「また会いたい」癒えぬ悲しみ=妻子4人亡くした警察官―能登地震

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2024年02月12日 07:30  時事通信社

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能登半島地震で亡くなった家族の思い出を語る大間圭介さん=9日、金沢市
 いつも持ち歩く写真立てから、大好きな家族が見守ってくれる―。石川県警珠洲署で警備課長を務める大間圭介さん(42)=金沢市=は、能登半島地震で妻子4人を亡くした。「また会いたい」。1カ月以上がたった今も、愛する家族を失った悲しみは癒えないままだ。

 元日は、妻はる香さん(38)の実家がある珠洲市に長女優香さん(11)、長男泰介君(9)、次男湊介ちゃん(3)と帰省していた。はる香さんの親族とお雑煮を食べた後、近くの神社に初詣に行き、家でボードゲームに興じる。いつもの正月のだんらんが続くはずだった。

 「ドン」。夕方に最初の揺れが起き、昨年5月の地震を覚えていた子どもたちは怖がって圭介さんの近くに集まってきた。「大丈夫、大丈夫」。揺れが収まると、「ごめん、今からお父さん、仕事行く」と伝え、はる香さんにも「後は任せたね」と言って外に出た。

 車に向かう途中、今度は経験したことがないほどの大きな揺れが襲った。「やばい」。実家の裏山が崩れ、土砂が流れてくるのが見えた。すぐに戻り、近隣住民の助けも借りながらはる香さんの兄とその息子を救出。しかし余震などの懸念もあり、捜索は中断せざるを得なかった。

 翌日から消防なども捜索に加わったが、必死の呼び掛けにも返事はなかった。1月4日にはる香さんと優香さん、5日に泰介君と湊介ちゃんが変わり果てた姿で見つかった。「助けられなくてごめん」「寒かったね、怖かったね」。遺体にそう言葉を掛けた。

 圭介さんは中学生の頃から面識のあったはる香さんと社会人になって再会し、2011年に結婚。「負けず嫌いで頑張り屋」の優香さん、「やんちゃで家族思い」の泰介君、「お母さん子で素直」な湊介ちゃん。3人の子宝に恵まれた、にぎやかな家庭だった。

 思い出があふれる自宅には、年末にはなかった4人の骨つぼが並ぶ。外出時には必ず4人が写った写真立てを持ち歩いているといい、「大切な子どもや妻がいなくなり、何を道しるべに生きていけばいいのか。もう会えないと思うと寂しい」。涙ながらにそう語った。 

家族の骨つぼを前に、思い出を語る大間圭介さん=9日、金沢市
家族の骨つぼを前に、思い出を語る大間圭介さん=9日、金沢市

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  • 旧約聖書のヨブ記のようだ。この人にヨブみたくこれ以上の不幸−病気や世間の中傷−に見舞われないよう祈ります。
    • イイネ!7
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