これが1934台限定、「X100VI」90周年モデルだ 歴代の“X100たち”も振り返ってみる

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2024年02月22日 19:01  ITmedia NEWS

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歴代X100シリーズが一堂に介した富士フイルムブース

 パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で2月22日から開催されている「CP+2024」の富士フイルムブースでは、発表されたばかりの「X100VI」の体験ブースが盛況となっていたが、ひっそりと展示されていたのが、同社設立90周年を記念した「X100VI 90周年 Limited Edition」だ。


【画像はこちらから】歴代のX100シリーズと90周年記念モデルを見てみる(計18枚)


 基本性能はX100VIと同じで、X-T5にも搭載されている4020万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 5 HR」センサーと、画像処理エンジン「X-Processor 5」を採用。シリーズ初となる最大6.0段のボディ内手ブレ補正を搭載しつつ、前モデルから43g増の質量は約521gに抑えた。6.2K/30p、4K/60pの動画撮影も可能だ。


 Limited Editionでは、1934年創業当時のコーポレートロゴと、ホットシューにシリアルナンバーを刻印。さらに、限定ストラップとソフトレリーズボタンも同梱されている。店頭予想売価は通常モデルより約7万円高い、税込み35万900円を予定。発売は3月下旬で抽選販売を予定。詳細については2月27日に案内するとしている。


●ブースには歴代X100がずらり! 振り返ってみよう


 初代モデルは2011年3月に発売。当初はFinePixシリーズの1つとして登場した。APS-Cサイズの1200万画素CMOSセンサーにEXRプロセッサーを採用し、ND内蔵の23mm F2単焦点レンズ、絞りリングに加え、OVFとEVFを融合した「ハイブリッドビューファインダー」を搭載するなど、レンジファインダースタイルのクラシカルな見た目でありつつ最新技術を結集した、非常にユニークなコンパクトデジタルカメラとして異彩を放っていた。


 特徴的なのが、搭載された「フィルムシミュレーション」。富士フイルムの「Velvia」や「PROVIA」「ASTIA」といったリバーサルフィルムのテイストを再現するもので、フィルムメーカーならではといえる機能だった。


 2013年に発売された後継モデルの「X100S」は、一般的なベイヤーセンサーだった初代モデルと異なり1630万画素の「X-Trans CMOS II」に刷新。AFも像面位相差に対応した。映像エンジンもEXRプロセッサーIIに置き換わり、ハイブリッドビューファインダーのLCDパネルも144万ピクセル→236万ピクセルに向上するなど、全体的なスペックの底上げが行われた。


 2014年の「X100T」は、ハイブリッドビューファインダーを拡張した、「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載。ボディ前面のレバーでEVFとOVFを切り替えできるが、これに加え、OVF時に右下にEVFを一部表示させ、ピント位置を拡大表示できる機能を追加。光学ファインダーを楽しみつつ、ピント位置はEVFで正確に合わせられるというユニークな機構を採用した。さらに、シリーズ初のWi-Fi対応など、スマート化が進んだ。


●2017年に登場した「X100F」


 2017年には「X100F」が登場。センサーが2430万画素の「X-Trans CMOS III」に、画像処理エンジンが「X-Processor Pro」に刷新。ミラーレスのハイエンドモデル「X-T2」と同じ構成となった。シャッタースピードダイヤルにも改良が入り、ISOを変更できる「ビルトインISOダイヤル」が搭載された。フィルムシミュレーションには、新たに「ACROS」を追加している。


 X100VIの前進となる「X100V」は2020年発売。初代から続いてきたデザインはよりシャープさを増し、センサーは2610万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」、画像処理エンジンは「X-Processor 4」と、X-T4と同じものを搭載した。また、初代から搭載されてきた23mm F2レンズも手が加えられ、非球面レンズを2枚採用した新光学系に刷新。液晶は固定型からチルト式(画素数アップ)に、アドバンスド・ハイブリッドビューファインダーは369万ピクセルに向上。フルHD→4K動画撮影など、最新機能をまとって登場した。


 ただし、コロナ禍に入りX100Vは生産が追いつかない状況が続き、2022年には受注を一時停止。X100VIが発表されるまで再開することはなかった。その一方で、高級コンデジブームが到来。リコー「GR III」やライカ「Q2」「Q3」が注目を集めるなか、「X100V」のニーズも急上昇していたものの、供給がそれに全く追いつかず、X100シリーズの中古市場が高騰する一因にもなった。だいぶ高価にはなったものの、X100VIの登場でいびつな状況が改善されることを望みたい。


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