《独占》岡崎慎司、引退発表1カ月前の心境「仮に日本に帰るってなったら、清水エスパルス一択」

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2024年02月26日 17:41  webスポルティーバ

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 2月26日、岡崎慎司が今シーズンかぎりでの現役引退を発表した。長きにわたり日本サッカーを盛り上げてきた功労者の決断は寂しくもあるが、今季残り時間では間違いなく死力を尽くしたプレーを見せてくれるだろう。その先に続くキャリアでもきっと我々を沸かせてくれるはずだ。

 この単独インタビューは1月下旬にオンラインで行なわれたものだ。恥ずかしながら筆者は、取材時にはまさかこのタイミングで引退するとは思っていなかった。自身の状態について、現役について、セカンドキャリアについてオープンに話してくれてはいるが、おそらくは引退決断の直前だったのだろう。

 筆者が見るに、岡崎は石橋を叩いて、叩いて、叩いて、気づいたらダッシュで駆け抜けている、というタイプだ。そんな岡崎が、ぐるぐると考えて、考えて、考えて、石橋を叩きまくっている様子が伝わればと思う。

岡崎慎司インタビュー(前編)

 今季に入り、岡崎慎司がプレーしたという話はあまり聞こえてこなかった。ピッチで躍動する岡崎の姿はかつて脳裏に焼きついたものばかりで、最近のプレーが浮かんでこない。ベルギーのシント・トロイデンに所属する岡崎は今、どのような状況にあり、何を思っているのかから尋ねてみることにした。

   ※   ※   ※   ※   ※

── 岡崎選手は最近、どうしているのだろう......というのが、この取材の正直なスタート地点です。

「ちょうどSNSとかにあげないといけないなと思ったんですけど、ずっとひざをケガしているんです。最後に試合に出たのは去年の12月で(12月16日のモレンベーク戦で67分から出場)。去年の3月ぐらいに初めて痛くなって、その後も調子がよくなったり痛くなったりを繰り返してきたんですけど、その12月の出場を最後に痛みが今までで一番強くなってしまって」

── 思い当たる原因はあるのですか?

「一番は人工芝ですね。(シント・トロイデンに加入して)1年半ぐらい、練習もホームスタジアムも人工芝なので、それが一番響いたんです。僕、後十字じん帯(のケガ)もやっているんで、その蓄積もあるのかなと思います。たぶん普通の芝だったら問題はなかったと思うんすけど。僕のひざは今、軟骨も使い込んでいるっていう感じになっています」

 今シーズンの岡崎は、序盤に4試合で合計32分ほど途中出場したものの、9月中旬から12月上旬まで11試合出場なし。岡崎の言う12月の出場を挟んで、現在までまた8試合出場のない状況だ。リハビリ中の現状と37歳という年齢も含め、引退発表前には現在とこの先をどう考えていたのか。

── この冬、日本代表の仲間で世代の近い川島永嗣選手が日本への帰国を決断しました(2024年よりジュビロ磐田に所属)。いろいろ考えさせられることがあったりしませんか?

「いや、永嗣さんとはよく話をしていたので、あんまりびっくりはしないというか。ほかの人が日本にどのタイミングで帰ろうが、別にあまり気にならないですね。昔はね、帰国する人に対して、なんかいろいろ思うこともありましたけど。

 僕は今、まだ自分のためにずっとヨーロッパにしがみついている部分がけっこうあって。たぶん、そういう目的がないと選手を続けていけないというのが、この年齢の向こう側な気がするんです。なんか自分もようやく、そういうのがわかる年齢になったのかなという感じがします」

── 20代前半の時、ひたすら上を目指してドイツに来たころとは違う、と。

「そうっすね。認めざるを得ないというかね、年齢っていうものを」

── 現時点でその『目的』というのは、どういうことになるのでしょう?

「自分はなんとなく『先が見えないほうがいい』っていうのは変わらない感じですね。たとえば日本に帰るという選択をして想像した時、その先が全部見えるというか。

 僕が仮に日本に帰るってなったら、自分の意思としては清水エスパルス一択なんですけど、選手として優勝を目標に引っ張っていって、そのあとは指導者になるという道筋が見えている気がした時に、どうしても自分がヨーロッパでやってきたことと結びつかないっていうか。

 それにまだ、選手としてヨーロッパで盛り返せるって思っていますし、ケガを抱えながらもがんばれるのは、このヨーロッパにいるからで。ヨーロッパで感じた『言葉では言い表せない悔しさ』って、日本に帰って1、2年したら忘れちゃうと思うんです。それとこの先、サッカー選手として終わったあと、ヨーロッパで指導者に挑戦したいという思いも、自分がここまでヨーロッパでやっていて出てきた答えかなって思っています」

── シント・トロイデンで指導者としての機会もありそうだと?

「いえ、そうではなくて、まずはコーチングライセンスを取りに行きたいなと。プレミアリーグでレスターに所属していたから、選手をサポートするPFA(The Professional Footballers' Association )のシステムを使ってライセンス講習をBコースから受けられるので、そこから始める感じですかね」

── それもまた、ひと筋縄ではいかなそうですね。

「結局、そういう未知数で、日本にいたら想像もつかないところに飛び込むのが、僕はいいのかな。そこでライセンスを取るかどうかというより、ヨーロッパで選手としてチャレンジした先にそういうところへ行くことによって、さらになにか道を切り開けるんじゃないかと。

 選手としてJリーグのクラブに戻ることもヨーロッパでの経験を日本に還元することだけど、それ一択じゃなくてヨーロッパに残り続けること自体が、僕の経験を日本に還元するっていうことにもつながるかなと」

(中編につづく)

◆岡崎慎司・中編>>「ヨーロッパでボロボロになるまで...これがボロボロっていうことか」


【profile】
岡崎慎司(おかざき・しんじ)
1986年4月16日生まれ、兵庫県宝塚市出身。2005年に兵庫・滝川第二高から清水エスパルスに加入し、プロ4年目から3年連続ふたケタ得点を記録。2011年1月にシュツットガルトに移籍し、マインツを経て2015年から所属したレスター・シティではクラブ初のプレミアリーグ優勝に貢献する。その後、マラガ→ウエスカ→カルタヘナを経て2022年よりシント・トロイデンに所属。2024年2月26日、今シーズンかぎりでの現役引退を発表した。日本代表歴119試合50得点。ポジション=FW。身長175cm、体重76kg。

このニュースに関するつぶやき

  • どんな形でもいいのでエスパルスに関わってほしいなぁ
    • イイネ!1
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