「猫の日」のおふざけでXの“名前”を変えたら戻せなくなった企業アカウントたち 原因は「青バッジ」か

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2024年02月26日 18:51  ITmedia NEWS

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「変更できません」という無情なアラート(画像提供:ビーズ)

 「中の人が猫の日のおふざけで変えた『ニャウヒュッテ』から直せなくなってしまったため、『ニャウヒュッテ』のまま運営しておりますが、『バウヒュッテ』です」──ゲーミング家具ブランド「Bauhutte(バウヒュッテ)」を展開するビーズ(大阪府東大阪市)は2月26日、公式Xアカウントで、そんな悲しいお知らせを投稿した。


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 このアカウントは、2月22日の「猫の日」に合わせてX上の表記名を「ニャウヒュッテは大阪の会社だニャ」に変更。しかし、22日中に元に戻そうとしたところ、「変更できません」のアラート表示が。これには「プロフィールの審査をしています。一定期間が経過すると審査が完了するまでは名前とプロフィール画像を変更することはできません」と書かれていたという。


 その後、ニャウヒュッテのまま「やばいです詰みました名前戻せません。噂で直せるようになるまで1週間かかるって聞いたんですけどマジですか?」「ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」など悲痛なポストを繰り返し、25日には「夜遅いし寝ます。もう知らん」と投げやりに。さらには「ブランド名のほうを変えるしかないです。シャッチョ室行くか…ニャ」と開き直った。


 26日午後4時時点でもバウヒュッテの表示名はニャウヒュッテのままで、「この名前のうちに」と「にゃんガルーパーカー」のセールを宣伝する場面も。猫好きは逞しい。


 Xの場合、「@」から始まる「ユーザー名」はアカウント固有のもので変更できないが、「表示名」(あるいは名前と呼ばれる)は、ニックネームなども登録可能で、いつでも変更できることになっている。しかし今回のように、イベントなどに合わせて表示名を変更したところ、一時的に戻せなくなったケースはこれまでにも多数報告されている。


 一方、一時は同様の事態に見舞われたものの、現在は正常な名前に復帰した事例もある。


 健康食品メーカーのわかさ生活は、猫の日に「わかにゃ生活(肉球足跡の絵文字)広報部」に名前を変更したところ、やはりしばらく戻せなくなった。


 わかさ生活は、23日に投稿した「反省文」の中で経緯を説明している。これによると、同社は昨年の「猫の日」にも名前を変更したが、この時は特にトラブルはなかったという。当時は「金のマーク(バッジ)が付いた状態で迎えたため、本年のようなアカウント名(名前)が戻せないというトラブルには、遭遇せずに済んだ」とみている。


 23年3月まで、米Twitter(当時)は、企業などからの申請を受けて公式アカウントに金バッジを付与していた。わかさ生活は13回も申請を行い、ようやく金バッジを取得した。


 しかし、23年4月にそれまでの認証制度を終了。新たに企業や団体に向けた認証サービス「Verified Organizations」を導入し、加入や審査などを条件に灰色もしくは金色のバッジを与える形にした。それまでは無償だったのに月額13万5000円(日本の場合)の費用がかかることもあり、加入を拒否したり、見合わせたりする企業も多かった。一方、個人を含む有料プランの「X Premium」(旧Twitter Blue)加入者には青いバッジを付与している。


 わかさ生活の場合、今年は“青バッジ”だったため、名前変更を行うとしばらくバッジが非表示になる事は承知の上で名前変更に臨んだ。すると案の定、変更後にバッジは非表示となり、猫の日が終わっても名前変更が行えない事態に。


 しかし24日、「わかにゃ生活 広報部」のバッジが復活した。それをフォロワーから指摘され確認したところ、名前を変更できたという。「わかさ生活」に戻すと再びバッジが消え、26日午後5時時点でも復活していない。


 こうした経緯から、わかさ生活の担当者は「原因は青バッジ」と断言する。「青バッジは名前変更後に審査が始まる。その期間はバッジが消え、名前変更もできない。わかさ生活は直せたが、同じ青バッジのスカイマークさん(スカイニャーク)はまだ直っていない。一方、花王アタックさんなど金バッジのアカウントは問題なかった」と話す。なお前述のバウヒュッテも青バッジで、バッジは復活していない。


 青バッジを使用している企業アカウントにとってはリスクが伴う「猫の日」の名前変更。来年はどうするのか、わかさ生活に聞いたところ、「恒例ですから名前変更はします。理想はそれまでに金バッジにして挑むことですが、青バッジのままでもやります」と力強い回答を得た。やはり猫好きは逞しい。


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