昭和に人気博したゼブラの鉛筆型シャープペン「ノックペンシル」が復活 廃番から20年以上、令和に復活の背景

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2024年03月02日 12:03  ねとらぼ

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「ノックペンシルM-1700」

 「愛用してた」「懐かしい」――昭和の時代に人気を博したゼブラの鉛筆型シャープペン「ノックペンシル」が、令和の世に再登場します。廃番から20年以上、復活の背景についてゼブラに聞きました。


【画像】昭和版と比べて見る


●復活に喜びの声


 ノックペンシルは1980年に発売された、鉛筆のような外観のノック式シャープペンシル。100円と安価な価格で登場し、人気になったものの2001年に廃番となりました。


 しかしその後20年以上、再販を求める要望が寄せられていたといいます。ゼブラは要望に応え、ノックペンシルを令和版にアップグレードした「ノックペンシルM-1700」(220円)を3月4日に発売します。復活が発表されるとSNSではかつての愛用者からの懐かしむ声や喜ぶ声、「買いたい」「予約した」などの声が上がっていました。


 ノックペンシルが登場した背景や、今復活する理由など、ゼブラに聞きました。


●手頃な価格で人気


 ゼブラによると、初代ノックペンシルは「誰にとっても買いやすく使いやすいシャープペン」を目指して開発されたといいます。ノック式のシャープペンは1960年代から発売されていましたが、当初は1本500円以上と高価なものがほとんど。機構が複雑なこと、当時は強度があるプラスチックが少なく、ボディが金属製だったためです。


 1970年代には300円台のプラスチック製シャープペンが登場したものの、当時の物価ではまだ手に入れやすい価格ではなかったことから、同社は手頃な価格の製品でシャープペン市場を広げようと考え、ノックペンシルを発売したとしています。


 1本100円という価格もあり、ノックペンシルは大人気に。ゼブラによると、「M-1300」から「M-1400」「M-1500」「M-1600」とラインアップを増やしてかなりの数を販売したそうです。


 また価格の他に、「当時学校や仕事で一般的によく使われていた鉛筆の六角軸の形に似せたことで、親しみやすく手になじんだことで鉛筆から乗り換えてもらえた」「芯を削り出すことなく簡単に鉛筆の代わりに使えることを訴求したことが便利だと思われた」ことも人気の理由だったと同社は見ています。


 ノックペンシルのボディの色は当時の主要な鉛筆メーカーの商品の色に似せており、またテレビCMで「ゼブラが鉛筆を作りました」とナレーションを入れることで、まだ遠い存在だったシャープペンが身近な商品であることを訴えたそうです。


●令和に復活のワケ


 人気だったノックペンシルも、2001年に廃番に。シャープペン普及後はさまざまな商品が発売され、より高度な使いやすさが求められるようになったことが背景にあります。ラバーグリップ付きの太くて疲れにくいもの、芯が尖り続けるもの、芯が折れにくい機能付きのものなどが登場し、外見も高級なものが好まれるように。「ノックペンシルは外見も機能もシンプルなため、時代の需要に合わなくなり売上が低迷。2001年に全てのシリーズが廃番となりました」とゼブラは説明しています。


 廃番になったあとも20年以上、「鉛筆と同じでクリップがなく軽くてシンプルだから使いやすい」「書き心地が良くもう30年以上使っている」「ノックペンシルの再販予定はありませんか?」など再販を求める声があったといいます。では、なぜ今のタイミングでの復活を決めたのでしょうか?


 「廃番後もお客様から愛用している、再販してほしい、というお声をいただいていました。その声に応えたいという思いは社内でずっと持っていました。近年、仕事や勉強でPCやタブレット・スマートフォンなどを使うことが増えました。ただ筆記具も併用することが多く、ちょっとしたメモやアイデアをすぐに書きたい、そのためにシンプルで使いやすいペンが必要、ということが見えてきました」


 「またテレワークやフリースペースでの仕事、カフェなど外で勉強することが増え、軽くて持ち運びやすいペンが求められていました。そこで、以前に発売していたノックペンシルのシンプルで握りやすいデザインに、現在求められる機能を加えたシャープペンが必要ではと考え開発に至りました」(ゼブラ)


●変わらない部分、変わる部分


 新たに復活するノックペンシルは、「M-1300」「M-1400」……と続いてきた歴代のコンセプトを引き継ぎ、「M-1700」の型番に。令和に向けたアップデートを加えていますが、変わっていない部分もあるといいます。


 鉛筆のようなまっすぐなラインと六角形の軸で持ちやすいこと、グリップやクリップがついておらず人によって持つ位置を選ばないこと、1本220円と手頃な価格を維持していることを、ゼブラは変わっていない点として挙げています。


 一方、変わった部分としては「出す・書く・消すが片手でスマートに完結するようにしました」と同社。振るだけで芯が出るフリシャ機能を搭載することで、持ち替えずに素早く芯を出すことができ、キャップ不要の繰り出し式消しゴムを導入することで、手早く消せてキャップを失くす心配がないとしています。


 M-1700の開発にあたっては「誰にとっても手に取りやすく普段使いできること」を意識し、「これまで初代のノックペンシルを愛用してくださった方々の思いに応えたいという気持ちでコンセプトを引き継いでいます」とゼブラ。「新しいノックペンシルを1人でも多くのお客様様の手にお届けして、あらためて愛されるブランドにしたい思っております」


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  • シャーペンとボールペンが両方使えるやつを持ってる。ボールペンでは、携帯屋におねだりしてもらった、PilotのPBA-10が書きやすい。
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