中田翔が「らしさ」全開 キレイごとを言うつもりはさらさらなし 「記憶に残る選手でありたい」

0

2024年02月27日 10:41  webスポルティーバ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

webスポルティーバ

写真

中田翔インタビュー(後編)

前編:中田翔が語るプロ17年目の覚悟はこちら>>

 昨年オフ、巨人との契約を破棄してまで中日移籍を決断した中田翔。このキャンプではヒゲ面に金髪という、中田らしさ全開で存在感を示している。自ら「野球人生のラストスパート」位置づけている中田に、どんな選手でありたいか語ってもらった。

【自分のスタイルを変えるつもりはない】

── 移籍を決断する時に、"中田翔らしさ"というものは考えましたか?

中田 自分らしさ......ですか。うーん。なんでしょうね。僕は若い時からずっと好きなことをやらせてもらっていたので、それが"中田翔らしさ"なのかどうかはわからないですけど、ありがたいことに僕の周りにも「最後まで自分らしくいってほしい」とか、「周りの意見や周りの目を気にするのは中田翔じゃない」って言ってくれる人がたくさんいました。

 決断は人に言われてどうこうではないです。自分の決断でダメだったら、自分の責任で納得もできます。人に言われてダメだった時の後悔のほうが大きいんでね。それは日本ハムの時も、ジャイアンツに行ってからも、ずっとそうでした。今後も自分のスタイルを変えるつもりはないです。

── どこに行っても中田翔は中田翔であると?

中田 まぁ、僕にとって中田翔であることは、"普通のこと"なんですけどね。"我が道を貫く"とか、そういうことでもないんですよ。本当に普通、ノーマルです。今の時代には僕みたいなキャラクターは珍しいのでしょうけど、それだってファンの人たちやメディアから中田翔のキャラクターを求められているからやっているわけでもない。僕にとってはごくごく普通のことをやっているだけですからね。

── ドラゴンズでは金髪で背番号6番を背負って、感慨深いものがありますね。

中田 背番号6はうれしいですけど、金髪に関しては普通というか。正直、この歳にもなって金髪にしたらまだ騒いでくれるんだっていう驚きがあったぐらいです。ただ、ジャイアンツ時代も球団ルールがあったからやらなかっただけで、ルールを破ってまで貫きたいものでもない。この歳でルールに盾突いてなんて、逆にダサいじゃないですか。ドラゴンズでも事前に「今年は髪とヒゲに関して規制はない」と聞いていたので、「じゃあヒゲも」と......あってもなくてもどっちでもいいんですけどね。

【誰に何を思われようが構わない】

── プロ野球選手として圧倒的な存在感を感じます。最近では野球界だけでなく社会全体が品行方正を求められ、息苦しさを感じることもありますが、中田さんは中田翔を貫くことに迷いはないですか?

中田 まぁ、僕自身はもともとがこういう性格なんで、言いたいことを言ってしまうし、これまでにもいろんなことがあって、皆さんに迷惑をかけたこともたくさんありました。やっぱりこういうキャラクターだと、良くも悪くも周りからもターゲットにされやすいんでしょうね。ちょっとしたことで「なんだコイツ」と叩かれてしまうし、実際に耳にも入ってきます。

 いまの選手たちは本当に気を遣っていますよ。たとえば普段の選手同士の会話を抜かれて「なんだアイツ、偉そうに」とかなってしまう。そういう世の中になっていることは仕方がないのかもしれないですが、周りの目を気にしてやりたいことをやれなくなるぐらいなら、最初からやらないほうがいい。人生もそうですし、野球人生も一回きり。僕は別に誰に何を思われようが構わないので、周りの目を気にしないで、自分の思うことをやらせてもらっています。

── 自分と自分を応援してくれるファンのためにも中田翔らしくありたいと。

中田 いや、もう35歳にもなって、そういうキレイごとを言うつもりはさらさらありませんよ。ファンの皆さんに対しても、僕から「中田翔を応援してください」と言うつもりは一切ないです。

── また......物議を醸しそうなご発言ですね。大丈夫ですか?

中田 ずっと中田翔を応援してくれている人たちのために頑張りたいという気持ちは本心ですし、感謝の気持ちもすごく強い。その気持ちはウソじゃないです。でも、ずっとプロの世界でやってきて、僕のことを応援してくれる人もいれば、気に入らない人たちもたくさんいることを見てきました。もちろん、みなさんに応援してもらえればそれほどありがたいことはないんですけどね。そこは勝負の世界です。

 100人ファンがいたら100人のアンチがいる。このキャンプでもたくさんの人が応援してくれて、本当にうれしかったし、感謝していますけど、僕からは「応援してください」とは言わないです。その人たちの期待を裏切りたくないという気持ちですかね。それには結果を残すことでしか応えられない。そういう世界ですからね。うん。

── これまで多くの人に応援され、また叩かれ続けた中田さんならではの信念だと思います。

中田 いや、それも信念とかいうものじゃなくて"普通のこと"です(笑)。

── 最後に選手としてラストスパートと位置づけているドラゴンズでの中田翔は、どんな選手でありたいと考えていますか。

中田 このまんまです。自分らしくやっていきたいですし、自分らしく終わりたいですし。う〜ん、まぁね。その結果、皆さんの記憶に残るような選手でありたいなとは思います。そして最後にドラゴンズで優勝できたら最高じゃないですか。みんな、そこを目指して今の時期、ハードな練習を毎日やっていますし、僕自身もそこへの気持ちが強いですからね。今はしっかりこのキャンプでアピールしてレギュラーを勝ちとりたいと思っています。はい。


中田翔(なかた・しょう)/1989年4月22日、広島県生まれ。大阪桐蔭高から2007年のドラフトで日本ハムから1位指名を受けて入団。プロ4年の11年にレフトのレギュラーをつかみ、12年は全試合出場を果たす。14年に打点王のタイトルを獲得し、15年には自己ベストとなる30本塁打、102打点をマーク。以降も主軸として活躍するも、21年8月に同僚への暴力行為が発覚し無期限出場停止となっていたが、数日後に巨人への交換要員なしでのトレードが発表された。22年はシーズン途中から4番を務め、一塁でゴールデングラブ賞を獲得するなど活躍し、新たに3年契約を結んだ。だが23年は出場試合数が激減し、シーズン終了後に自らオプトアウトを選択して巨人を退団。その後、中日への移籍が決まった。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定