64歳10カ月で離職して、65歳でハローワークに雇用保険(失業給付)を申請する場合、「高年齢求職者給付金」の受給対象になりますか?

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2024年03月10日 18:31  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、高年齢求職者給付金についての質問に専門家が回答します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、高年齢求職者給付金についての質問です。

Q:2024年1月に64歳になったサラリーマンです。65歳になりハローワークに雇用保険(失業給付)を申請する場合、「高年齢求職者給付金」の受給対象になりますか?

「2024年1月に64歳になったばかりのサラリーマンです。今年(2024年)10月いっぱいで退職し(64歳10カ月)、65歳になった2025年1月にハローワークに雇用保険(失業給付)を申請する場合、「高年齢求職者給付金」の受給対象になりますか?(離職時が64歳で、申請時が65歳なので)」(年金健太)

A:雇用保険からの「高年齢求職者給付金」は65歳以降に退職した人が受給できる手当になります

結論からいうと雇用保険からの給付金である「高年齢求職者給付金」は65歳以降に退職しないともらえません。相談者は65歳未満で退職されるとのことなので「高年齢求職者給付金」はもらえません。ただし雇用保険からの給付金である「基本手当」の支給対象になる可能性があります。

そもそも65歳未満で退職するか、65歳以上で退職するかによって、雇用保険から給付される手当が異なります。

●退職日が65歳未満(退職日が65歳の誕生日の前々日※)までの場合にもらえる:基本手当
●退職日が65歳以降(退職日が誕生日の前日以降※)の場合にもらえる:高年齢求職者給付金

※雇用保険法における年齢の計算は誕生日の前日に、満年齢に達するものとして取り扱われるため

「基本手当」は、65歳未満で退職した場合にもらえる給付金です。働く意思がありながら失業中であり、離職日以前2年前までに、雇用保険加入期間が、通算して12カ月以上ある必要があります。

一方で「高年齢求職者給付金」とは65歳以降に退職した場合にもらえる給付金です。失業中で働く意思があり、離職の日以前の1年間に通算して6カ月以上雇用保険の加入期間があればもらえます。

ただし、「基本手当」をもらう場合、相談者が65歳になる前に受給できる特別支給の老齢厚生年金があるときは、ハローワークに求職の申込みをすると、特別支給の老齢厚生年金は「基本手当」の給付が終わるまで支給停止になります。

一方で65歳以降にもらえる高年齢求職者給付金は、老齢年金と同時にもらうことができます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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