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バナナの皮を踏んでつるんっと滑ってしまう――コメディーものではお約束ともいえる展開ですが、果たして現実でもそんなに滑りやすいのでしょうか。マンガを読みながらチラッと頭をよぎりがちな疑問を、真面目に検証した研究を紹介します。
●気になる研究結果は……? 2014年にはイグノーベル賞受賞も
調査を行ったのは、北里大学の馬渕清資名誉教授(当時は教授)ら4人。馬渕教授は人工関節のすべりのよさに関する研究をしており、その一環でバナナの摩擦係数についても調べたのだといいます。
研究の結果、バナナの皮はなんと通常の床の6倍ほども滑りやすいことが判明。これは、足で踏んだ際にバナナの皮にある粘液の詰まった粒がつぶれ、液が飛び出すためとのことです。あの描写って、本当なんだ……!
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研究成果を発表した論文では、リンゴやシトロンなどの皮とも比較しており、きれいに整えられたグラフに思わずくすっとしてしまいます。
なお、この研究は2014年、イグノーベル物理学賞を受賞。イグノーベル賞とは「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に与えられるもので、日本のユニークな研究はこの賞の常連です。
また、本研究は面白いだけでなく、バナナの粘液の仕組みを応用した耐久性の高い人工関節の開発などが期待されています。身近な果物にも新技術のヒントあり、ですね。
●参考文献
馬渕清資/田中健誠/内島大地/酒井利奈「Frictional Coefficient under Banana Skin」(『Tribology Online』Japanese Society of Tribologists 2012年9月)
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文部科学省「関節の滑りからバナナの滑り、さらに生命科学の広がりへ」
北里研究所「これ我が学問なり 馬渕清資」
●文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。テレビ番組「高校生クイズ」「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」などの他、日本人として初めてクイズの世界大会で問題を担当する。2023年「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。
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