支援物資の段ボールに「熊本から応援しています!!」 熊本の動物園から石川の動物園に届いた温かなメッセージに感動の声

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2024年02月12日 20:13  ねとらぼ

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「いしかわ動物園」に届いた支援物資のダンボールにはたくさんのメッセージが(提供:いしかわ動物園)

 石川県の「いしかわ動物園」に、2016年の熊本地震で被災した「熊本動植物園」の職員から届いた支援物資のダンボールの書かれていたのは、あたたかなメッセージ。職員同士の支え合いがうかがえるエピソードがX(旧Twitter)に投稿され、感動を呼んでいます。


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●段ボール箱に書かれた応援やねぎらいのメッセージ


 支援物資を受け取ったのは、「いしかわ動物園」と「のとじま臨海公園水族館(以下、のとじま水族館)」(石川県七尾市)。のとじま水族館は1月1日に発生した能登半島地震により、建物や設備に大きな被害を受けました。ジンベエザメ2頭が9日と10日に相次いで死亡し、生存する生き物たちは県内外の施設に緊急避難。受け入れ施設のひとつが、県南部の能美市にある「いしかわ動物園」です。


 「いしかわ動物園」は震災後約1カ月の2月6日、公式Xアカウント(@ishikawazoo_jp)で、これまで応援や心配の声を寄せてくれた人々への感謝の言葉とともに、2016年の熊本地震で被災した「熊本動植物園」の職員有志から支援物資が届いたことを投稿しました。


 支援物資の入ったダンボールには動物のイラストと一緒に、「あせらず ゆっくり ゆっくり 前に少しずつ」「熊本から応援しています!! お体に気をつけてください!」「しっかり休もう! たくさん食べて!」「大変だと思いますが ガンバって下さい」など、応援やねぎらいの言葉がたくさん書かれています。


 「熊本地震で被災された経験から、少しでも力になりたいとのありがたい言葉に感謝してもしきれません」と投稿する「いしかわ動物園」。支援物資は同園で少し受け取り、地震での被害が大きかった「のとじま水族館」に渡したとのことです。


 震災以来「のとじま水族館」は休業し、9種62点(交雑種1種1点含む)の生き物たちを他の施設に移し(2月5日時点)、魚類を中心とした生き物の飼育環境の維持に努めながら、水族館の復旧を目指しています(再開時期は未定)。


 復旧を支援するために、日本動物園水族館協会が(JAZA)見舞金の受付を、日本水族館協会(JAA)がクラウドファンディングを実施中です。


 一方、「いしかわ動物園」は、ゴマフアザラシ2頭、コツメカワウソ2頭、マゼランペンギン8羽、計12点の動物を受け入れ、見舞金の受付や館内(動物学習センター、券売所、ズーショップ『ダン』)での募金箱の設置を行っています。園長の松島さんに支援物資が届いた状況や、現在の園の様子などについて聞いてみました。


●いしかわ動物園「動物を見に来て少しでも心が安らげば」


 ダンボールに入っていた支援物資の内容について尋ねてみると、「くまモン」のスナック菓子と熊本のとんこつのカップ麺だといいます。施設で働く人にご当地グルメでのエールが送られてきたようです。


 のとじま水族館のある能登方面への運送が制限されているため、支援物資はまず「いしかわ動物園」に届くようになっていたそうです。届いたのと同じ日に「のとじま水族館」の職員が用事で訪れたので支援物資を渡し、動物園の職員もおすそ分けをもらったといいます。


 「いしかわ動物園」は、受け入れた動物の様子を公式サイトやXなどで公開。「のとじま水族館」が復旧するまでの期間、もともとの動物に加えて12頭の動物を飼育しています。


 「例えばアザラシだと今まで飼育したのに加えて2個体多くなっているわけですから、飼育員は、通常より仕事量は多くなっていますね」(園長の松島さん)


 「のとじま水族館」から来た動物は健康を重視するため、基本的にもとからいた動物とは分けて飼育し、公開は予定されていません。しかし、9日の投稿で受け入れたマゼランペンギンのうち3羽を動物園の19羽と合流させたと投稿。その経緯については次のように話してくれました。


 「マゼランペンギンは最初(1月23日)7羽で来て、内訳は3羽のお父さんとお母さんと子どもの家族との4羽のグループでした。しばらくは当園の19羽とは別に飼育していましたが、8日にグループの4羽のうち3羽を合流させました。3羽が特に体調が良かったのと、1羽は生後1年に満たなくて外に出すと攻撃される恐れがあったからです」


 3羽はもともといた19羽とケンカをすることなく、元気に過ごせているそうです。


 「いしかわ動物園」は実施中の支援に加えて、さらに「のとじま水族館」のためにできることを検討中で、決まり次第、公式ホームページやXで発表するので見てほしいと話しています。また、震災で心を痛めている人に向けて次のようなメッセージを送りました。


 「地震から日常が取り戻せればということで、動物園の動物を見に来て少しでも心が安らげばと思っています」(園長 松島さん)


 冒頭で紹介した投稿には、「とっても素敵なメッセージがいっぱいですね スタッフの皆さまもご無理なさらぬように、応援しております」「手書きの言葉一つ一つに泣ける 優しさに溢れてる」「『無理せず、体を大事に』同じ大きな地震を経験しているからこそのメッセージが響きます」など感動の声が多数寄せられていました。


 また、「熊本の皆様、生き物たちのイラストがお上手ですね」「可愛い動物のイラストがいっぱいの段ボール箱 さすが動植物園のスタッフの皆様 絵が上手い」など、絵のうまさに感心する人も見られました。


(谷町邦子)


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