浦和、クラブW杯3位決定戦でアル・アハリに敗北…スコルジャ監督の最終戦を白星で飾れず

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2023年12月23日 02:33  サッカーキング

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ホセ・カンテ(右)の得点で浦和は前半終盤に反撃の狼煙を上げるも… [写真]=FIFA via Getty Images
 2023 FIFAクラブワールドカップ サウジアラビアの3位決定戦が22日に行われ、浦和レッズ(日本)とアル・アハリ・カイロ(エジプト)が対戦した。

 2022シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で5年ぶり3度目の優勝を成し遂げ、“アジア王者”の称号を提げて今大会に臨んでいる浦和レッズ。15日に行われた準々決勝のクラブ・レオン(メキシコ)戦では、スコアレスで迎えた78分に途中出場のアレックス・シャルクが均衡を破るゴールを挙げ、北中米王者”を相手に1−0で勝利した。19日に行われた準決勝ではマンチェスター・シティ(イングランド)と激突。前半終了間際にオウンゴールで失点を許すと、後半にはマテオ・コヴァチッチとベルナルド・シルヴァにゴールを奪われ、“ヨーロッパ王者”を相手に0−3と完敗。3位決定戦へ回っていた。

 一方、アル・アハリ・カイロは2022−23シーズンのCAFチャンピオンズリーグで2大会ぶり11度目の優勝を果たしていた。“アフリカ王者”として参戦した今大会では、初陣となった15日の準々決勝で、カリム・ベンゼマ、エンゴロ・カンテ、ファビーニョらを擁する“開催国王者”のアル・イテハドを3−1で撃破。18日の準決勝では“南米王者”のフルミネンセ(ブラジル)相手に前半は主導権を握りながらも、後半の2失点で敗北。決勝進出は果たせなかった。

 世界3位の称号を懸けた一戦に向けて、浦和レッズを率いるマチェイ・スコルジャ監督はマンチェスター・シティ戦からスターティングメンバーを1名変更。コンディションが懸念されていた大久保智明が先発を外れ、右サイドの2列目に関根貴大が起用された。直近2戦では関根が入っていた右サイドバックには、驚異的なスピードで負傷から戻ってきた酒井宏樹が入っている。一方、アル・アハリ・カイロもフルミネンセ戦からスタメン1名を入れ替え。アクラム・タウフィクに代えてアーメド・コーカが先発に名を連ねた。

 試合は立ち上がりからアル・アハリ・カイロが勢いの良い入りを見せ、浦和のゴールに襲い掛かる。チャンスの数を増やし続ける中、19分には左コーナーキックを獲得。ショートで繋いだところから細かくパスを回していき、ペナルティエリア手前でボールを持ったモハメド・ハニーがミドルシュートを放つ。浦和のGK西川周作にとってブラインドとなる位置から、無回転気味で低弾道のミドルシュートを狙ったが、直前でバウンドした一撃はGK西川に弾き出される。それでも、こぼれ球をヤセル・イブラヒムが押し込み、アル・アハリ・カイロが先手を取った。

 序盤はアル・アハリ・カイロのペースで試合が進む中、25分には浦和のビルドアップでミスが発生。アレクサンダー・ショルツから伊藤敦樹にパスが入ったところで、アル・アハリ・カイロのコーカがボールを奪い取る。ペナルティエリア中央で待っていたパーシー・タウにボールが渡ると、左足で強烈な一撃を突き刺した。

 2点ビハインドとなった浦和はなかなか敵陣に侵入できない時間が続いたものの、37分にはペナルティエリア手前で前を向いたホセ・カンテが積極的にミドルシュート。ここは相手のブロックに阻まれる。

 前半も終盤に差し掛かると、浦和も徐々に良い形でボールを敵陣へ進めていけるようになる。このような状況で迎えた43分、敵陣中央左寄りの位置で前を向いた小泉佳穂が浮き球のボールを放り込むと、ペナルティエリア右へ走り込んだ酒井が頭で折り返す。飛び込んだ伊藤よりも先にアリ・マールルに触られたものの、こぼれ球をカンテがダイレクトで合わせる。左足から放たれたボレーシュートがゴールに吸い込まれ、浦和が1点を返した。

 ハーフタイムには浦和が動く。岩尾憲、関根貴大を下げて中島翔哉とブライアン・リンセンをピッチへ送り出した。後半開始を告げるキックオフの笛が吹かれると、直後に浦和にビッグチャンスが到来。カンテ、中島が前線へのプレスをかけ、相手のビルドアップが乱れたところを小泉が回収。カンテ、伊藤と繋ぎ、ペナルティエリア左でフリーになっていたリンセンにボールが渡ったが、右足から放たれたシュートは枠を捉えきれなかった。

 その直後にはアル・アハリ・カイロにゴールを脅かされるシーンを作られたが、GK西川のセーブもあってゴールを許さない。すると52分、右からのクロスボールに反応したリンセンがボックス内で相手のハンドを誘発。OFR(オンフィールドレビュー)を経て浦和にPKが与えられた。キッカーを務めるのはPKの名手であるショルツ。GKとの駆け引きを制してゴール中央へ蹴り込み、浦和が試合を振り出しに戻した。

 だが、後半も時間の経過とともに、アル・アハリ・カイロに押し込まれる時間が続く。60分にはアル・アハリ・カイロの右サイドからクロスボールを放り込まれると、ペナルティエリア内で酒井が跳ね返すも、こぼれ球を拾ったマールルがミドルシュート。この一撃が小泉に当たってゴールに吸い込まれ、再びアル・アハリ・カイロが前に出た。

 直後の63分には浦和陣内中央でのフリーキックから、アル・アハリ・カイロのコーカがヘディングシュートを叩き込んだものの、ここはオフサイドで得点は認められず。72分にはアル・アハリ・カイロの右サイド高い位置を取ったハニーのクロスボールから、ボックス内で荻原拓也がカリム・フアドを倒してしまい、アル・アハリ・カイロにPKが与えられた。しかし、マールルが放ったシュートはGK西川がストップ。浦和は“守護神”に救われる形で、難を逃れた。

 試合終盤にはカンテやショルツがゴール前で良いシーンを作ったものの、同点弾は挙げられない。後半アディショナルタイムにはアリ・マールルにフリーキックを直接叩き込まれ、試合はタイムアップを迎えた。

 この結果、アル・アハリ・カイロが3位で今大会を終えた。一方、敗れた浦和は4位で終了。今季限りでの退任が決まっているスコルジャ監督、そして現役引退を発表しているカンテの最終戦を白星で飾ることはできなかった。

【スコア】
浦和レッズ 2−4 アル・アハリ・カイロ

【得点者】
0−1 19分 ヤセル・イブラヒム(アル・アハリ・カイロ)
0−2 25分 パーシー・タウ(アル・アハリ・カイロ)
1−2 43分 ホセ・カンテ(浦和レッズ)
2−2 54分 アレクサンダー・ショルツ(PK/浦和レッズ)
2−3 60分 小泉佳穂(OG/アル・アハリ・カイロ)
2−4 90+8分 アリ・マールル(アル・アハリ・カイロ)

【スターティングメンバー】
浦和レッズ(4−2−3−1)
GK:西川周作
DF:酒井宏樹(65分 荻原拓也)、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、明本考浩
MF:岩尾憲(46分 中島翔哉)、伊藤敦樹(80分 興梠慎三);関根貴大(46分 ブライアン・リンセン)、安居海渡、小泉佳穂(65分 アレックス・シャルク)
FW:ホセ・カンテ

このニュースに関するつぶやき

  • FIFA「やはりアジアとオセアニアなどサッカーができない国はいらん。欧州と南米の枠をそれぞれ増やした方が収入が増えるか?」
    • イイネ!1
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