資生堂が「イノベーションカンファレンス 2023」で新たな肌測定ツールを発表 鼻の骨格から将来の肌悩みを予測

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2023年12月06日 11:01  Fashionsnap.com

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Shiseido Innovation Conference 2023

Image by: FASHIONSNAP
 資生堂が、鼻骨格に着目した顔画像から将来の肌悩みを予想できるツールを開発した。これにより、肌悩みが現れる前に予防ケアを提案できるとともに、適したマッサージ法や体の内側からのケアなど、パーソナライズした新たなアプローチの開発を加速させ、まずは2024年以降同社が本格始動するインナービューティ事業で測定ツールとして活用していく予定だ。なお、鼻骨格測定は12月13日まで、横浜・みなとみらいの資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)で体験できる。

 同測定ツールは、資生堂がS/PARKで開催した「資生堂 イノベーションカンファレンス 2023(Shiseido Innovation Conference)」で発表したもの。
 同社は、これまでの研究結果から個々が生まれ持つ肌特性を知ることができれば、肌悩みに対し事前に対処することができるのではないかと考え、その人本来の特性を高く示している鼻骨格に着目。研究を進めたことで、鼻骨格と、シワやたるみといった肌状態、毛細血管などの肌内部の特性に関連があることを発見した。これを応用し、一般的なスマートフォンによる鼻の画像から将来の肌悩みと肌内部の特性を予測するツールを開発した。顔を16種類のタイプに分類し、それぞれについて将来的に表れやすい肌悩みと肌内部の状態を予測できる。まずは、2024年以降にインナービューティ事業で活用する。
 みらい開発研究所 グループマネージャーの岡村智恵子氏は、「今後、分析ツールのアルゴリズムをデータ蓄積で進化させ、パーソナライズな要素を強めていく」と意気込みを語り、化粧品領域を超え、食品・運動・睡眠など、心身に働きかけるさまざまなケアの提案での活用を期待する。
 またカンファレンスでは、7月に戦略協業契約を締結したちとせグループとの取り組みについても発表。登壇したちとせグループ代表 ファウンダー&チーフエグゼクティブオフィサーの藤田朋宏氏は、「藻類は、使えば使うほどCo2が減っていく原料として、商品開発と原料開発の2つの軸でプロジェクトを進めていきたい。さまざまな産業で藻類を使用することが可能だが、化粧品はエッジが効いている」と述べ、グローバルカンパニーの資生堂とのタッグに期待を示した。資生堂のブランド価値開発研究所 R&Dサステナビリティ&コミュニケーション部 部長の大山志保里氏は「2025年までに藻類を利用した化粧品のプロトタイプを作り、2030年に商品化できるようにプロジェクトを進めていく」と今後の展望を語った。
 資生堂 イノベーションカンファレンスは、資生堂が同社の未来ヴィジョンを実現するR&D戦略の3つの柱である「Skin Beauty INNOVATION」「Sustainability INNOVATION」「Future Beauty INNOVATION」における革新技術の発表を行うものとして、昨年に続き今年も開催。カンファレンス2023では、上記2つに加え、資生堂の30年以上におよぶ「肌の免疫研究」の成果なども発表した。資生堂 副社長 チーフマーケティング&イノベーションオフィサーの岡部義昭氏は、R&D戦略について「基礎研究の成果を骨太にし、価値を最大化して新たな美の提案に昇華させ生活者に届けること。その結果、事業やブランドに貢献することが使命」と先を見据え、同社の企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD (ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」 を実現していくとした。
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