“残業ゼロ”で学生が作り上げた旧車フェイスの『マーチ』『キューブ』が話題「ノーマルの完成度が高いだけに難しかった」

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2024年02月25日 07:40  ORICON NEWS

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日産自動車大学校が出展した”旧車フェイスの”日産『マーチ』と『キューブ』 (C)oricon ME inc.
 2月17日、18日にパシフィコ横浜で開催された日本最大級のクラシックモーターショー『第15回Nostalgic 2days 2024』(ノスタルジック2デイズ)。日産自動車大学校が出展したのは、日産『マーチ』『キューブ』をそれぞれ大胆にカスタムしたモデル。同校で教鞭を執る山瀬匡隆氏(教育部 車体課 統括 カスタマイズ科 主査)は、こう話す。

【写真】学生たちの力作『311フェアレディ×マーチ』『410ブルーバード×キューブ』内外装全部見せ

「当校では、1、2年生で整備を、3年生で板金塗装を勉強するのですが、その上さらに車を勉強したいという人に向けて『カスタマイズ科』が京都校にあります。このマーチは、昨年の6期、キューブは今年の7期カスタマイズ科が手掛けたものです」

 日産を代表するヒット車をベースに、旧車カスタムを施した2台。その制作には、同校の教育方針が大きく影響していた。

「当校の川嶋校長はもともと日産自動車の商品企画にいて、セドリック・グロリアや、リーフを手掛けられた方。その校長が4月に、カスタマイズ科に入った学生に講義で、日産自動車の車の考え方、作り方を話してくれるんです。『日産自動車はターゲットカスタマーから決めるんだよ』と。お客様から決めていく。どういった人をターゲットに、どういう車を作って行くのか、という考え方を授業でもしていくんです。なので、4月に入学して5月末まで2ヵ月、徹底的に話し合います。決して、車ありきで作って行くわけではないんです」

 6期制作の『マーチ』は、古着が好きな20歳のカップルが乗っている車を定義。『311フェアレディ』のフロントフェイスをモチーフにしながら、旧車感を出し過ぎないようGTウイングを付けたり、レイズのホイールを装備。7期の『キューブ』は、パイクカーの『パオ』に乗っていた車好きの母親がいて、その母に憧れる22歳の娘が乗ることをイメージ。あくまで今の子が乗っていることを前提に、旧車感が出すぎないように注意したという。

「キューブも、マーチも本当にいい車。完成度が高いし、だからこそヒットしたと思うんですけど、それゆえにカスタムとなると難しいんですよね。ベース車両の良さを残しながら、旧車のテイストをどう落とし込んでいくか。それぞれの良さを出すというところは、学生たちも頭の悩みどころでした」

 特に難しかったのは、キューブのフロントフェイス。特徴的な410ブルーバードのマスクをどう融合させるか、考えたという。

「本当はチンスポ(フロントバンパー下部のスポイラー)ついていなかったんですけど、いろいろ考えて付けました。あると、目線を誘導できるんです。実は、めちゃくちゃ考えてます(笑)」

 制作期間は6カ月。しかも「残業ゼロ。授業内(9時〜15時50分)で終わらせる」ことを徹底して制作された。

「夜遅くまで、あるいは徹夜して車を作るのもいいかもしれませんが、私たちは、時間管理を徹底させています。社会人をちゃんと育てないといけないというのが根底にあるので、時間管理があり、段取りを徹底することでいいものを作る。それが日産自動車の考えですね」

 日産自動車は先日、奈良日産自動車とコラボして、中古の『キューブ』をリノベーションした『CUBE Retro Renovation』を発売。また、先日の『東京オートサロン』でも、中古のマーチをベースにした『MARCH Patissier CONCEPT』を発表するなど、新車開発・販売以外の新たな流れも生まれている。

「先日、奈良日産自動車さんにごあいさつする機会があったので、『このキューブ、ぜひ一緒に作りましょう』とお願いしてきました。トリプルコラボでできたら、面白いんですけどね(笑)」

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