60代前半で会社員を続けたら「高年齢雇用継続給付」をもらえますか?

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2024年02月28日 08:11  All About

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年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、「高年齢雇用継続給付」をもらえる人の条件についてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、「高年齢雇用継続給付」をもらえる人の条件についてです。

Q:私は「高年齢雇用継続給付」をもらえますか?

「私は59歳の男性。会社員として働いてきました。60歳以降も、同じ会社に雇用してもらえそうです。働き続けると『高年齢雇用継続給付』というものがもらえると聞いたのですが、私ももらえるのでしょうか? 60歳以降は嘱託となり、収入は半分になる予定です」(愛知県・59歳)

A:高年齢雇用継続基本給付金を受け取れます

高年齢雇用継続給付には、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」があります。相談者は、継続して同じ会社で仕事をするので、「高年齢雇用継続基本給付金」の対象になります。

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以上65歳未満の人で、雇用保険の加入期間が5年以上ある人が、基本手当(雇用保険の失業等給付)を受け取っていない人を対象としている給付金です。原則として、60歳以後の賃金が、60歳時点の賃金の75%未満に低下した状態で働いている場合が対象です。

高年齢雇用継続基本給付金を受けることができる期間は、60歳に到達した月から65歳に達する月までですが、各月の初日から末日まで雇用保険の被保険者であることが必要です。60歳到達日とは、60歳の誕生日の前日です。例えば、10月12日が誕生日の人は、10月11日となります。

高年齢雇用継続基本給付金は、60歳到達以降の賃金が61%以下に低下すると、実際に支払われた賃金額の最大15%の給付金が支給されます。例えば、60歳到達時の賃金月額が30万円で、60歳到達以降の賃金が以下のような場合、1カ月の支給額目安は次のとおりです。

【1】支給対象月に支払われた賃金が26万円のとき……60歳到達時の賃金の75%未満に低下していませんので、支給されません。

【2】支給対象月に支払われた賃金が20万円のとき……低下率が66.67%で61%を超えていますので、支給額は1万6340円です。

【3】支給対象月に支払われた賃金が18万円のとき……低下率が60%ですので、支給額は2万7000円です。

相談者は当てはまらないかと思いますが、もし65歳より前に老齢年金を受給している場合、高年齢雇用継続基本給付金の給付額によっては、在職老齢年金による支給額調整に加えて、年金の一部が支給停止されることがありますので注意をしておきましょう。

監修・文:深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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