今年の花粉症の症状や対策は?「乳製品は花粉症にいい」は本当なの? 風邪との違いを医師がチェック

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2024年02月22日 08:10  ORICON NEWS

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花粉症の季節が…
 1月頃から早くも花粉が飛び始め、「この季節がやってきてしまったか…」と絶望する人も多いだろう。目のかゆみや鼻水、鼻づまりなど、すでに花粉症の症状で悩む人も続出している。今年の傾向や患者数は、どのような推移をたどっているのだろうか。また、「花粉症の症状が出にくくなる食べ物」なども話題になるが、それは本当なのか? これまで多くの花粉症患者を治療してきた『クリニックフォア』亀戸院の院長・加納永将先生に聞いた。

【画像】「やばっ!」花粉がこんなに…マスクでも防ぎきれない!恐怖の実験

■患者数は「去年の倍程度」、目、鼻、喉のほかにも症状が

 周知の通り、花粉症は国民病とも言われるほど多くの人を悩ませている。2016年度に東京都が実施した調査では、都内のスギ花粉症の推定有病率の推計は実に48%とか。

 「花粉症は、正式には季節性アレルギー性鼻炎といいます。スギやヒノキなどの花粉(アレルゲン)に対し、体が過剰にアレルギー反応を起こしている状態のことです。花粉が鼻腔内粘膜に付着し、体がこれをアレルゲンとみなすと、まずはこのアレルゲンに対抗するための『抗体』が体の中で作られ、この『抗体』が『マスト細胞』という細胞と結合します。その後、再びアレルゲンが体内に侵入すると、この『マスト細胞』からアレルギー誘発物質、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサン、PAFが放出されるのです」(加納先生/以下同)

 放出されたアレルギー誘発物質は、鼻の粘膜組織内の知覚神経を刺激・炎症を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまりを引き起こす。このように、花粉自体に毒性はなにもないにも関わらず、体が花粉を「敵」とみなして反応する免疫機能が過剰に働いてしまうことを一般的に花粉症と呼ぶ。

 「冬の気温次第で、どれくらい早く花粉の飛散が始まるかが決まってきます。今年は暖冬で、飛散時期が例年より早いことがすでにわかっています。通常だと2月くらいに飛び始めるスギ花粉が1月中旬に飛散するなど、半月ぐらい前倒しになっている印象で、さらに花粉を飛散させる雄花が増加している傾向も。クリニックフォアグループ全体でも、花粉症で受診される患者さんが、だいたい去年の倍程度になっています」

 花粉の飛散時期も地域によって多少の差が見られるが、症状にも違いがあるのだろうか。

 「その地域のメインがスギなのか、ヒノキなのかで症状が変わってきます。極端な例でいえば、沖縄や北海道、離島ではスギ花粉症の方はかなり少ないと言われています。一方、東京では西部にスギが多く、山側から徐々に花粉症の方が増えてきて、東へと移動していく。スギ花粉での典型的な症例は鼻水や鼻づまり。ヒノキが近くに多い地域の方は、目のかゆみ、涙の症状が重くなってきます」

 ほか症状としては、不眠、頭がぼーっとするという集中力の低下なども。また花粉症では、下痢や軟便といったお腹の症状が出ることもあるそうだ。

 一般的な花粉対策というと、やはり「花粉の暴露を減らすこと」。メガネやマスクの装着はもとより、衣服や布団に着いた花粉を落とす、空気清浄機を置く…などがある。

 一方、この時期になると「この食べ物が花粉にいい!」「症状が出にくくなる」とった話題が数多く上るが、専門家としては疑問視している。「たとえば『乳製品を飲むといい』といった話もありますが、食べ物に関しては明確なエビデンスがあるものはありません」とのこと。「悪くはならないとは思いますが…。免疫力を高める意味では、睡眠や適度な運動、バランスの良い食事、ストレスをかけすぎない…といったことは大事です」。

 藁にも縋る思いの花粉症患者だろうが、残念ながら食べ物で改善するのは難しそうだ。では、医師としてはどのような対策を勧めているのだろうか。

 「今年のように早い時期から花粉が飛んでいる場合は、いち早く治療をすることに尽きます。医療機関を受診し、点眼薬、点鼻薬、飲み薬などを使うことで改善されますし、オンライン診療ならば外出せずとも自宅にお薬が届きます。なるべく外に出たくない人、医療機関に行く時間がない人は、そういったサービスを利用するのがいいでしょう」

■花粉症? 風邪? 勘違いしがちな症状をチェック

 2023年には例年の何倍もの多くの花粉が飛散しており、大量に暴露した結果、今年「急に花粉症を発症した」という事例も増えている。

 「実は、潜在的な症状に気づかず、右肩上がりに2つ3つと症状が出てきて、そこで認識して初めて『急に発症した』と言う方は多くいます。この時期は風邪やインフルエンザも流行りますから、鼻水やくしゃみ、微熱、頭がぼーっとするなど、花粉症と見分けづらい状況もあります」

 花粉症と風邪の初期症状の見分け方は、以下の通り。

【1】鼻水が黄色ではなく、透明であること
 (風邪の場合は黄色になることが多い)
【2】くしゃみが何回も繰り返す
【3】目や喉の違和感

 これらの症状があれば、「自分は花粉症ではない」「風邪じゃないか?」と思っていても、花粉症を疑ったほうが良いという。では、一度発症してしまったら、一生付き合っていくしかないのだろうか?

 「アレルギーの検査では、反応レベルはその都度、変動します。完治するわけではありませんが、寛解は可能性として十分ありえます。アレルギー検査の結果によっては、根治的な治療である舌下免疫療法も対象となりますので、『もしかして花粉症?』という症状があれば、まずは医療機関に相談してみてはいかがでしょうか」

加納永将(かのうながまさ)
クリニックフォア亀戸院院長。順天堂大学を卒業後、順天堂医院に勤務し、プライマリーケア領域を中心とした診療を行う。その後、離島の村医として、僻地医療や在宅医療に携わり、2023年にクリニックフォア亀戸院院長に就任。

(文:衣輪晋一)

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