『葬送のフリーレン』に登場する“花”には重要な役割がある? 花にまつわる美しいエピソードに注目

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2024年01月24日 07:51  リアルサウンド

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『葬送のフリーレン』1巻

 魔王を倒した後の”その後”を描いた異世界ファンタジー『葬送のフリーレン』。勇者ヒンメルの死後、エルフの魔法使い・フリーレンは新たにフェルン、シュタルクらとパーティーを組み、魂の眠る地(オレオール)を目指して旅をしている。


(参考:【写真】卓上カレンダーやTシャツなど、『葬送のフリーレン』オリジナルグッズが可愛い


 作中では、キャラクターのセリフや行動などをきっかけに、フリーレンがヒンメルたちとの思い出をひとつひとつ回想していく。過去の記憶を巡らすきっかけとなるものはいくつかあるが、とくに”花”の登場回では彼らの深い関係が語られている。そこで本稿では、花の登場を機に明かされたエピソードを紹介していきたい。


■鏡蓮華でヒンメルの気持ちが明らかに?


 ヒンメルはフリーレンに恋心があったのかーーSNSで考察が相次いでいるテーマだが、その答えのようなものが第30話「鏡蓮華」で明かされる。エピソードタイトルにもなっている鏡蓮華とは、フリーレンが持っている指輪にデザインされた花のこと。花言葉は「久遠の愛情」で、本来は恋人に贈るものとして知られており、この愛情の証ともいえる鏡蓮華の指輪をフリーレンにプレゼントしたのが、ヒンメルだったのだ。


 指輪を選んだのは当時、花言葉を知らなかったフリーレンだが、鏡蓮華をみて複雑な表情を浮かべるヒンメルを見るに、彼は指輪の意味に気づいていたように見える。まるでプロポーズかのように指輪を渡すヒンメルからは、フリーレンへの確かな愛情が感じられた。


■フリーレンが魔法を好きになった理由


 第3話の「蒼月草」では、フリーレンが魔法を好きになった理由が明らかになる。フェルンと旅を始めたころ、たどり着いた街で汚れたヒンメルの銅像を見つけたフリーレン。銅像の錆を綺麗に撮る魔法で磨いたあと、彩りを加えるために考えついたのがヒンメルの故郷の花"蒼月草"を添えることだった。しかし、絶滅したとされる花を見つけることは困難を極めた。


 執着するかのように蒼月草を探し求めるフリーレンに、フェルンは魔法を集める理由を問いかける。今となっては趣味と話しているが、その背景には「ヒンメルが私の集めた魔法を褒めてくれた」というきっかけが存在していた。作中では「赤リンゴを青リンゴに変える魔法」や「パンケーキを上手にひっくり返す魔法」といった変な魔法ばかりを収集しているが、元をたどればそこにはヒンメルの影響があったのだ。


■フリーレンとヒンメル出会いのきっかけは、花畑を出す魔法


 蒼月草の回でも使われた花畑を出す魔法。フリーレンの師匠·フランメのお気に入りとして語られていたこの魔法は、ヒンメルとフリーレンの出会いのきっかけにもなっていたのだ。回想シーンが描かれたのは第57話の「第三次試験」。ゼーリエがフリーレンに好きな魔法を訪ねて「花畑を出す魔法」と答えたときのこと。


 幼い頃、森に迷ったヒンメルはひとりのエルフに助けられることに。ただ方向を教えるだけで慰めもしない彼女に、冷たい印象を持ったヒンメルの心情を悟ってか、エルフは花畑を出す魔法を見せる。その美しい光景をみて、ヒンメルは生まれて初めて魔法が綺麗だと思ったと語るシーン。


 このエルフこそがフリーレンであり、この出来事がきっかけでヒンメルは彼女をパーティーへ誘うことになる。回想終わりにフリーレンは「ヒンメル達と出会わせてくれたのは師匠が教えてくれたくだらない魔法だ」と言っていることから、ヒンメルだけでなく、フリーレンにとっても特別な意味を持つ魔法であることがうかがえた。


 「葬送のフリーレン」と花の繋がりは、作中だけでなくアニメのエンディングからも垣間見れる。第1クールのラストを飾った「Anytime Anywhere」の映像では、草や花がさまざまなキャラクターやものを形つくりながら彼女たちの歩みを紡いでいく。今後も花が登場することがあれば、きっとその奥には彼女たちの何らかのエピソードが隠れているはず。ぜひ注目してみてはいかがだろうか。


(鳥羽竜世)


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