乗り切る家計の見直し方法を考えてみたいと思います。
令和5年度の年金額は新規裁定者(67歳以下)が2.2%、既裁定者(68歳以上)で1.9%の引き上げですが、賃金や物価の伸びより少なく実質的な目減りとなります。今回は公的年金が減る中で、それを乗り切る家計の見直し方法を考えてみたいと思います。

令和5年度の年金額は新規裁定者2.2%、既裁定者1.9%の引き上げです

令和5年度、つまり2023年4月以降の年金額は、新規裁定者(67歳以下)が2.2%の引き上げ、既裁定者(68歳以上)は1.9%の引き上げです。しかしながら賃金変動率が2.8%、物価変動率が2.5%であったことを考えると実質的には目減りしています。

今回の改定で新規裁定者と既裁定者の変動率が異なるのは「賃金変動率(*1)」が「物価変動率」を上回る場合、新規裁定者の年金額は「賃金変動率(*1)」を、既裁定者の年金額は「物価変動率」を用いて改定するためです。

また年金額の改定には「賃金」「物価」変動率に加え「マクロ経済スライド」も加味されます。

「マクロ経済スライド」とは社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて年金の給付水準を引き下げる仕組みのことであり、今回の改定では本年度分の調整率(−0.3%)に令和3年度(−0.1%)、令和4年度(−0.2%)のキャリーオーバー分(*2)が加わり、「マクロ経済スライド」による調整率は−0.6%となっています。

その結果、令和5年度の新規裁定者、既裁定者それぞれの変動率は以下となりました。

新規裁定者:賃金変動率(*1)2.8%−0.6%(マクロ経済スライド調整率)=2.2%
既裁定者:物価変動率2.5%−0.6%(マクロ経済スライド調整率)=1.9%

*1:正しくは名目賃金変動率であり、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に、前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの

*2:「賃金」や「物価」の変動率がマイナスの年度は「マクロ経済スライド」による調整は行われず次年度以降に持ち越され、これをキャリーオーバーと呼びます

実質的な年金減を乗り切るには現役時代から家計の見直しを

前述したように見かけ上の年金額は上昇しているものの、賃金や物価の上昇を考えると令和5年度の年金額は実質的な目減りです。

年金の実質的な減額傾向は今後も続く中で、我々はどのような対策をすればよいのでしょうか。

筆者は、まずは普段の生活様式を見直すことだと考えます。年金をもらうようになって現役時代と同じような支出をしていたのでは家計は赤字になるのは目に見えています。現役時代から老後に備えた生活のダウンサイジングをし、その生活を身につけておくと年金生活となっても慌てなくて済みます。

次に、現役時代からとれる家計の工夫で効果的なものを3つあげてみます。

1:使途不明金をなくす

何に使ったか分からないけど、いつのまにか財布の中身がなくなっている。誰しもそのような経験はあるのではないでしょうか。まずは本人も何に使ったのか分からない「使途不明金」をなくしてみましょう。

そのために効果的なのは「家計簿」をつけることです。

ただ注意したいのは家計簿をつけるのが目的ではなく「使途不明金」がどの程度あるのかを知るのが目的なので、1円単位まで合わせる必要はありません。面倒になり途中で投げ出してしまっては意味がないため、何にいくら使ったのか傾向が分かる程度でかまいません。

1カ月つけたならば月の収入と家計簿の支出を見比べてみてください。差があればそれが「使途不明金」です。それは何に使ったのでしょうか? まずはそこをなくすことを考えましょう。

なおスマートフォンのアプリにはカメラ機能でレシートを読み込み、月の収支をグラフ化してくれるものがあります。いちいち計算機を用いる必要もなく手軽に家計簿がつけられますので試してみてはいかがでしょうか。

2:お金の使い方に優先順位をつける

家計簿をつけてみたら、飲み会が多い、コンビニでの支出が多い、スマホ代が高いなど、いろいろなことが分かるかと思います。もちろんご自身にこだわりがある支出であればよいですが、そうでないものもあるはずですので、各項目に優先順位をつけましょう。

「本当はそこまでお金をかける必要はないのに……」と思った項目は優先順位の低い項目です。その項目を減らす方法はないでしょうか?

3:固定費の削減方法を考える

家計簿をつけてみると毎月決まって出ていくお金、いわゆる「固定費」も分かるはずです。こまめに電気を消す、水道を出しっぱなしにせず光熱費を少なくするなどは、現役時代に身につけておけば年金生活となった時にも役に立つでしょう。

しかし、それ以上に効果的なものとして「保険料」「住居費」「車にかけるお金」などが見直しどころです。

お子様が大きいのに多額の死亡保険に入っていないでしょうか? 賃貸にお住まいの方は年金生活になってもその額は支払い可能でしょうか? 持ち家の方でローンを組まれている方は年金生活後も無理のない額でしょうか? 現在住んでいる自宅の固定資産税は年金生活を考えると高くないでしょうか?

また車は固定費の高い代表格です。こだわりがないのであれば最近はカーリースもかなり普及していますので、選択枝の一つに考えてもよいと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この先、公的年金は減らされることはあっても増えていくことはないでしょう。そのため年金をもらう年になって現役時代と同じ感覚で生活すると家計が苦しくなるかと思います。

その時になって家計の見直しをするのは非常にストレスかと思いますので、収入に余裕のある現役時代から家計改善に取り組んでいくことをお勧めいたします。

文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー)

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し、お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。
(文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー))

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  • 大丈夫。誰にでも生保を貰う権利はある。最後まで財産を使い切れば、ね。
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