ナゼか小型タブレットでお絵描きにハマりそう! NECPC「LAVIE Tab T14/T9」 の実機を試して分かった驚き

0

2024年03月18日 12:11  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

NECパーソナルコンピュータのAndroidタブレット「LAVIE Tab T14」(T1495/HAS)は、LAVIE Tabシリーズで初めての14.5型モデルです

 こんにちは! refeiaです。


【その他の画像】


 今日は巨大ハイエンドAndroidタブレットの夢を見ていきましょう。NECパーソナルコンピュータ(NECPC)から発売された14.5型モデル「LAVIE Tab T14」です。はっきりとハイエンドを志向したモデルで、エントリーからミドルスペックが多いAndroidタブレットの群れの中では、飛び抜けて目立つ製品です。


・NECPCが「LAVIE Tab」のハイスペックな新モデルを発売 外部ディスプレイとしても使える14.5型とゲーミング重視の8.8型


 そして今回は、同時にお借りした8.8型モデル「LAVIE Tab T9」も見ておきたいと思います。よろしくお願いします!


●混乱気味のシリーズラインアップ


 Androidタブレットを購入検討したことがある身として、「LAVIE Tab T」シリーズと聞いたときに何を想像するでしょうか。概ね電子書籍〜動画鑑賞用ぐらいのエントリー機かミドルスペックぐらいまでという印象だと思います。


 ですが、実際にはその中にハイエンド級のスペックのモデルがまぎれており、今回見ていく製品は両方とも、作り/スペック/用途ともに、他のタブレットとはハッキリと異なる立ち位置で作られています。それが他のモデルと同じように単にTシリーズになっていて、際立ったモデルとはすぐには分からないのはもったいないです。何かすぐ見分けのつく名前のつけ方なり、ブランドなりがあってほしい気がしています。


●大型ハイエンドタブレット LAVIE Tab T14


 気を取り直して、まずはT14を見ていきましょう。同社直販での価格は14万2780円(税込み、以下同様)で、主なスペックは以下の通りです。


 全体としてハイエンドにふさわしいスペックの中でも14.5型のディスプレイは圧巻で、Appleの「12.9インチiPad Pro」よりも大きく、Samsung Electronicsの「Galaxy Tab S9 Ultra」(14.6型)に匹敵します。


 また、最大出力68Wの充電器が付属しています。バッテリーが大きいせいで充電に時間がかかりがちという、大型タブレットあるあるの苦労をする心配がないのはうれしいところです。


 続いて、周辺アクセサリーを見ていきます。


●意欲的なアクセサリー製品 意欲的な機能 意欲的な価格


 純正アクセサリーはスタンダードなカバー、キーボード、筆圧ペン(後ほど触れます)が用意されています。キーボードは3万8280円と高価ですが、とても意欲的な仕様です。


 タッチパッド付きで、浮いたような設置になるのは基本的にはiPadシリーズの「Magic Keyboard」と似ていますが、キックスタンドが付属していて、同時に装着できるギミック付きです。


 タブレットは、好きなところにちょんと置きたい、さっと移動したい、というシーンがとても多く、そういうときにはキックスタンドがあるとないとでは大違いです。個人的にも「風呂ブタ」タイプのように折ったり畳んだりしないと立てられないスタンドでは満足できなくなっているので、キックスタンドの選択肢があるのはうれしいことです。


 ……と言いたいところですが、リーズナブルなキーボードカバーなどの選択肢がないことと、高価なキーボードを購入しないとキックスタンドが手に入らないこと、これらは意外と悩ましいな……というのが正直な感想ですね。


 また、本機はUSB Type-C端子を2基搭載しています。充電しながら他の周辺機器を接続するだけでなく、何とディスプレイ入力の機能まであって、モバイルディスプレイとしても使えます。


 もう1つ、個人的に必ずチェックしておきたい点ですが、T14とT9両モデルとも、充電を50%に制限する機能があります。満充電で長期間過ごしてしまうことによるバッテリーの劣化を気にするならば、是非ほしい機能ですね。


 全体として「これでどうだ!」という声が聞こえてくるようなハイエンド機です。安いモデルではないですが、Galaxy Tab S9 Ultraが20万円を越えてしまっている昨今ではリーズナブルともいえる、魅力的な立ち位置にいると思います。


●ゲーム全振り!? コンパクトな「LAVIE Tab T9」


 一方のT9も見ておきましょう。価格は9万8780円で、主なスペックは以下の通りです。


 上記の他にメインメモリを12GB、ストレージを256GBにアップしたモデル(PC-TAB09Q01)も用意されています。個人的にはハイエンドスペックの小型Androidタブレットは空想上の存在と思い込んでいたので、何だか胸が熱くなります……。


 また、本機は「ゲームをたっぷり快適に遊ぶ」ことを意識したスペックがたくさん盛り込まれています。画面サイズが8.8型という、スマホより迫力がありながらゲームの操作に支障がないサイズなだけでなく、最大144Hzのリフレッシュレート対応のディスプレイ、放熱に配慮したカバー、リアルなバイブレーション機能、そして別売のデジタルペン3と盛りだくさんなのです。


 充電端子は2基、長辺側と短辺側にあり、


Copyright (C) COGNOSPHERE. All Rights Reserved.


 バッテリーの劣化を防ぐ「バイパス給電」機能もあり、


 バイブレーションも、キレの良いリニア振動子式が採用されています。自分はほとんどPCとPlayStation 5でしかゲームをしないため、あまり知ったかぶりな評価はできませんが、かなり集中してゲーマー向けに仕様が決められていると思います。


 ともあれ、仮にゲームに使わないにしてもこのサイズのタブレットを1台は持っておきたい魅力があります。頼れる性能と品質を持っているならなおさらで、個人的にも欲しかったカテゴリーの製品ですね。


●別売のペンをチェック


 さて……個人的には静電気センサー式ということでそれほど期待してはいなかったペンについてですが、意外にも感心してしまうところがあるので見ていきましょう。T14には別売オプションとして「デジタルペン2」が1万1880円で、T9には「デジタルペン3」が同様に1万1880円で用意されています。


 T14のペンは背面に磁気で装着して充電、T9のペンは本体に装着する機能はなく、USB Type-Cケーブルで充電します。本体と一緒に持ち運びたいならば、貼り付け式のスリーブケースなどを検討するのが良いでしょう。


●お絵描きに使うなら断然T9


 そして、使ってみた感想を簡単に言えば


・T14のペンは積極的に使いたくはならない


・T9のペンはなかなか良い


 です。


 T14のペンはホバー機能もあり、遅延感も少なく、軽い筆圧から反応も自然です。ところが気になるジッター(線の揺らぎ)があり、ペンを斜めに持って書いたときに線がずれて出る現象もあります。また、デッドゾーンのような、細かい動きが捨てられるような挙動もみられます。


 いずれも静電気式センサーのペンではよくある弱点で、そういう意味ではT14のペンは(残念ながら)想定通りとも言えます。一方、T9のペンでは弱点がよく抑えられていて期待以上でした。


 もちろん、細かい動きをやめて少し大きくペンを動かせば普通に追従しますし、気にならないシーンも多いでしょう。とはいえ、絵を描くときや、集中して文字を書けば漢字などで気になりやすい挙動ですし、しっかり使いたいならばチェックしておくのが良いと思います。


 そして、実際にT9で描いてみると悪くないです。左手に本体を持って時にはスルスルと、時にはチマチマと、意外と楽しく描けます。スルスルと描く時にはジッターの小ささが効きますし、チマチマ描く際には細かい動きに追従してくれないといけません。


 「気楽に描きたいだけなので性能は重視しない」みたいな意見もあると思います。気軽に描く時の主な動機は楽しさで、微妙なペンのためにその楽しさが目減りしてしまったら元も子もありません。気軽な用途の人も、ちゃんとペンの出来を見て選んでほしいです。


 どうしてこんな差が出るのかは分かりません。ペンの世代が違うからなのか、それとも大画面は技術的に難しいのか…… いずれにせよ大規模な作品作りには使わないとして、自分がどちらかをお絵描き用途を見込んで買うなら、迷わずT9を選ぶと思います。


 また、T14はディスプレイを見る角度での色変位が目立ちやすいように見えました。製作用途では白くて広い面をよく表示させるので気になりやすく、大画面ではグラデーションに見えやすいため、さらに気になりやすいです。一般用途なら大きな影響はなさそうですが、気になるなら実機をチェックしておくのがよさそうです。


●まとめ


 ではまとめていきましょう。


 LAVIE Tab T14は非常に貴重な、大型サイズのハイエンドAndroidタブレットです。性能面でも品質面でほとんど妥協をすることなく、メディア鑑賞や学習、生産的な活動までを幅広く、長期間にわたって利用できるでしょう。特に大判の電子書籍やPCレイアウトのWebサイトの読みやすさは、このサイズならではのメリットです。


 一方で、純正アクセサリーのラインアップにはやや不満が残ります。キーボードは高価なものしか用意されておらず、そのキーボードを購入しないとキックスタンドを入手できません。また、サイズや性能の面からペンを使ってのクリエイティブ用途が期待されるものの、実際のペン性能が頼りないのは残念です。


 Galaxy Tab S9 Ultraが最大のライバルで、本機を検討しているならばほぼ必ず比較対象になると思いますが、キーボードやカバーなどの周辺機器、接続方法など、自身が利用したいスタイルを想像しながら選択するのが良いでしょう。


 本機はリーズナブルなことと、iPadのMagic Keyboard風のキーボードや2ポートの端子、ディスプレイ入力などの独自の訴求点があることが有利です。Galaxy Tab S9シリーズは、SoCやナローベゼルなどでよりハイエンドを追及していること、高スペックのままで取り回しの良い12.4型も選べること、お絵描きガチ用途ならワコムの「Wacom One Pen」(動作は無保証の自己責任ですが)の夢が見られるかもしれないことなどが利点になります。


 そして、LAVIE Tab T9も非常に貴重な小型サイズのAndroidタブレットです。オールマイティーな高い性能だけでなく、ゲームのための仕様を多く盛り込んでいるので、バッテリー保護機能などを利用しながらヘビーな用途で長期間頼れるモデルになると期待できます。また、ペンの描き味に違和感が少ないのも魅力的です。


 本機も安価な端末ではないですが、持ち運びやすいサイズの利点もあり、メディア鑑賞やゲーム、コミュニケーション、時には手帳、時には気楽にお絵描きと、使用頻度を上げやすく、かけたコストの元を取るのが難しくないモデルと言えるでしょう。


 といったところで……


 いやー… なんかすごいですね。両モデルともに、Androidタブレットの新たな選択肢として登場してくれただけで敬礼したくなるような類いの製品です。そしてそのいずれもが、しっかりと力を入れて作りこんだ製品になっていると思います。以前少し話したAndroidタブレットの盛り上がりは、まだ続いていると思います。願わくば、このままシリーズとして魅力が上がっていってくれることを期待したいです。


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定