今回は、退職する前に払った厚生年金保険料が厚生年金に反映されるのかについてです。
Q:私は現在65歳。2024年3月に退職します。3カ月間支払った厚生年金保険料は厚生年金に反映されるのでしょうか?
「私は現在65歳(昭和33年12月生まれ)。65歳から加給年金もあるので(妻は昭和39年1月生まれ)年金を受給します。2024年3月に退職します。この場合2023年12月以降(65歳以降)3カ月間支払った厚生年金保険料はもらえる厚生年金に反映されるのでしょうか? また反映がある場合はどのような形で反映されるのでしょうか? 手続きが必要でしょうか?」(chapapaさん)A:支払った厚生年金保険料は退職後にもらえる老齢厚生年金に反映されます。ご本人の手続きは必要ありません
結論からいうと、質問者「chapapa」さんが2024年3月末に退職し1カ月以内に再就職しない場合、4月分から再計算されて増額になった老齢厚生年金をもらうことができます。老齢厚生年金の増額が反映された後、振込されるのは退職後3カ月が過ぎてからになるでしょう。「chapapa」さんの退職後、前の勤務先の「厚生年金保険被保険者喪失の手続き」が反映されてから、年金再計算があるからです。
例えば以下のようなスケジュールとなります。2024年3月末で退職した後、4月分・5月分は厚生年金に加入していた4カ月分(2023年12月から3月)の厚生年金保険料は反映されない増額前の金額で6月15日(年金は後払い)に支給されます。
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自分で手続きが必要かどうかですが、「厚生年金保険被保険者喪失届」は会社側でする手続きなので、「chapapa」さんは手続きする必要はなく、退職後の老齢厚生年金の再計算を待っていればいいでしょう。ちなみに厚生年金保険に4カ月加入分が再計算される他に、2024年4月分から物価や賃金を加味した年金額改定もあります。2024年度については、年金額は増額する予定となっています。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))