マルジェラやジル サンダー擁するOTBグループ、2023年度は売上高2桁増 日本・アジア地域が好調

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2024年02月19日 15:21  Fashionsnap.com

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Maison Margiela 2024年アーティザナルコレクション

Image by: Maison Margiela
 「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」や「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するイタリアのOTBグループが、2023年12月31日時点の業績を発表した。総売上高は固定為替レートで前年度比10.2%増の19億ユーロ(約3071億円)、純売上高は前年度比12.4%増の18億ユーロ(約2908億円)。直営販売網における売上高の増加やラグジュアリー部門の好調な売上、「ディーゼル(DIESEL)」の黒字化が業績を牽引した。エリア別では、総売上高の40%を超える日本を含むアジア太平洋地域が成長に大きく貢献。北米市場も復調したものの、欧州は複雑な経済環境により現状維持にとどまった。

 ブランド別では、ディーゼルの総売上高が前年度比13.1%増と2桁成長で着地。売上の約50%を占めるウィメンズコレクションの成長や、35%のシェアを誇るZ世代顧客の獲得が功を奏したほか、パリやマイアミ、アントワープ、広州など、世界の主要都市に旗艦店を含む15店舗を新たにオープンし、売上に貢献した。
 ラグジュアリー部門では、メゾン マルジェラが前年度比23%増と好調に推移。なかでも中国と韓国が成長を大きく牽引し、同地域の総売上高は前年度比72.4%増を記録した。また、ヴェニスや北京、上海、ロサンゼルス、ラスベガス、ソウルといった世界の一等地に24の新店舗をオープンするとともに、パリ16区のエタ=ユニ広場新本社ビルを構えるなど大規模な投資を実施。そのほか、ジル サンダーは前年度比17.3%増、「マルニ(MARNI)」は同8.6%増と、主要ブランドはいずれも堅調に推移した。
 OTBグループ創業者兼会長のレンツォ・ロッツォ氏は、2023年度の業績について「とてもチャレンジングな年だったが、米国、中国、そして日本のようなブランド誕生当初からの主要市場だけでなく、韓国やその他のアジア市場といった新しい地域でも私たちのブランドは成長を続けた。また、ビジネスプロセスにおいて人工知能が提供できる機会とソリューションを実験的に開始したほか、より一層責任ある製品を作り、消費者が衣服の品質と耐久性を重視した持続可能な選択ができるようにすることで環境負荷を減らす努力をするなど、今年もサステナビリティ、イノベーション、テクノロジーへの投資に重点を置いた。私の循環型経済へのヴィジョンは、企業が創造し、生産し、販売し、そこから得た価値の一部を社会問題に投資することで地域社会に還元することだ。私は、OTB財団がイタリアや世界中の困っている人々を支援するために実施しているすべての取り組みを誇りに思っている」とコメントした。
 同グループCEOのウバルド・ミネッリ氏は、「2023年はマクロ経済における厳しい環境が際だった年であり、下半期は特に厳しくなった。だからこそ、OTBが達成した業績には非常に満足している。全てのブランド、全ての地域で成長し、我々のビジネスモデルの有効性を確認することができたが、この結果はダイレクトチャネルの開拓とアジア市場への浸透を成長の柱とするグループの戦略プランの方向性と一致するものだ。また、当グループは人材への投資や育成と、サプライチェーンの戦略的パートナーとの長期的な関係性の構築・強化を重視しており、それらによってグループの成長や高い品質基準の保証、ラグジュアリー製品の生産者としての優位性、世界中の消費者からの評価を維持することができると考えている」と述べた。
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