真木よう子さんから「エアガンで撃たれた」「やってねぇ」大論争、岩橋さんの暴露は名誉毀損?

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2024年02月23日 12:01  弁護士ドットコム

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「エアガンで撃たれた」「やってない」。お笑い芸人と女優の“論争”が話題となっている。発端はプラス・マイナスの岩橋良昌さんが、過去に真木よう子さんとジャニーズのタレントに「都内のマンションでエアガンで何発も撃たれた」とXに投稿したことだ。


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一方、真木さんはTikTokのライブ配信で「エアガンやってねぇってんだよ」と疑惑を否定。真偽が分からないまま、炎上が続いている。



岩橋さんによる突然の実名出し暴露は「名誉毀損」に当たるのだろうか。芸能法務にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。



●「エアガンで撃たれた」を一般読者はどう読むか

ーー両者の主張は真っ向から対立しているようですが、岩橋さんの投稿は何らかの責任に問われる可能性はあるでしょうか?



岩橋さんの投稿が真木さんらの社会的評価を低下させる内容であれば名誉毀損に該当することになります。



仮に「エアガンで何発も打たれた」を「バットで何回も殴られた」と同列に考えるとすれば、それは真木さんらから暴行罪に該当し得る被害を受けた主張と解釈される可能性があります。



ただ、単純に同列に置き換えて良いかは慎重になる必要があります。



例えば、エアガンをそのまま「空気銃」と置き換えれば、それは銃刀法で所持が禁止されている禁制品を指しますが、おそらく一般的な読み手のほとんどは「空気銃」ではなく、市販されているいわゆる「エアーソフトガン」をイメージするのではないかと思います。



そして、岩橋さんの投稿ではどういった威力の「エアガン」かは指摘されていないので、一般的な威力のエアソフトガンだと考えることになります。



何をもって「一般的な威力のエアソフトガン」と考えるかは明確な基準はありませんが、銃刀法や銃刀法施行規則によると、「人を傷害し得る弾丸のエネルギーの値」未満の威力であるものがエアソフトガンとして市販されるものです。違法改造などをしない限り、法令上はエアソフトガンでは基本的に人を傷害しうる威力はないということになります。



しかし、一般読者の受け取り方とは相違が出てくる可能性があります。つまり、エアガンで撃たれれば身体に危険が生じると思っている読者からすれば、「エアガンで撃たれる」とは、強度の差はあれバットで殴られるのと同じように、「岩橋さんが真木さんらから暴行の被害を受けた」と感じる人がいてもおかしくはありません。



しかも、「何発も」というのは「執拗に」「強固に」危害を加えてきたというニュアンスになりますので、「何発も」という部分も相まって「エアガンで撃たれる」については、暴行被害を執拗に受けたと読む人もでてくるでしょう。



投稿が社会的評価を低下させる内容かどうかは、一般読者の認識ベースで考えていくことになります。岩橋さんの投稿について、真木さんから暴行被害を受けたと解釈すれば、それは真木さんらの社会的評価を低下させているので名誉毀損に該当することになってきます。



また、今回のエアガンで撃つという表現を暴行被害とまでは解釈できないとしても、真木さんらが粗暴な行いをしたとは解釈できます。この場合にも社会的評価の低下といえるかどうかはかなり微妙で、裁判官の判断でも別れる可能性が出てくるかと思います。



なお、投稿に至るまでの岩橋さんと真木さんらの関係値や状況も名誉毀損に該当するかの判断には影響してきます。



例えば、テレビのバラエティー企画の延長等でエアガンで撃たれるという投稿がギャグや演出と捉えられるのであれば、それは社会的評価の低下とはならないでしょう。



それに対して、唐突に脈絡なく、「エアガンで何発も撃たれた」と投稿されたとすれば、それは読み手からすれば、ギャグや演出ではなく、むしろ被害を訴える内容とも考えられるので、やはり名誉毀損に該当する可能性が出てきます。



●投稿はタレント業務とは無関係

――岩橋さんは、所属する吉本興業から「SNS禁止」「名誉毀損」といわれたと投稿しています。その後、フリーになるとも宣言していますが、事務所も責任を問われるのでしょうか?



真木さん側が岩橋さん側を訴えるとすれば、「投稿が事実に反する誹謗中傷的な名誉毀損に該当する」として損害賠償を求めるということになるかと思います。岩橋さんの今回の投稿は、およそタレント業務とは関係ないようには思われますので、そうすると吉本興業に責任が発生する可能性はかなり低いといえるでしょう。



――エアガン被弾が真実だった場合はどうでしょうか?



仮に岩橋さんが名誉毀損で訴えられた場合には、岩橋さんが投稿内容の「エアガン被弾」が真実だと立証する必要が出てきます。岩橋さんの証言や証拠関係から真実であると立証できれば賠償義務は生じません。また、もし真実であると立証できるなら、エアガンで撃たれた損害について、岩橋さん側から真木さんらに賠償請求することも可能ではあります。




【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活〜推しから愛される術(東京法令出版)」著者。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/


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  • はなっから「虚偽」と言うなら反論動画を上げるより先に法的手続きを行う筈だろうから、真木ようこ側としては悪手な上に「やったのは明白」と自白も同じだろ
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