J2ウォッチャー・平畠啓史の2024シーズンプレビュー 躍進期待の注目の4チーム

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2024年02月24日 07:41  webスポルティーバ

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平畠啓史の2024シーズンJ2プレビュー 注目チーム編

2月24日に開幕するJ2リーグ。「相当熱いシーズンになりそう」と予想する日本屈指のサッカーマニアとして知られる平畠啓史さんに、2024シーズンの見どころと注目チームを教えてもらった。

後編「平畠啓史さんが期待する今季J2の注目選手5人」>>

【動画でインタビューフルバージョンを見る】↓↓↓

【ほとんどのチームが昇降格に絡む相当熱いシーズンになりそう】

 今シーズンのJ2は、チーム数が20に減りました。しばらく22チームでやっていたので、今年は結構変わるんじゃないかと思います。

 1、2位がJ1へ自動昇格、3〜6位がプレーオフ進出、そして3チームがJ3降格。20分の9が何かしらに絡みます。これにプレーオフに絡みそうなところや、残留争いに絡みそうなところもあるとなると、シーズン終盤まで何かしらの可能性があるチームがほとんどになる。見るほうからすると、最後までハラハラドキドキで相当熱いシーズンになりそうですね。

 また、これまでは22チームでスケジュールもタイトだったので、番狂わせが起きやすかったと思うんですが、今年はスケジュールに少し余裕ができるのでそういったことは減って、実力のあるチームが結果を出しやすくなる部分もあるのかなと思っています。「J2ってやっぱり沼ですね〜」と言われる試合が、ちょっと減るかもしれない。

 実況や解説の方が「J2は過酷なリーグ」という枕詞をよく使われたりしていましたが、そうした部分がちょっとなくなるぞと。まあ、そうしたJ2の難しさって、ひとつの魅力だったところもありますが......。

 そして、今年のJ2の大きな特徴はルヴァンカップですね。J2、J3のチームも参加することになりました。下位のカテゴリーのチームが勝ち上がっていくとまた面白くなる期待があります。ルヴァンカップでJ1のチームと戦う時に、いつもどおりにやるのか、勝つために何か別のことをやるのか。そこも楽しみですよね。

 下位のカテゴリーのホームでやるので、J1のチームが来てくれる喜びもあると思いますが、J2のチームがJ3のホームに行く場合もあります。そこで新たな発見というか、サポーターも「ああ、J3はこういうところでやっているんだ」とか気づくこともあると思います。そんな新しいことが味わえそうな気がします。

 また選手たちも、試合で野心が出ると思うんですよ。上のカテゴリーのチームに目をつけられたいとか、いつものリーグ戦とはちょっと違うモチベーションの選手のプレーも面白いですよね。プロ選手なのでやっぱりそれぐらいの気持ちを持ってやってほしい。そういう楽しみは増えるシーズンになりますね。

 去年大宮アルディージャがJ3に落ちたのを見ても、安心できるチームはないと思います。3チームが自動降格なので残留争いも相当激化すると思いますが、今年も意外なところが巻き込まれることもあるんじゃないかと思っています。

 例えば、昨季のJ3はJFLへ降格するチームが出る可能性があったので、監督交代がすさまじいシーズンになりました。それを見ると今年のJ2も監督交代が激しくなる可能性もあるかなと。

【注目チーム 織皀鵐謄妊オ山形】

 モンテディオ山形は、FWデラトーレ選手、MFチアゴ・アウベス選手、DF小野雅史選手、DF野田裕喜選手と昨シーズン活躍した選手が出ていってしまいましたが、でも補強ではかなり活躍しそうな選手が来てくれている。いわゆる過去に実績がある選手ではなく、今、右肩上がりでまさに働き盛りの選手が多い。

 MF杉山直宏選手、MF坂本亘基選手、MF氣田亮真選手と、サイドで活躍できる選手を補強したのもいいなと。獲得している選手を見るだけで、どういうサッカーをするのかイメージしやすいですよね。

 移籍を見ていると、たまに「え、なんでこの選手、合いそうもないこのチームに行っちゃったのかな」みたいなのってあるじゃないですか。山形はチームの狙いや、やりたいことがちゃんと補強に現れている気がします。

 MFイサカ・ゼイン選手やMF横山塁選手など、サイドで持ち味を出せる選手がすでにいるなかで、そこにまた新しいサイドの選手を連れてくるのは、チームとしてとても大事なことだと思いますね。

 さらに守備ではヴォルティス徳島からDF安部崇士選手、ザスパ群馬からDF岡本一真選手と、いい選手を補強しています。いわきFCから2022年のJ3得点王・FW有田稜選手も取っています。あとはMF松本凪生選手もいい選手なんですよね。

 渡邉晋監督のしっかりと守備をしながら攻撃的に戦う去年のやり方から、今年はさらに攻撃の色が強くなりそうです。サポーターにとっても期待感の出る補強になっているんじゃないでしょうか。もうプレーオフに出る実力があるのはわかっているけど、今年はJ1にストレートインできるメンバーになっている期待がありますよね。

【注目チーム◆織献Д侫罐淵ぅ謄奪廟虱奸

 昨シーズン面白いサッカーをしていたのが、ジェフユナイテッド千葉です。躍動感のあるサッカーで、シーズン後半はあのままの感じでプレーオフを勝つのか、あるいは自動昇格に行くのかという勢いを感じました。その勢いを今シーズン頭から継続できたら、自動昇格を十分に狙えると。

 MF見木友哉選手が抜けたのはもちろん痛手だと思うんですが、昨シーズンをベースとしたサッカーはそのままできるのかなと思います。去年はFW田中和樹選手が期限付き移籍での加入でしたが、今年は完全移籍になったのが大きい。サイドでの推進力があって欠かせない選手になっていました。

 FW小森飛絢選手が10番でプレーするのも楽しみですね。昨シーズンは大卒ルーキーで13点取っていて、2年目で10番背負うのってなかなかすごいこと。もうチームの顔ですよね。今シーズンはマークも相当厳しくなると思いますが、プレーが楽しみですね。FWの軸になっていくと思う。

 見木選手が抜けたところにドゥドゥ改めMFエドゥアルド選手が入ったのが大きいです。この選手は昨季のジュビロ磐田でも相当大きな役割を果たしていました。シュートを打ちまくるし、ポジションは中盤のどこでもできる。チームにケガ人が出たり、出場停止が出たりしても、そこにいろいろ当てはめられる選手ですよね。

 そもそも千葉にはFWドゥドゥ選手がいるので、「俺はエドゥアルドでええわ」という、なんか謙虚なところが好きです。

 あと、藤枝MYFCから攻撃センスのあるMF横山暁之選手が入ったので、うまくフィットすればさらに面白くなる。DF岡庭愁人選手、GK藤田和輝選手含めて、昨シーズンにプラスアルファできているのが期待できますね。

 開幕戦が千葉対山形なんですよね。これは開幕節のなかでも一番面白いカードかもしれない。両チームが今シーズン自動昇格するかもしれないし、プレーオフで当たるかもしれない。開幕戦でどんな出来なのか、またそこからどうなっていくのか。

 小林慶行監督は、まだ引き出しを全部出しきっていないと思います。まだやりたいこと、試したいことがたくさんありそう。今シーズンはそれを出していくんじゃないかと。他のクラブは小林監督のやり方をわかって対策してくると思いますが、そこに対してまた違う引き出しを出してくるんじゃないかと。

【注目チーム/ザスパ群馬】

 まず新しいマスコットキャラクターの『ザスパンダ』が楽しみです(笑)。意外と今までパンダのキャラクターはJリーグにいなかったんですよね。ネーミングセンスもいいです。

 群馬だけじゃなく、栃木SC、水戸ホーリホックの北関東の3チームのうち、ひとつでもプレーオフに出ると面白いなと毎シーズン思っています。昨年は群馬に可能性があった。そういうことがあると、北関東の地域のみなさんのそれぞれのチームに対する見方が変わるんじゃないかなと。ルヴァンカップでもJ1相手に結果を出せたらいいですよね。

 大槻毅監督の群馬流ビルドアップ。4バックに見せかけての3バックにダブルボランチが絡んでゲームを作っていく。これが「ザ・群馬」ですよという感じに仕上がった雰囲気があります。そのビルドアップの先がどうなるか。そこは昨年終盤難しいところがあったと思いますが、今年は前線で違いを出せる面白い選手が加入したのかなと。

 群馬在籍の時にシーズン17点を取っていて、今季FC町田ゼルビアから帰ってきたFW矍畦ヌ藾手は、去年ケガもあったりでなかなか試合に出られなかったんですが、ツボに入ったら本当に点を取れる選手です。大卒で最初に群馬でプレーしているから、矍形手にとっても思い入れのあるクラブだと思いますし、相当活躍するでしょう。

 あとは去年SC相模原で活躍したFW齊藤聖七選手。うまい選手で本当に面白いです。プレーを見た瞬間、誰しもが「この人うまいな」と感じるこの選手の加入は大きい。

 あと、いわてグルージャ盛岡からFW和田昌士選手とFW藤村怜選手のふたりを取ったのはすごいなと。ちゃんとJ3を見てる。去年和田選手はトップ下で11点取っています。もともとうまい選手ですが、去年は数字も残してチームの攻撃を牽引していました。藤村選手は技術があって、ボールを運んで味方につないでいくのがうまい。

 東京ヴェルディからFW佐川洸介選手という体の大きい選手も入りましたし、川崎フロンターレから来たドリブルが面白いMF永長鷹虎選手と、去年よりも攻撃面が面白くなる可能性があるかなと。去年の群馬のビルドアップのその先をなんとかできる選手たちですよね。

 あとは守備面でカターレ富山から堅実なプレーができるDF大畑隆也選手、AC長野パルセイロからめちゃくちゃ馬力があって推進力があるDF船橋勇真選手が入ったり、チームの幅が広がっていますよね。

 既存の選手とうまく噛み合えば面白いサッカーになって、プレーオフに入っていく可能性もあるんじゃないかなと思います。

【注目チームぁ深児島ユナイテッドFC】

 まず白波スタジアムの盛り上がりがいいですよね。お客さんも結構入っていて、雰囲気がいいんですよ。去年は特に終盤に点が入ったりすることが多くて、スタジアムが徐々に盛り上がっていく感じがすごくいい。

 バックに桜島があって独特のロケーションというのもありますが、スタジアムの雰囲気はぜひ見てもらいたい。地域にだんだん定着しているのが感じられますね。

 J3では攻撃的で右にMF五領淳樹、左にFW米澤令衣選手がウイング気味に外に張って、そこから攻撃していました。横浜F・マリノスみたいにスピードと躍動感がある攻撃的なサッカーだった。それがJ2のなかでもうちょっと守備的にするのか。どういうサッカーを見せてくれるのか楽しみです。

 もうひとり見てほしいのが、19歳のFW武星弥選手です。鹿児島U−18からの選手です。ユース上がりの選手って、技術に特化しがちになることが多い気がするんですが、武選手は若いけど体がしっかりしていて推進力があるんですよ。

 テクニックに甘えないというか、どんどん仕掛けていく。攻撃的なポジションは、いろいろなところができると思います。去年は途中出場が多かったですが、今年どれだけ出番がもらえるか。

 東海学園大から加入して3年目のFW福田望久斗選手もドリブルが面白い。ドリブルの面白さを表現できる選手。鹿児島はサイドに面白い選手がいるんですよ。そこもぜひ見てもらいたい。

 みなさんご存知FW藤本憲明選手は、今年から10番になりましたね。今、セルティックにいる古橋亨梧選手みたいに、一瞬で相手の裏を取るとか、クロスに対して相手より先に触って点を取るとか、「ザ・FW」的な動きをみなさんに見てもらいたいですね。

 新加入だと、ツエーゲン金沢からMF藤村慶太選手の加入は相当大きいですね。攻守で中心として働けて、ゲームを作れる選手です。MF木村祐志選手とMF中原秀人選手が鉄板ダブルボランチなんですが、藤村選手の加入でここの層が厚くなった。

 さらにDF井林章選手も入ったので、ヘディングも強くなりバックラインも強くなった。さらに中盤の狭いところでも技術を出せるMF田中渉選手も加入したので、これまでの鹿児島にはなかったような、中央での崩しもできるようになるのかなと。

 あとはFC岐阜でも点を取っていたFWンドカ・チャールス選手も加入しました。ウイングを使ったサッカーも楽しみだけど、J2仕様になった鹿児島がどんなサッカーをするのか楽しみですね。

平畠啓史 
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。

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