水が「下流」から「上流」に? お金持ちのゴミにまつわる定説とは【滝沢秀一連載】

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2024年02月22日 07:21  週プレNEWS

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水が下流から上流に、とは?

ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!

【画像】今週のゴミトリビア

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今回は久しぶりに「お金持ちのゴミ」と「お金がたまらない人のゴミ」についてお話ししたいと思います。

ゴミは世界的にも「貧困のところに流れる」と言われています。「ゴミは上流から下流に流れ、水は下流から上流に行く」という表現があって、要は、ゴミは貧しい人のところへ流れ着き、きれいな水はお金持ちのところへ流れる、という意味です。これは、昔から定説のように語られています。

日本でもお金がたまらない人ほど、安いけれど長持ちしづらいものを買いがちだったりします。「安物買いの銭失い」という言葉があることからも、昔からそういう認識なのでしょう。逆にお金持ちは、ちょっと高くてもしっかり長持ちするものを買うイメージ。

安いものは壊れやすくダメになることが多いので、「どうせ安かったし、捨てちゃえ」みたいなことで、結果ゴミが増えます。壊れたら新しいものを買い、それもダメになったらまた捨ててまた買ってという、ゴミが生み出されるスパイラルに陥りがちです。

大きく国家単位で考えても、貧しい国には世界のあらゆるゴミが集まってきます。つまり、「ゴミが多い=お金がたまらない」というふうに思ってもいいのかもしれません。「船の墓場」や「スモーキーマウンテン」などがいい例だと思います。

排出されるゴミの多くは先進国が出したものだったりするので、世界レベルで先進国という「上流」から、貧しい国という「下流」にゴミが移動しているわけです。

2017年に「中国ショック」と言われた廃プラスチック問題がありました。それまで中国は世界の廃プラスチックを集めて処理していましたが、「国内に廃プラスチックを入れない」という判断をしたのです。

その後、日本は廃プラスチックをマレーシアを中心に東南アジアの国々に輸出することになりました。しかし東南アジアの国々でも次々と廃プラスチックの輸入が禁止になると、噂レベルではありますが、今度はトルコに送っているという話があり、さらにその次はブルガリアに頼ろうとしているそうです。

ただ、どこの国でもいつかは限界が来ます。だから、自分で作ったり使ったものは、自分で安全に処理できるようにしなければいけないわけです。これは国でも個人でも同じことではないでしょうか。ゴミを「下流」に流し続けていては、決してゴミは減りませんし、本当に豊かな人間・国とはいえないでしょう。自分が「下流」にならないためにも、まずはゴミを減らす努力をすることは、無駄ではないのかもしれません。

■東京タワー14個分のゴミ

以前、講演会をお願いされてとある町へ行きました。そこは周りの町と比較すると1日に出るゴミの量が、一人当たり平均300gほど多いそうです。300gと言ったら、ご飯茶碗で2杯分ぐらい。

それくらいだったら何でもないと思うかもしれませんが、これが1週間だったら1人当たり約2.1圈1カ月で約8.4圈1年で約100團乾澆多くなる計算になります。その町の人口が仮に50万人だとすると、年間約5万tのゴミが多くなります。東京タワーの重さが約3600tと言われていますので、東京タワー約14個分の量に相当することになります。

逆に、みんなが一日たった300gのゴミを減らす意識を持てば、それだけの量のゴミを減らすことができる、とも言えるわけです。

また、ペットボトルの資源の出し方について、おもしろい話があります。ある町では、みんなペットボトルのラベルをはがすことなく、そのまま資源に出していました。そのとなり町では、みんなペットボトルのラベルをきれいにはがし、フタも取った状態で資源に出していました。

このふたつの町で特徴的なのは、どちらの町でも全員が同じ出し方をしている、ということです。人によって出し方が違うのではなく「全員がラベルをはがさない町」と「全員がラベルをはがす町」。

なぜだろうと考えたんです。自分が新しい町に引っ越したときに、捨てられているペットボトルの様子を見て「みんなはがしてないんだ」と思ったら、次の日からはがさなくなるだろうなと。逆に「ここはみんなきれいにはがして出すんだ」と思えば、次の日からは自分もきれいにはがして出すでしょう。だから、町内ではみんなゴミの出し方が同じになるんです。

自分の出したゴミや資源って、知らない間に人に影響を与え、自分も影響を受けているのがよくわかります。人のゴミを見て「この程度でいいんだ」と思えば、その町のゴミはどんどん荒れていきます。「ゴミがゴミを呼ぶ」というのは、そういうところにもあると思っています。

僕がある町に住んでいたとき、そこのゴミ捨て場は荒れていました。なので、毎回僕がきれいにしてペットボトルのラベルもはがしていたら、あるときからみんなはがして出してくれるようになったことがあります。

自分が今いる場所を「下流」ではなく「上流」にするためには、ひとりひとりのちょっとした意識からスタートするべきなのかもしれません。

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

イラスト/北村ヂン

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