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2024年03月03日 06:11 ITmedia PC USER
うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、2月25日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●Windows 11に2024年2月のセキュリティパッチ適用でエラーが発生
米Microsoftが2月13日(現地時間)にリリースした「Windows 11 バージョン 23H2/22H2」向けの2月度セキュリティ更新プログラム「KB5034765」において、エラーによってインストールに失敗する可能性があるという問題が報告されている。
エラーが発生した場合、「何かが計画通りに進みませんでした。心配する必要はありません。変更を元に戻します。」とメッセージが表示され、インストールが96%でロールバックされるという。
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この問題は、隠しフォルダーの「C:\$WinREAgent」を削除することで回避できるとのこと。エクスプローラーの表示オプションの「表示」タブ→「詳細設定」にある「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」にチェックを入れて「OK」を押して変更を保存する。その後、隠しフォルダー「C:\$WinREAgent」を削除する。
Microsoftはこの問題の解決に取り組んでおり、今後のリリースで修正アップデートを提供する予定だ。
●PC向けGPUの市場が好調に推移、Intelが堅調 JPR調べ
米Jon Peddie Research(JPR)は2月27日(現地時間)、2023年第4四半期における、世界のPC向けGPU市場の調査結果を発表した。2023年第4四半期のPC向けGPUの出荷台数は7620万ユニットに達したという。
GPUの出荷台数は、前期比で5.9ポイント増加した。企業ごとではIntelが10.5ポイント増と好調で、AMDとNVIDIAはそれぞれ順に2.9ポイント減、1.5ポイント減となっている。市場シェアもIntelが前期比で2.8ポイント増、AMDが1.4ポイント減、NVIDIAが1.36ポイント減となっている。
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JPRは2024年から2026年にかけてGPUの年平均成長率は3.6%で、この期間の終了時には、インストールベースで50億ユニットに達すると見立てている。また、今後5年でPCにおけるディスクリートGPU(dGPU)の普及率は30%になると予想している。
●2024年2月のセキュリティパッチが原因で「Outlook」の送信取り消しが利用不可に
米Microsoftは2月28日(現地時間)、2月度のセキュリティ更新プログラムをインストールすると、デスクトップ版「Outlook」でメッセージの送信機能が利用できなくなる可能性があるとサポートページで明らかにした。
Outlookには送信者と受信者の双方が同じ組織に所属し、Exchange ServerまたはMicrosoft 365を使用しており、さらにメッセージが未読の場合などの条件を満たしている場合、送信したメッセージの削除または他のメッセージへの置換を行う機能がある。
しかし、2月のセキュリティ更新プログラムで更新された「CVE-2024-21378:Microsoft Outlook のリモートでコードが実行される脆弱性」の不具合によって、メッセージの取り消しが失敗し、受信者側には元のメールと取り消しメールが残ることになる。ただし、取り消しメールはプレビューウィンドウでは開けず、「The custom form cannot be opened. Outlook will use an Outlook form instead」とエラーメッセージが表示されてしまう。
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この問題は、2月のセキュリティ更新プログラムを適用し、クラウドベースの送信取り消しを無効にしてOutlookデスクトップクライアント側に用意されている従来型の送信取り消し機能を使用している場合に発生するという。
Microsoftはこの問題を調査中で、修正プログラムがリリースされ次第、サポートページで知らせるとしている。この問題を回避するには、OWA(Outlook on the Web)または新しいOutlookを使用して、デスクトップ版Outlookから送信したメールの削除、あるいは置換を行うように呼びかけている。
●「Windows 11 22H2」のプレビューパッチ配布終了が延期に
米Microsoftは2月27日(現地時間)、「Windows 11 バージョン 22H2」向けの非セキュリティ更新プログラムのリリース終了を延期すると発表した。
毎月第4週にリリースされているオプション扱いの非セキュリティ更新プログラムは、翌月にリリースされる月例セキュリティ更新プログラムのセキュリティ関連以外の部分をプレビューとして入手できるというもの。
オプションのため、インストールは必須ではなく、通常は翌月のセキュリティ更新プログラムで同じ内容が提供される。
Windows 11 22H2向けの非セキュリティ更新プログラムは2月27日が最後になると予告されていたが、ユーザーからのフィードバックに基づいて延長を決定していた。現在のところ、延長されたプレビュー更新プログラムの日付は下記のようになっている。
・Enterprise、Education、IoT Enterprise、Enterprise multi-session editions:2025年6月24日
・Home、Pro、Pro Education、Pro for Workstations:2024年6月26日
なお、Windows 11 22H2のサービス終了日に変更はない。Home/Proは2024年10月8日、Enterprise/Educationは2025年10月14日にサービス終了予定となっている。
●Micronが「HBM3E」を量産開始 Samsungも容量36GBのサンプルを出荷
米Micronは2月26日(現地時間)、HBM(High Bandwidth Memory:広帯域メモリ)の第5世代にあたるHBM3Eの新製品「HBM3E 8H」の量産を開始したと発表した。8層スタックで24GBの大容量を実現している。
生成AIの需要が拡大するにつれ、一度に大量のデータを高速に処理できるHBMのニーズが高まっており、AI処理に利用されるGPUでもHBMの採用が増えている。MicronのHBM3E 8HもNVIDIA H200 Tensor Core GPUに採用されるという。
HBM3E 8Hは毎秒1.2TBを超える帯域を実現するとともに、競合他社のHBM3Eと比較して消費電力が最大30%も低くなっているという。なお、12層スタックの36GBモデルも3月にサンプル出荷を開始する予定だとしている。
12層スタックの36GBモデルに関しては、韓国Samsungも2月27日(現地時間)にサンプル出荷を開始したと発表している。同社のHBM3E 12Hは、高度な熱圧縮非導電性フィルム(TC NCF)を使用しており、12層製品を8層製品と同じ高さにすることで、現在のHBMパッケージ要件を満たせるという。チップ間のギャップで業界最小となる7μmを達成し、8層製品と比較して垂直方向の密度が20%以上も向上している。
●AIマクロ対応の「EmEditor v24.0.0」公開 「GPT-4 Turbo」などで校正や要約に対応
米Emurasoftは2月29日、Windows向けのテキストエディタ「EmEditor」の最新版v24.0.0を公開した。本バージョンでは、生成AIとしてChatGPTを利用できるAIマクロ「AI.jsee」が標準搭載された。
AIマクロを使用すると、選択したテキストまたは文書全体に対して、校正、要約、翻訳、画像の生成などを行ったり、AIに質問したりできる。なお、利用にあたってはOpenAI APIキーが必要だ。APIキーはOpenAIにログインすればWebページから取得できる。
EmEditorには無料で利用できる「Free」と、有料の「Professional」があるが、AIマクロを利用できるのはProfessionalのみだ。この他、Professionalでは「頻出文字列を抽出」コマンドが追加され、URI(Uniform Resource Identifier)またはメールアドレスを簡単に抽出できるようになった。これまでも正規表現を利用すれば抽出できたが、正規表現に慣れていないユーザーにも使いやすくしたという。
なお、Free版も対象として、以下の機能が追加されている。
・比較のために分割された時、分割ウィンドウの各ペインのタイトルに「X(閉じる)」と「すべて他へコピー」ボタンを追加
・Onigmo 正規表現に「\Q…\E構文」をサポート
・「ファイルを分割」「ファイルを結合」「インデント」「逆インデント」コマンドを高速化
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