夫と義妹は仲良しきょうだいです。しかしそれが仇となり……事態は思わぬ方向に進んでしまうのです。
確かにハナちゃんも20代半ば。そろそろ家をでてもいいころです。せっかくひとり暮らしするのだから、新しい住まいは勤め先の近くにするとばっかり思っていた私は驚きました。
なんと、ハナちゃんが考えているのは、うちのおむかいだというのです。
「ほらほら、うちの目の前のあそこのアパートだよ〜」なんて夫はのんきに話していますが、そんなの絶対にイヤ! 私が「はぁぁぁぁ!!?」となるのも分かりますよね?
「わざわざうちの近くに引っ越してくるなんて、ハナのやつ、本当に俺のこと好きだよな〜」なんて夫はうれしそうに言っています。
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どんなに兄が好きだからって、結婚して、家庭をもっているきょうだいの家の前に住むなんて正直ドン引きです。「そんなにハナのこと悪く言うなよ〜ひとり暮らしをするって、悪いことじゃないだろ? そうカリカリすんなって」
ハナちゃんもいい歳なのだから、ひとり暮らしをするならどうぞご勝手にというかんじです。しかし、その先がうちのおむかいになるなら話は別です。
そうして、夫は食べたものを片づけてお風呂へ行ってしまいました。残された私は、呆然としてしまいます。ハナちゃんがわが家の目の前のアパートに越してくるですって!? ハナちゃんが越してくる予定のアパートは、本当にわが家から道を挟んで真正面にあります。ハナちゃんのことだから、絶対にめちゃめちゃ頼ってくるに決まってます。
当たり前のようにうちにいるようになって、当然のように一緒に食事もなんてことになる未来が安易に想像できます。
子どもたちの前で変な態度はとれないし、今まで適度に保ってきた距離を一気に縮められる……この展開は本当にまずいです。
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ハナちゃんが義実家を出て、ひとり暮らしをすることはとてもいいことだと思います。ひとりで暮らすことで、自立を促せるのもわかります。けれどその場所に、わが家の目の前のアパートを選ばなくても……! このままでは、なし崩し的に、ハナちゃんの面倒を私が見ることになってしまいそうです。そうなっては本末転倒ではないでしょうか。それだけは阻止したい……と思うのです。
【後編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・ゆずぽん 編集・石井弥沙