観光庁の「訪日外国人の消費動向調査(2023年7〜9月期)」によれば、訪日観光客が最も満足した飲食は、肉料理(30.7%)に次いでラーメン(18.6%)で寿司よりも高く、「人気がある・有名」などの理由が集まった。
日本人にも愛される国民食のラーメンだが、チェーン店ではどこが人気なのだろう。今回はAll About編集部が全国500人に聞いた「好きな飲食チェーン」に関するアンケート調査から、「好きなラーメンチェーン」ランキングをお届けする。
第2位:天下一品
第2位は「天下一品」がランクイン。回答者からは「唯一無二のこってり感」に関する声が多く寄せられた。「天下一品のこってりは唯一無二の味なので好き。スープがおいしいので(20代・男性)」
「好き嫌いの分かれる味だとは思いますが、私には好きな味であり、また、その味が他のラーメンとは一線を画す独創的であるので好きです(30代・男性)」
「天下一品(こってり)を初めて食べたときはラーメンの常識が覆されました。『こんなこってりを超えたどろどろラーメンは食べたことない!』と衝撃でした。クセになるスープに麺を絡ませれば、おいしすぎていくらでも食べられます(30代・女性)」
ベジポタや濃厚魚介スープのラーメンは、今でこそ1つのジャンルとして定着しているが、その元祖は紛れもなく「天下一品」ではないだろうか。
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一般的なラーメンに慣れている人が初めて口にすると、ためらう人も少なくないが、何回か食べているうちに病みつきになってしまった、なんていう話をよく耳にする。
チェーン展開が始まる大昔のことだったと思うが、筆者も友人に勧められ京都の本店で食べたことがあった。醤油、塩、味噌味になじんでいたので、このポタージュのようなスープは衝撃的で「これ、ラーメンなのか!?」とカルチャーショックを受けた記憶がある。
後に東京に進出した「天下一品」を改めて食べることにより、そのおいしさに徐々に気が付き、いつの間にか虜になってしまった一人である。
メニューには醤油ベースの「あっさり」と、こってりとあっさりを掛け合わせた「屋台の味」がチョイスできる。でもせっかく「天下一品」を食べるならデフォルトのこってりスープは外せないだろう。揚げたて熱々のこってり唐揚げを添えてもとてもうまい。
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第1位:一蘭
好きなラーメンチェーンランキングの第1位は、福岡県で創業した天然とんこつラーメン専門店の「一蘭」。
回答者のコメントは主に2つに絞られた。まずは「とんこつスープのおいしさ」について。
「スープの味が好きです。しょっぱくなくてまろやかな甘さのスープが好きで毎回最後まで飲んでしまいます(30代・女性)」
「スープがまじっでうめえ(20代・男性)」
「スープが1番好みの味だから(20代・女性)」
2つ目は、周りを気にせずにラーメンを食べられる「味集中カウンター」。
「静かに食事できる。1人でも行ける(50代・男性)」
「個室風で1人でも行きやすい(30代・女性)」
「とんこつラーメンといったらここ! 周りを気にせず集中して食べれるところもいい(20代・女性)」
「ひたすら食べることに集中できるから(30代・女性)」
一蘭の最大の特徴は、左右が仕切られた席のプライベート空間が確保されていることにあるだろう。気兼ねなく食事が楽しめるスペースは、特にラーメン好きな女性にとって重宝されている。
また、味の濃さ・こってり度・にんにく・ねぎ・チャーシュー・赤い秘伝のたれ・麺のかたさ、と7通りのチェックシートが用意され、お好みにチョイスできる細かなオーダーシステムも素晴らしい。カスタムされたラーメンが出てきた後、席目の前のスダレが下ろされる配慮も魅力の1つだ。
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例えるなら家系のラーメンを優しくした感じのテイストだ。また赤い秘伝のたれの辛味が非常にいいアクセントとして威力を発揮する。
筆者のおすすめは、天然とんこつラーメン+半熟塩ゆでたまご+ごはん(小)。
味の濃さ:基本
こってり度:基本
にんにく:基本
ねぎ:青ねぎ
チャーシュー:あり
赤い秘伝のたれ:1/2倍
麺のかたさ:基本
基本のラーメンにたんぱく質を補う意味で半熟塩ゆでたまごをチョイス。青ねぎは見た目の彩を考えて。ごはんは肩ロースのチャーシューが2枚あるので1枚はごはんに巻いて食べるためにチョイス。あとはお好みで。
小野 員裕プロフィール
元祖カレー研究家。横濱カレーミュージアムの初代名誉館長。17歳からカレーの食べ歩きを始め、これまでに食べ歩いたカレー専門店は4000軒以上、飲食店は1万軒を超え、今も毎日1軒は食べ歩きを続ける日々。大衆料理を得意分野とし、書籍や雑誌、テレビなど数多くのメディアで活躍中。All About B級グルメガイド。(文:小野 員裕(文筆家/大衆料理研究家))