世界初、山下和美ら漫画家出資のカルチャー発信拠点誕生 築136年目の洋館を自主改修

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2024年02月08日 16:57  ORICON NEWS

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『旧尾崎テオドラ邸』お披露目&プレス発表会に出席した(左から)三田紀房、高橋のぼる、高橋留美子、山下和美、笹生那実、新田たつお、福本伸行(C)ORICON NewS inc.
 漫画家・山下和美と笹生那実が代表を務める「旧尾崎邸保存プロジェクト」が8日、東京・豪徳寺の旧尾崎テオドラ邸で、同所のグランドオープンを記念したプレス発表会を開催。山下、笹生のほか、新田たつお、三田紀房、高橋留美子、福本伸行、高橋のぼる、ちばてつや、秋本治、永井豪、大和和紀らが出席した。

【写真】壁一面にイラストが飾られた気品あふれる内観

 尾崎テオドラさんは、ワシントンDCに日本の桜の木を寄贈したことで知られる尾崎行雄元東京市長の妻で、日本の民話を数多く英訳した翻訳家。旧尾崎テオドラ邸は、テオドラのために日本人の父が1888年に建てたとされている邸宅で、1933年に現在の場所へと移築された。

 2020年夏に取り壊される予定だったが、山下が設立した「旧尾崎邸保存プロジェクト」を通じて同所を買い取り、近隣住民やネットでの呼びかけに賛同した4000人超の支援者により、建物の保存が実現した。2回にわたるクラウドファンディングや著名漫画家らの支援によって内装などの改修も行われ、3月1日に「ギャラリー」「喫茶室」「ショップ」からなる新たな観光施設としてオープンする。

 山下は同所について「かわいくて品のある佇まいがとても好きで、散歩のたびに眺めていた」とし、「2019年の3月に、この洋館が解体されて建売り住宅になる予定だということを知りまして、いても立ってもいられず、何とか残せないものかと動いた」と振り返った。

 しかし、物価高による建築資材の高騰の影響もあり、交渉は難航。笹生が発案したクラウドファンディングや、三田の呼びかけに応じた、高橋留美子、新田、福本の支援によって完成へ漕ぎ着けたという。また、改修は老朽化に伴う耐震補強を主な目的とし、文化的価値を損なわないよう、細心の注意が払われたそう。

三田は同志を募った経緯や当時のやりとりなどを紹介しながら、「投資家の方に相談するのではなく、漫画家の力でこの事業を成功させたかった。結果、この7人で力を合わせ、我々だけでここまで来ることができたということに満足感と誇りを持っています」としみじみ。「これからこの事業をより発展させていきたい」と意気込んだ。

 今後同所のギャラリーでは、漫画家らの個展や企画展などが行われ、ショップでは展示と連動したグッズ販売などが行われるほか、同所を拠点としたECサイトも立ち上げられ、1点モノの直筆原画などが販売されていく。

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