60代専業主婦が「捨てて手に入れた」身軽な暮らし、重い服・合わない友達・苦手な家事は全部ポイッ!

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2024年02月25日 08:00  週刊女性PRIME

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ライフさん宅のリビング

「50代前半までは、夫婦と子ども2人に加え、多いときで保護猫5匹と共に暮らしていたので、物が散らかって家の中が爆発している状態でした。毎日生きているだけで精いっぱいで……」

持ち物を減らしたら捜し物が激減!

 と話すのは、暮らし系ユーチューバーのライフさん。60歳を迎える少し前から生活を見直し、家の中の不要品を削減。現在は夫婦2人でスッキリ片付いた一軒家に住み、“持たない暮らし”を満喫する。

「最初からうまくいったわけではないんですよ。専業主婦だった私は子どもたちが独立しても『また帰ってくるかも』と思ったり、どこか子離れができておらず、生活が変わることに抵抗があったんです。

 でも『ミニマリスト』の方のYouTubeなどを見て、自分にとって理想の暮らしを考えるようになりました」

 まず手放したのは、大量の洋服だった。

「子育て時期にはいていたパンツとシャツを引っ張り出したら、着ていない服ばかり。若いころ、きつくても履いていたヒールパンプスも、履いてみたら、少し歩くのも無理(笑)。今の自分には必要ないと思った洋服は20〜30着、靴は10足以上処分しました」

 その代わりに普段着の定番となったのが、一枚で様になるプチプラのワンピースだ。

「ワンピースとフラットシューズが私の制服。ワンピースはユニクロのものも多いです。もともと着回し下手だったので、服選びの手間が省けるようになりました。外出時はイヤリングをするだけで十分おしゃれです」

 物量を減らしたことで、収納スペースも必要なくなり、大きい家具も処分。

「玄関にあった靴箱は捨てて、靴の収納は以前から廊下にあった備え付けの棚を使っています。いろいろ片付けるうち、人生のステージが変わることを楽しみに思えるようになりました」

 身軽になったことで生活のストレスも減ったと話す。

「一番変わったのは捜し物がなくなったこと。今は何がどこにあるかわかるので、そのストレスがありません。無駄買いがなくなり、節約にも役立っています。物を移動させる必要がなく掃除も楽ですし、きれいな空間を保ちやすくなったんです」

 ほかに日々の家事や習慣も無理なく簡素化した。

「毎日やっていた洗濯を今は2日に1回、リビング以外の掃除は1日おきに。シャンプーとリンス、化粧品はオールインワンのものに替えたらケアがラクになりました」

ライフさんが実践【暮らしの簡素化】
◯私服はワンピースと決め、ワードローブを簡素化
◯入れるものがなくなった家具は手放す
◯毎日やっていた掃除と洗濯は頻度を減らす
◯化粧品などはオールインワンタイプに替える
◯お中元・お歳暮をやめ、本当にあげたいときに贈る

遠くの疎遠な人より身近な人との縁を大切に

 気持ちよく暮らすため、もうひとつリセットしたのが昔の人間関係だ。

「学生やOL時代の友人、ママ友とは、気づけば自然と連絡を取らなくなっていたんです。『私って友達がいないかも』と自覚したのが60代前半。

 焦って連絡を取り、数年ぶりに会ったのですが、近況報告をし合ってもお互いピンとこないので、疲れてしまって。この年になれば家族構成や住む場所、仕事もバラバラで、昔のように付き合うのは難しいですよね。

 それに冷静になったとき、疎遠になった友人に変に執着していることにも気づきました。“自分軸”で友達付き合いができていなかったんですよね」

 さらに付き合いが希薄な親戚と、惰性で送り合っていた季節の贈り物もやめた。断ち切った友人関係に未練はなかったものの、もともと人との触れ合いが大好きなライフさんは、しばらくして寂しさを感じ始める。

 そんなとき、飛び込んだのが、地域の住民がやっている公園掃除のボランティアコミュニティーだ。

「ご近所さんがワイワイ言いながら公園掃除をしているのを見たら、すごく楽しそうに思えて。上着を着てパッと家を飛び出し、『すみませ〜ん、私も仲間に入れてください!』ってお願いしに行ったんです。すぐに受け入れてもらえました(笑)

 それがきっかけで自治会にも誘われる。子育て中、PTA役員を率先してやっていた経験を生かし、今は役員となり、イベントを企画するなど、地域で頼りにされる存在に。

「地域の方々との共通点はそこに自宅があるということだけ。個人的な事情に深く首を突っ込んでくる人はいないので、気を使いすぎず、“ちょうどいい距離感”で付き合えるのがありがたいです。

 地域ではお互い、肩書なしの“素”の人間同士で話せます。数年に1回しか会わない友人より、近くの人との関わりが今とても楽しいです」

年齢を受け入れたら世界が広がった!

「実は50代のころ、漠然と年をとるのが嫌だったんです。特に美容にこだわるタイプでもなかったんですが、それでもだんだん見た目が変わって、体力も落ちてくることが悲しくて……。60代になったとき『女の人生が終わったんだ』とガッカリしたことを覚えています」

 年齢を受け入れられず、沈んでいた気持ちを明るくしてくれたのが娘の言葉だった。

「コロナ禍にマスクをした写真を娘に送ったら『お母さん、きれいだね』って言ってくれたんです。

 マスクでシワが隠れていましたし、お世辞かもしれないけれど、言葉にして褒めてもらえたことが素直にうれしくて。初めて『60代でもいいんだ』って、気持ちがストンと落ち着きました」

 周りをよく見れば、60代、70代に見えない女性はたくさんいた。「60代は60代なりに生きよう」と決め、持ち前の好奇心と行動力で3年前からYouTubeチャンネルを開設。知識ゼロから独学で動画撮影・編集を始め、今では登録者数1.5万人に。

「もちろん失敗もありましたが、励みになるコメントを視聴者さんにいただいたり、雑誌の取材で若い人たちと出会ったりと、YouTubeを始めてから新しい交流が生まれました。年齢を受け入れ、シニアライフを楽しむことで世界が広がったように感じています」

 今は迷惑をかけない「自分のしまい方」も見据えている。

「年齢的にも終活に向かうタイミング。身の回りの物を減らすことは、子どもたちに負担をかけないためにも大事なことです。

 私がいなくなったときに『お母さんってすっきり暮らしていたんだね』と、子どもに言ってもらうことが、私にとっての最高の人生のゴールだと思っています」

教えてくれたのは……ライフさん●YouTube「60歳からの幸せライフ」で、60代のシンプルな暮らし術や、夫婦の何げない暮らしを発信。子ども2人が独立した後、夫婦2人で築26年の一軒家に暮らす。すてきなシニアライフに憧れるファンが急増中。

取材・文/釼持陽子

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