イチローと並ぶ「10年連続」打率3割!“クアーズエフェクト”が足枷もついに殿堂入りか【米国野球殿堂特集Vol.1】

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2024年01月21日 09:12  ベースボールキング

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殿堂入りが有力視される元ロッキーズのトッド・ヘルトン
◆ 6度目のチャレンジで殿堂入りを果たせるか

 現地時間23日(日本時間24日)に2024年度の米国野球殿堂入り投票結果が発表される。昨年度は名三塁手のスコット・ローレンが唯一の殿堂入りを果たしたが、今年度は複数人の選出が濃厚とみられている。

 殿堂入りが確実視されているのは、強靭な肉体を武器にメジャーで21シーズンを過ごしたエイドリアン・ベルトレ。通算3166安打、477本塁打を放ち、有資格1年目で得票率は殿堂入りに必要な75%を大きく超えてきそうだ。


 今回の特集では、ベルトレに次ぐ殿堂入り候補3人を紹介したい。いずれも1990年代から2000年代にかけて活躍した打者で、現役時代は野茂英雄と対峙したり、イチローとタイトルを争ったりした強打者の面々。

 第1回はコロラド・ロッキーズで17シーズンを過ごし、通算打率.316をマークしたトッド・ヘルトンである。

 ヘルトンは1995年のドラフトでロッキーズに1巡目(全体8位)で指名され入団。23歳の誕生日を目前に控えた2年後の97年夏にメジャーデビューを果たした。

 当時のロッキーズにはアンドレス・ガララーガという長距離砲がいたため、ヘルトンは本職の一塁以外に、外野の守備に就くこともあった。ヘルトンは僅か35試合の出場ながら、その打撃がメジャーレベルにあることを証明。そのオフにガララーガがFAでチームを去ると、98年開幕からレギュラー一塁手に定着した。

 実質1年目の98年は152試合に出場し、打率.315、25本塁打、97打点と大活躍。新人王こそ逃したが、1993年の創設から間もないロッキーズの生え抜き選手としてチームの顔となった。

 翌年以降もヘルトンは勝負強い打撃と堅い一塁守備でチームに貢献。2007年まで10年連続で打率3割をマークしたが、これは同時期に活躍したイチロー(2001〜10年)と並ぶ大記録でもある。

 自己ベストの打撃成績を残したのは2000年。打率.372で、ナ・リーグ首位打者に輝いたほか、216安打、59二塁打、147打点、OPS1.162など多くの項目でリーグトップだった。

 2013年に39歳で引退するまでに、2519安打、369本塁打、打率.316という通算成績を残したヘルトンだが、過去5回は殿堂入りを逃している。


 その大きな理由の一つが、生涯ロッキーズ一筋で過ごしたためだろう。

 ロッキーズの本拠地デンバーはマイルハイシティーと呼ばれ、打球が飛ぶことで知られる。ヘルトンの通算成績をホームとアウェイに分けると、打率はホームの.345に対して、アウェイでは.287まで落ち込む。本塁打数も227と142とその差は一目瞭然。ホーム球場の名称から、打者有利な現象は“クアーズエフェクト”と呼ばれている。

 実際にヘルトンが“クアーズエフェクト”の恩恵を受けたのは紛れのない事実だろう。もし他の球団に入団していれば、通算打率3割はもちろん、300本塁打にも届かなかったかもしれない。それでもヘルトンが実際に残した数字は、有資格1年目で殿堂入りを果たしてもおかしくないもの。昨年度に72.2%の得票率を獲得したヘルトンは、6度目のチャレンジでついに殿堂入りを果たすことになりそうだ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

このニュースに関するつぶやき

  • マイルハイってことは標高1600mでも空気が若干薄くて打球の空気抵抗が減って遠くに飛ぶってことか…�׷������å�������Ф��͡�
    • イイネ!3
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