21歳年下の女性と「年の差婚」。50半ばで妻と“収入が逆転”、定年後“主夫”になった男性の本音

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2023年12月07日 22:11  All About

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48歳のときに21歳年下の女性と結婚。独身が長かったので勝手なふるまいも多く、自分のほうが稼いでいるという自負から「妻を下にみる」態度をとっていたこともあった。定年後、立場が逆転し主夫になった彼は「新たな発見」続きだ。
若い女性と結婚した男性たちは、一緒に人生を歩むうちに何か自分の中に変化を感じるのだろうか。先に老いを意識したとき、妻への思いはどうなるのだろう。

48歳で21歳年下の女性と「年の差婚」

48歳のときに21歳年下の女性と結婚したカズオさん(65歳)。50歳で初めて父親となった。今は15歳の娘と12歳の息子がいる。

「僕はずっと独身でした。仕事でチャレンジし続けたかったから、結婚なんてしなくてもいいと思っていた。でも40代半ばで病気をしましてね、このままずっとひとりでいるのは寂しいなと思うようになったんです」

入院していたときの看護師だったマキさんを好きになり、退院後に食事に誘った。それから付き合い始め、好きだ、結婚してほしいと懇願した。

「彼女、優しい性格なんですよね。受け入れてくれました。一生大事にするからと結婚したものの、当時は独身のころの習慣が抜けなくて、週末、ひとりで出かけたり、平日も連絡せずに遅くなったり。連絡してくれればいいのにと言われて、『男が外に出たら、いつ帰れるかわからないもんだよ』なんて言ったりもしてた」

50歳で父親に、「稼いでる自分」に満足していた

それなりに収入があったから、子どもが生まれると「仕事をやめたって食べていけるじゃないか」と妻に言ったこともある。マキさんは社会と関わっていたいからと、パートで仕事を続けていた。

「家事もほとんどマキ任せでした。あのころは仕事で忙しかったから家事をする時間がなかったのは本当なんですが、まあ、飲みに行ったりもしていましたね。仕事して遊んで、家庭に戻れば子どももいて、充実していると思っていました。

でも今思えば、妻はひとりで家事も育児もこなして、外で仕事もしていた。あまり文句を言われた記憶はないんですが、僕が覚えてないだけかもしれません」

それでも彼は「稼いでいる自分」に満足していたし、だから妻子は幸せなはずだと思い込んでいた。

家族には愛情を持っていたつもりだった。ところが、娘は小学校高学年くらいからあまり彼に寄りつかなくなった。そういう年だから気にしないほうがいいと妻は言っていたが、あるときポツリと「年とった父親が嫌なのかもね」とつぶやいた。

50代後半で妻と立場逆転「僕より稼いでいた」

「50代後半で出向になって給料が減ったんです。そのころから妻はバリバリ働くようになりました。あるとき尋ねたら、僕より稼いでいた。それがわかってから、妻に逆らえなくなりました」

収入を自分の価値だと思い込んでいる男性は、妻が自分より稼いでいるとわかると急に自分の存在価値が揺らいでしまう。

「妻は月に何度か夜勤もしたいと言う。ダメだとは言えませんでした。これから子どもたちに学費もかかるわけだし。僕は結婚してから、妻にじゅうぶんな生活費を渡していたけど、僕自身もけっこう散財していて思ったほど貯金もなかった。子どもたちの学費のためと言われたら、僕が家事をするよというしかなかった」

ひとり暮らしが長かったから、実は家事もできるし、料理は嫌いではない。ただ、「稼いでいる夫が家事をする必要はない」と思い込んでいただけだ。

「特にコロナ禍では妻はまったく休めなかったので、家のことはほとんど僕がやるしかなくなった。いつの間にか立場が逆転してしまった。それで初めて、妻の気持ちがわかりました。家事は完璧にやっても誰にも褒めてもらえないし、孤独な作業も多いなと」

定年退職、主夫業で「新たな発見」が

この春、彼は定年退職を迎えた。仕事を探したが、自分の年齢で納得できる給料をもらえるところはなかった。

「もう働かなくていいわよ。私が働くからと妻が言ってくれて。申し訳なさもあって、今はせっせと主夫をしてますよ。そんな僕の姿を見て、娘がよく手伝ってくれる。おそらく娘が僕に冷たかったのは、母親を下に見ている父親が嫌だったんでしょう。この年で新たな発見ばかりしています」

横暴というほどではなかったはずだが、妻には有無を言わせないことはあったかもしれないとカズオさんは言う。

「妻は僕の親にもずいぶん気を遣ってくれていたのに、きちんとお礼を言ったこともなかった。先日、病院で亡くなった母が、最後に妻の名前を呼んでいたんです。オレは今まで何を見てきたのかと恥じ入りました」

ふと思う、自分が仕事で得たものとは?

あれほど仕事をしてきたが、今となっては仕事で得たものは何だったのかと思うことさえあるという。仕事でつながった人脈は、友だちとは違っていた。

「学生時代にまで遡らないと友だちがいないんですよ……。社会人になったら友だちなんていなくてかまわないとも思っていた。でも今になると寂しいですね」

妻は冷たいわけではないが、自立して生き生きと仕事をしてるのを見ると、自分が厄介者なのではないかとさえ感じることがあるという。

「もっとちゃんと妻と向き合って家庭を作るべきだった。今からでは遅いかもしれないけど、僕自身が少しでも変わっていければいいなと思ってはいます」

おそらく妻は「下に見られていた」ことを忘れてはいないはずだ。そんな妻のわだかまりをどう払拭できるのか、それがこれからの課題かもしれないとカズオさんは言った。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

このニュースに関するつぶやき

  • 妻より夫の方が収入が多いからって夫の方が偉いわけじゃないのだから、収入が逆転したからって妻の方が偉いってこともない。男性って勝手にプライド持って勝手にプライド傷つくのね��������
    • イイネ!4
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