田崎竜太監督&白倉伸一郎P、『仮面ライダー555』20周年記念作への思い “木場”泉政行さんへ黙祷捧げて撮影開始

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2024年02月25日 15:35  ORICON NEWS

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『仮面ライダー555(ファイズ)20th パラダイス・リゲインド』ティーチインイベント
『仮面ライダー555』テレビシリーズ最終話から20年後を描く完全新作『仮面ライダー555(ファイズ)20th パラダイス・リゲインド』(公開中)の田崎竜太監督(※崎=たつざき)、白倉伸一郎プロデューサーが登壇したティーチインイベントが行われた。

 『仮面ライダー555』は2003年1月から2004年1月までテレビ朝日系列で放送されていた平成仮面ライダーシリーズ第4作。主人公の青年・乾巧(半田健人)が特殊な変身ツール「ファイズギア」を持つ少女・園田真理(芳賀優里亜)に遭遇し、異形の怪人「オルフェノク」に襲われたことをきっかけに、仮面ライダーファイズとして戦う物語。従来のシリーズとは異なり、怪人側の苦悩を描くなど、単純な善悪二元論ではない群像劇が描かれ話題となった。そして今作はテレビシリーズ最終話から20年後を描く正統な続編となり、オリジナルキャストが集結した。本イベントには、テレビシリーズで第1話などのパイロット監督を務めた田崎監督、そしてプロデューサーの白倉氏が登壇し、質問に答えていった。

【動画】ファン歓喜!草加の名セリフを披露した村上幸平

 上映後となる本イベントは田崎監督、監督の一番弟子とあいさつをしたプロデューサーの白倉氏、プロデューサー補佐の松浦大悟氏がMCとなり実施した。観客の質問の前に松浦氏から「公開から約3週間経っての感想や反響などはありますか?」と質問されると田崎監督は「喜んでいただいている感想が耳に入ってきています。うれしいです」と喜びを伝えお気に入りのシーンを質問されると「ラストのお好み焼きのシーンが高く評価していただけているようですが、(東映特撮ファンクラブオリジナル作品)『仮面ライダー555 殺人事件』と一緒に撮っていて結構バタバタでした。でもバタバタな雰囲気ではなくほんわかしてよかったです」と撮影秘話を明かし「海堂(唐橋充)さんのアドリブとかね」と白倉が言うと「それはないと思います」と否定をし会場を笑わせながらもラストのシーンの海堂が深爪の話をするシーンはアドリブであったことも明かされた。

 白倉氏は「初日、2日目ごろはX(旧ツイッター)などでもエゴサをしてよく見なきゃよかったなって思うんですけど(笑)。ひとつ指摘があったのがラストバトルのところのワイルドキャットオルフェノクと新型ファイズのところで新型ファイズと旧型ファイズの並びもできたんじゃないの?て声が結構あってしばらく考えちゃったけど、これ(企画の時に)一回検討していて、ファイズとファイズで見ても盛り上がらないかな?って思って巧と真理でやることに意味があると考えてああなりました。でも、考えるなお客さんも!って思いました」と話し、観客の反応も見ていることを明かしました。

 続いて観客からの質問で白倉氏に「どことなくマイルドになっているかと思いますが、何かきかっけはありますか?」と白倉氏は「ないですよ(笑)。ワイルドな人が牙を抜かれてマイルドになったってことかと思いますが、もともとマイルドな人間で(笑)。『ドンブラザーズ』などもやっているけれど『仮面ライダーBLACK SUN』もやっているし殺伐とした人生を送っています。今回の作品でラストで生命線が伸びてハッピーエンドで終わっているのは監督のおかげです。台本上の並びだと草加スマイルで終わるってなっていましたが、これはいくら何でもいかんと思ったらしく、監督の判断で一家団欒、和気あいあいとしたシーンで締めるってことになりました」とコメントすると田崎監督が「さすがに草加スマイルで終わると後味が悪いなと…」と伝えると松浦が思わず「みんな好きですよね、草加!」と会場にも同意を求め笑いが起った。

 さらに、あんな緊張感のある朝飯シーンないよ、とテーマが暗いということから劇伴 音楽 の話になり田崎監督から「BGMを聞くとほとんど暗い。劇伴はすべて当時のテレビ版と『パラダイス・ロスト』のものを使いました」と明かされ、音付けした時が一番懐かしく感じたと言い「“劇場版巧の法則”で、巧はいなくなると新しい女を連れてくるっていう法則があったから(笑)。結構『パラダイス・ロスト』がはまりました。巧がバイクで走ってる空撮のシーンでギターがかかっているのは今回が初めてだった。テレビではあんまり使えないから長く使えて良かった。これが『555』の劇伴の中で一番先に作られた曲で監督のオーダーで『パリ、テキサス』(1984年製作)の中のギターが乾巧に合っていると打ち合わせをしたような気がします。20年前のことなどで覚えていないですが…」と語ると白倉氏も「合ってます!」と後押し巧のテーマ―としてオーダーしたことを明かした。

 劇中のとあるシーンに当時の仮面ライダーファイズのスーツアクターであった高岩成二氏が出演している話になると白倉氏と高岩が当時の思い出話をしていた時に「当時から キャストの個性が濃かったなって話して、変身前のキャストをたくさん見ているけど特に『555』は濃かったなって話になりました。その時、現場にいたのは唐橋だったけど(笑)」と高岩との思い出話もあった。

 真理の靴下が赤ったり、玲菜の洋服が赤いことから衣装のこだわりについて質問されると「赤を際立たせるならここぞという時に使うのが映画の常套手段だけど、玲菜の赤い服は巧とのマッチングを考えました。2人並んだ時にいい感じになるようにって思って、玲菜のテーマカラーは青だけど水筒くらいかな」と明かし、さらに水筒は現場にかわいいものがなかったため田崎監督の私物であるのが明かされ「(巧に)フーフーしたいところに玲菜の女心が出るかなと思って」と玲菜の女心を水筒で表現したことを明かした。

 北崎(藤田玲)のキャラクターなどの話も質問されテレビシリーズで肩を出した衣装は石田秀範監督が決めたかな?と振り返りながらも北崎はかっこよかったなと口にし「アクション監督の(和田)三四郎さんからの寵愛を一心に受けて北崎専用の変身も三四郎さんが考えて、あの時は北崎無双の日にしますって生身のアクションもよくて藤田さんもかっこよかったから当時とは違った魅力が出たかな?」と白倉氏は撮影を振り返る。

 木場勇治役の故・泉政行さんについて質問されると「ここに泉がいたらな〜などは話したりもした西洋洗濯舗 菊池のリビングのシーンで泉くんに黙とうをささげて撮影を始めました。生きてたら参加していただろう」と田崎監督は話しました。さらに白倉氏から『仮面ライダー』という作品について「仮面ライダーってものは初期のころから石ノ森章太郎イズムで石ノ森先生ワールドが『サイボーグ009』も含めて、敵味方同士が異星人とかではなくて人間が改造されたりあるいはロボットだったりしても人間を模して造られたもの同士が戦う人間と人間が戦うメタファーだったりとか構造があるのが世界観だと思っています。仮面ライダー作品というのは『555』だったりしても『BLACK SUN』だったとしても、どんな作品もどういうクリエイターが手掛けるにしてもどっかで人間とはなんのか、人間と人間の関係性だったり差別っていうテーマを隠し持っていたりします。ヒーロー的な勝った負けたではない現実社会、凡人が生きていく中で直面せざるを得ないような困難や人間関係をテーマとしてもつのが仮面ライダーである以上必要なんだと思います」と白倉氏は語った。

 さらに、本作に幻のプロット案はありますか?という質問に白倉氏は「最初の段階では菊池啓太郎って名前がストーリーの中核にいました。溝呂木(賢)くんが出演できなかったので話を組み替えないといけないとなり、啓太郎のポジション的な流れを継ぐ者が必要になって条太郎役が発生しました。俳優事情とかにもよって、かなわないこともあるので話を組み替えないといけないけど(俳優の)みなさんお忙しい中やっているので、パズルゲームのようになって今回も3日間だけの方などもいました」と語った。

 オルフェノクの世界設定についても質問されると「延長戦で『パラダイス・ロスト』の逆パターン人間の支配は続いてオルフェノクは少数派テレビシリーズに戻していて迫害が強くなったということ。ただスマートブレイン社のスタンスがテレビシリーズとは真逆で元の井上大先生の設定ではスマートブレインの中で内紛が起こって、かつてとは企業理念が真逆になってしまった。スマートブレインの内部抗争が背景にあるのを書いてこられたけど描けないので…。北崎社長によって一本化、一枚岩になっている風じゃないと伝わりづらいから、そういうことになりました」と今回のオルフェノクの設定を説明した。さらに、ラストの草加スマイルには「やけくその村上スマイル」とコメントし会場を沸かせました。

 最後に観客にあいさつ。田崎監督は「20年間『仮面ライダー555』を愛してくださってありがとうございます。20年何があったのかなって今日も みなさん想像してくださっていますが、『555』がみなさんの中に息づいている証拠なのかと思って聞いていました。ぜひこれからも『555』だけでなくほかの『仮面ライダー』も愛していただけたらなと思います。20周年、10周年作品に限らず、お客さんが作っている、みなさんの支持があって作られている作品なのでみなさん自分が作ったと思っていただいて大丈夫です。本当に今日はありがとうございます」と話す。白倉氏は「3連休の貴重な中日にありがとうございます。『555』にしては珍しく女性が多いらしく。本作9対1が男性らしいので、その10パーセントを超えると女性がいっぱいいます!ということになってます(笑)。我々にとって20周年というのは、他にも東映は周年ってやっているけれど、(周年を)真剣に考えて我々が生きていく中では結婚何周年とかを除けばあんまり周年を意識しないと思うので劇中でも巧とか真理も意識して生きているわけではないので周年は作品の外にあるものなんだけど、タイトルの外にあって内容とタイトルとの整合性は何だろうって考えていて、今もこういう場にいて20周年って座席の方に20周年ってあるんだなと、改めて見せていただいたと思います。質問されるマイクを持った方々が『20周年おめでとうございます』って言われていますがこちら側から『おめでとうございます』って気持ちです。これからも『555』は続きます。たぶん25周年、30周年はやらないけれど愛してもらえるとうれしいです。そして『爆上戦隊ブンブンジャー』も始まりますのでこちらもよろしくお願いします」とあいさつし、イベントは終わった。

このニュースに関するつぶやき

  • 泉さんは仕方ないけど、やっぱり参加してほしかった。ところで、溝呂木さんはなんで出演できなかったのかな?
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