スカウトが熱視線を送るセンバツ注目の好投手10人 大阪桐蔭の怪物、栃木の怪童、サラブレッド左腕など多士済々

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2024年03月15日 10:41  webスポルティーバ

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 3月18日から開幕する第96回選抜高校野球大会(センバツ)。今大会から反発係数を抑えた「新基準バット」が導入され、投高打低の大会になる可能性が指摘されている。プロスカウトの熱視線を集める逸材は誰なのか? 要チェックの有望投手を10名ピックアップした。

2024センバツ注目打者10人はこちら>>

森陽樹(大阪桐蔭2年/190センチ・86キロ/右投左打)

新2年生ながら、投手としての器の大きさは今大会ナンバーワン。順調に成長すれば2025年ドラフトの目玉になるだろう。昨秋時点で最速151キロを計測しているが、見るべきは数字ではない。今年も大阪桐蔭の投手陣はエースで速球派右腕の平嶋桂知、実戦派右腕の南陽人、ゲームメーカー左腕の山口祐樹、新2年生にも中野大虎ら実力者がひしめく。そんな豪華布陣のなかでも、森のストレートは1球見ただけで「モノが違う」とわかる。縦に鋭く変化するカーブ、フォークもスケール感があり、探究心や図太さも併せ持つ。大阪桐蔭は大会5日目に昨秋の北海道王者である北海と対戦。森の出番が仮に1イニング、1アウトだけだったとしても、刮目して登板を待ちたい大器だ。

今朝丸裕喜(報徳学園3年/187センチ・77キロ/右投右打)

最速150キロをマークする長身右腕。昨春は背番号10をつけ、センバツ準優勝を経験している。右腕が高いアングルから出てきて、縦にきれいに振れるためボールに角度がつきやすい。カーブ、フォークなどの縦変化も有効で、まだ潜在能力の底を見せていない点も魅力だ。高卒でのプロ志望を明言しており、今春は大きなアピールの場になる。実戦に強い間木歩との二枚看板は難攻不落で、昨秋の近畿大会ベスト8ながら今春センバツでは優勝候補に挙がるだろう。初戦は大会5日目に愛工大名電(愛知)との好カード。その後も難敵が続く「死のゾーン」を勝ち上がれるか。

小川哲平(作新学院3年/183センチ・92キロ/右投右打)

まだ底を見せていない栃木の怪童。中学時代には最速144キロを計測し、高校進学時には「江川卓(元巨人)二世」ともてはやされた。下級生時に右ヒジを痛めたが、昨秋は復活して関東大会優勝、明治神宮大会準優勝に貢献。パワフルな風貌とは裏腹に、両コーナーを丁寧に突く実戦的な投球が目を引いた。球速より球質を追い求める姿勢も頼もしい。センバツ初戦は大会5日目に強打線を擁する神村学園(鹿児島)との好カードが組まれた。最速147キロのストレートにもう一段迫力が出てくれば、スカウト陣も放っておかないだろう。

関浩一郎(青森山田3年/187センチ・81キロ/右投右打)

長身ながら高い総合力で勝負する右腕。最速145キロのストレートはホームベース付近でも失速しない好球質で、スライダー、チェンジアップなどの変化球の精度やコントロールもハイレベル。近年のプロスカウトは、制球力の高い素材型投手をとくに評価する傾向にある。ひと冬越えてストレートにボリューム感が出てくれば、ドラフト圏内に入ってくるはずだ。昨秋は同じく最速145キロを計測する櫻田朔との二本柱で東北チャンピオンに輝いている。センバツ初戦は大会4日目に京都国際(京都)と対戦する。

洗平比呂(八戸学院光星3年/180センチ・80キロ/左投左打)

3回目の甲子園マウンドに立つサラブレッド左腕。力感のない投球フォームから最速147キロの快速球を投げ込むが、この投手のキモは初見で攻略困難なスライダーにある。スライダーを膝元に落とせるため、右打者を苦にしない。昨夏の甲子園ではノースアジア大明桜(秋田)を完封するなど、全国舞台での経験も武器だ。父・竜也氏は元中日左腕で、光星学院高(現・八戸学院光星)時代は3年連続で夏の青森大会準優勝という悲運のエースとして知られた。八戸学院光星は洗平のほかにも最速148キロを誇る岡本琉奨と、横角度から切れ味抜群の快速球を投げる森田智晴と左腕トリオを形成する。開幕カードに組まれた関東一(東京)との初戦を勝ち抜ければ、勢いに乗りそうだ。

坂井遼(関東一3年/178センチ・78キロ/右投右打)

短期間に急激な勢いで進化してきた右腕。昨秋は最速145キロを計測し、東京大会決勝の創価戦では1失点完投勝利を挙げて東京制覇に大きく貢献。明治神宮大会では先発にリリーフにフル回転した。縦に割れる大きなカーブとの緩急を使いつつ、スライダーやチェンジアップも勝負球に使えるなどバリエーションが豊富。右肩上がりで伸びてきた成長曲線も期待感を高める。腰の故障を抱えていたエース格の左腕・畠中鉄心が今春は体調万全で臨めるのは好材料。開幕カードの八戸学院光星(青森)との初戦は好ゲームが期待できる。

高尾響(広陵3年/172センチ・73キロ/右投右打)

マウンドの支配者になれる男。歴史と伝統のある広陵で1年春に背番号1を背負い、その佇まいにはエースの風格が漂う。上背はないものの最速147キロを計測する速球と、スライダーやスプリットなどの変化球を使って確実にゲームメイクできる。そして数々の修羅場をくぐり抜けてきた投手特有の、内面的なたくましさこそ最大の武器。昨秋の明治神宮大会では速球がカット質になるなど本調子ではなかったが、今春は集大成となる投球を見せたいところ。初戦は大会4日目、辻井翔大ら好投手を擁する高知(高知)との熾烈な投手戦が予想される。

吉岡暖(阿南光3年/182センチ・78キロ/右投右打)

四国を代表する実戦派右腕。最速146キロの触れ込みながら、昨秋に光ったのは変化球の精度。スライダー、カーブ、フォークを駆使してゲームメイクし、四国大会準優勝に導いた。折り目正しい投球フォームで安定感があり、自滅するイメージが湧かない。大会2日目に大会屈指の強打者であるモイセエフ・ニキータを擁する豊川(愛知)と対戦。モイセエフの膝元に変化球を投げ込めるか、またひと冬越えてストレートの球威がどれくらい増しているか。名をあげる大きなチャンスだ。

佐藤翔斗(東海大福岡3年/187センチ・88キロ/右投右打)

恵まれた肉体に高い資質が宿る大型右腕。昨秋は公式戦9試合、68回1/3を投げきり、大黒柱として激戦の福岡大会優勝、九州大会ベスト4に牽引した。昨秋時点でストレートの最速は142キロと驚く数字ではないものの、あくまでも成長過程ととらえたい。体の芯に力がついてくれば、大化けする可能性は十分にある。カーブ、スライダー、チェンジアップなど変化球を投げ分ける投球センスも光る。大会4日目に組まれた宇治山田商(三重)との初戦で勢いに乗れるか。

佐藤龍月(健大高崎2年/173センチ・70キロ/左投左打)

新2年生とは思えないマウンドさばきを見せる実戦派左腕。東京城南ボーイズに在籍した中学時代は侍ジャパンU−15代表に選ばれ、鳴り物入りで健大高崎へ進学した。最速146キロのキレのあるストレート、度胸満点のメンタリティ、シルエットと投球フォームは前田悠伍(ソフトバンク1位)を彷彿とさせる。同じく新2年生にして最速147キロをマークする石垣元気との左右二枚看板で、鮮烈な甲子園デビューを飾れるか。初戦は大会2日目に学法石川(福島)と対戦する。

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