日本屈指のJ2ウォッチャー・平畠啓史がオススメする2024シーズンJ2の注目選手5人

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2024年02月24日 07:41  webスポルティーバ

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平畠啓史の2024シーズンJ2プレビュー 注目選手編

日本屈指のサッカーマニア、J2ウォッチャーでお馴染みの平畠啓史さんに、2024シーズンの注目選手を教えてもらった。今年は各チームの新加入選手に期待とのこと。「特別な左足」「得点パターンが多い」「サッカーの面白さを体現できる」など5人の選手を紹介する。

前編「平畠啓史さんが教えてくれた今季のJ2注目チーム」>>

【動画でインタビューフルバージョンを見る】↓↓↓

【あの左足はやっぱり特別】

福森晃斗(横浜FC/DF)

 北海道コンサドーレ札幌から横浜FCに移籍した、DF福森晃斗選手は楽しみですね。神奈川県出身で桐光学園出身ですから、やっぱりニッパツ三ツ沢球技場でプレーすることへの思いもあるでしょうし、相当高揚感があるんじゃないかと思っています。

 四方田修平監督は福森選手をよく知っているので、どう使うのか。3バックの左なのか、ボランチで使うのか、中盤の左なのか。あの左足はやっぱり特別ですし、J1からJ2に行ったことでもう少し左足を使える余裕も出てくると思う。福森選手をよく知る四方田監督なら、「福森シフト」みたいなものができあがっていっても面白いんじゃないかと。

 札幌ドームのように大きなスタジアムで、あの左足から放たれる長いボールを見るのもいいんですが、三ツ沢みたいにコンパクトなスタジアムだとボールの回転がすごく見えると思うんです。ボールを蹴る音も聞こえるでしょう。三ツ沢だと福森選手の魅力を再発見できるんじゃないかなと思います。

 あと、ペナルティのワッキーが(福森選手のことを)すげー好きなんですよ(笑)。ワッキーもサッカーをやっていたから(市立船橋高校出身)、福森選手のキックがすごいのを知っているんだと思うんです。「あんなキックを蹴れたら楽しいだろうな」とわかってるんですよ。誰しもが持てる技術ではないので、横浜近辺の子どもたちには三ッ沢の一番前に座って、福森選手のキックだけを見るというのをやってもらってもいい。

 コーチの中村俊輔さんとFK談義しているところとかも見てみたいですよね。中村さんと話して「あ、そういう蹴り方もあったんだ」みたいなことに気づくかもしれないし、新しい幅が増えたりすると面白いですね。

【得点パターンがすごく多い】

小松蓮(ブラウブリッツ秋田/FW)

 小松蓮選手は、昨シーズンは松本山雅FCで19点を取って、J3の得点王になっています。松本のアカデミー出身ですからクラブへの思い入れも強いと思うんですが、それでも移籍すると決めたのは相当な覚悟でしょう。だから、どんな働きを見せてくれるのか楽しみです。

 ブラウブリッツ秋田って吉田謙監督ですから、全員がハードワークして守備をしてからダイレクトにゴールに向かっていくサッカーをこれまでは見せていました。しかし、そういうサッカーのなかで小松選手がフィットするのか。逆に小松選手がいることで、チームのサッカーの内容も変わってきたりするのか。

 秋田のすごいところって、どんな選手が入ってもシーズン終盤には秋田っぽくなっていくところ。小松選手が秋田色になっても面白いし、秋田のなかではちょっと異色の選手として浮いている感じでも面白いなと。そこの色の染まり具合は、どっちの色に染まっていくのか見ていきたい。小松選手が秋田のサッカーの色を変える可能性もあるのかなと。

 小松選手は得点パターンがすごく多い。自分の型で点を取りますというのではなく、いろんな形で点を取れる。いいFWが来たことで、秋田にどんな変化が起きるのかと注目しています。

 小松選手も今回の移籍が初めてではないので、成功や失敗もいろいろ経験してきていると思います。そのなかでどうやったらパスが出てくるようになるとかを体験しているのは大きい。あとは松本のサポーターも小松選手がどれだけやれるか注目していると思うので、頑張ってほしいですね。

【サッカーの面白さを体現できる選手】

梶川諒太(藤枝MYFC/MF)

 梶川諒太選手は、体は大きくはないですがテクニシャンです。去年は右足前十字靭帯をケガして長期離脱となり、シーズン終盤には戻ってこられました。

 何回か移籍はしていますが、長らく苦しい時の東京ヴェルディを支えていた選手ですよね。去年ケガがなかったらもっとチームの中心としてプレーしていたと思うんですが、その出られない時期にチームがどんどん上に行って、プレーオフに行って、昇格した。

 だからこそJ1の東京Vでプレーしたかったと思うんですが、移籍を決断しました。相当残念な気持ちもあるだろうし、だからこそ今シーズンにかける気持ちもあると思う。

 藤枝MYFCのサッカーは梶川選手に合うと思うんですよ。ボールを大事にして、須藤大輔監督が「エンターテイメントサッカー」とおっしゃってます。そのエンターテイメント性のなかに梶川選手の技術力が生きるんじゃないかなと。

 本人も年齢を重ねていくなかでバランスを取るプレーが増えていったのかなと思いますが、もともとある攻撃性が藤枝でうまく発揮できたら面白くなる。そんな梶川選手のキャリアを含めて興味があります。

 東京Vのアカデミー出身じゃないんですが、なぜかヴェルディっぽい。フェイントであったり、相手の逆を取ったり、サッカーの面白さを体現できる選手です。藤枝はお客さんに来てもらうためにサッカーの面白さを追求しているチームで、それを表現できる梶川選手が入ったことは大きい。

 あとは、小さい選手が大きい選手を翻弄していく楽しさってあるじゃないですか。サッカーどころの藤枝の人たちが見ても、梶川選手の魅力が伝わるんじゃないかと思っています。

【覚醒中のセンターフォワード】

ブラウン・ノア・賢信(徳島ヴォルティス/FW)

 ブラウン・ノア・賢信選手は、昨年アスルクラロ沼津で13点取った選手で、左利きで足元がうまい。技術があるが故にサイドで使われることもあったし、トップで入ってもサイドに流れてそこで起点を作るプレーが得意で、そういうシーンが多く見られました。

 だけど去年中山雅史監督が来て、FWとしての振る舞いをだいぶ要求されたんじゃないかと思うんです。

 プレーを見ていたらだいぶ中央で我慢できるようになったし、相手のセンターバックと駆け引きするのが面白くなってきているんだろうなと。ポストプレーもするようになったし、裏にも抜けるようになった。

 もちろんサイドに流れて起点を作ることもあるんですが、中央でのプレーが多くなったんです。それで点が取れるようになったところもあると思います。FWとしての持ち味が増えて、徳島ヴォルティスでチャレンジするということになったと思います。

 去年はシーズン途中にFW川又堅碁選手が加入してすごく刺激を受けたと、鈴木秀人コーチが言っていたんですよ。川又選手もすごく受け方がうまいし、自分でシュートを打つ形に持っていくのもうまい。それを見て、こういうことをしたらシュートが打てるんだと間近で見たと思うんです。それは大きかったんじゃないかなと。

 今度はカテゴリーが上がって、相手も強くなりますが、そのなかでも点を取れるようになれば、さらにいい選手になっていきますよね。

 技術があるから、自分で運んでいってドカンというシュートも打てます。左足はすごいパンチ力です。189cmあるんですが、ヘディングをバンバン決めるというより、パスを受けてひとりかわしてシュートとかのほうが多い。

 でも去年はヘディングシュートも増えたり、得点の幅が出てきた。今年はさらにパターンは増えそうです。徳島は周りにもいい選手が多いので、お膳立てしてもらえるような関係性が早めに作れればなと思っています。

【清水はユース出身の選手に活躍してほしい】

千葉寛汰(清水エスパルス/FW)

 千葉寛汰選手は、去年徳島ヴォルティスでスタートして、シーズン途中でFC今治に移籍しました。徳島では点が取れなかったんですが、今治ではハーフシーズンで7点取っています。

 点を取る時のスムーズさ、点を取るためのポジショニングを逆算できる。ここにいたらゴールできるというところにポジショニングできますね。ボールが来た時のシュートの落ち着きもあります。

 佐藤寿人さんの系譜。点を取るために何をやるか。それができる選手ってなかなかいない。たぶん教えてできるもんじゃなくて、自分で子どものころからやっているなかで掴み取ったものなんじゃないかなと。

 今シーズンの清水で言うと、ユース出身のFW北川航也選手がキャプテンになって、FW川本梨誉選手、MF成岡輝瑠選手ら、ユース出身の選手が期限付き移籍から帰ってきています。

 清水のお客さんたちが何をしたら喜ぶかわかっている選手たち、やっぱりユース出身の選手に活躍してほしい。そして今年は彼ら若い選手にすごいチャンスがあるんじゃないかと思っています。

 清水ってサッカー王国ってプライドがありますよね、だからサポーターは1年でも早くJ1に上がってほしい気持ちがあると思います。それは監督も選手もクラブも感じてそういうふうになっていくと思うんです。

 もちろんサッカー王国としてそういうプライドも大事だと思うんですが、でも自分たちの街で育った選手が自分たちのチームを強くしていくこと、それこそが僕はサッカー王国だと思うんですよ。

 一般の方のサッカーへの理解とか、自分たちの土壌からいい選手が生まれてくることこそがサッカー王国なんじゃないかなと。それはJ1に上がるための近道ではないかもしれないけど、サッカー王国という太い幹を作るのであれば、やっぱりユース育ちがチームの中心になっていくようなやり方がひとつあるんじゃないか。

 外国籍選手がいても、ユース育ちの選手が絶対ポジションを掴むような勢いを出してほしい。それはエスパルスというクラブがステップアップしていくためにも大事なことだと思うし、今、ジュニアユースやユースでプレーしている選手たちにとってもすごく刺激になると思います。

平畠啓史 
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。

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