2桁勝利&防御率3点台を同時達成! 菊池雄星が「進化」を遂げたワケ

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2023年12月19日 18:02  ベースボールキング

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ブルージェイズ・菊池雄星
◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2023年:第7回・菊池雄星

 今季がメジャー5年目だった菊池雄星。ブルージェイズに移籍して1年目の昨季は6勝7敗、防御率5.19に終わったが、移籍2年目で環境にも慣れたのか、今季はメジャーでは自身初となる2桁勝利を記録した。

 今季開幕前はローテーションの座も確約されていない、厳しい立場に立たされていた菊池。しかし、オープン戦で7試合に登板し、防御率0.87と結果を出すと、チームの開幕4試合目に先発マウンドを任された。その試合で5回1失点の好投を見せ、開幕3連敗中のチームにシーズン初勝利をもたらした。

 その後は2試合目の登板で5回途中6失点と炎上したものの、3試合目から3連勝をマーク。4月を4勝0敗、防御率3.00で終えて、首脳陣からの信頼を勝ち取った。

 結局、オールスター休みを除けば全ての登板を中4〜6日の間隔で投げ、先発投手としてフル回転。32試合で、11勝6敗、防御率はメジャーで初めての3点台となる3.86を記録した。

 投球回数もメジャーで初めて規定に到達。さらに、11勝はチーム内で3位タイと、ポストシーズン進出に大きく貢献した。


◆ 課題だった後半戦のパフォーマンスが大幅に改善

 今季の菊池がこれまでと大きく違ったのは、シーズン後半に息切れを起こさなかったことだ。メジャーでは夏以降に調子を落とすことが多く、4年目までの通算防御率も前半戦の4.55に対して、後半戦は5.76。特にシーズン終盤にかけて成績を落としていた。

 ところが今季は前後半の防御率を4.24から3.39へ大きく改善。その大きな要因となったのが、被本塁打数を前半戦の22本から後半戦は5本に減らしたことだろう。

 西武時代から抱えていた制球難だが、今季はシーズンを通して安定。メジャーでの与四球率は、1年目から順に2.8→3.8→3.6→5.2だったが、今季は自己ベストの2.6まで良化させた。登板した32試合のうち過半数の18試合で四球は0個か1個。突然、制球を乱して崩れるといったシーンは昨季までに比べると大幅に減った印象だ。

 また、走者を背負った場面で慌てず騒がず、落ち着いた投球を披露していたことも菊池の進化を感じさせた。

 今季の塁状況別成績を見ると、走者なし時は被打率.275だったが、走者ありの場面で同.228、得点圏時はさらに低い同.211と、粘りの投球を見せていた。

 来年の6月には33歳となり、年齢的には中堅からベテランの域に入ってくる菊池。メジャーでは初めてのポストシーズンも経験し、確かな手応えをつかんだはず。3年契約の最終年を迎える来季はどんな活躍を見せてくれるだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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