【EXILE TETSUYAさん・第3回】ダンスを通じた教育。子どもが夢を叶えるために大事なものは

1

2024年03月19日 11:00  ママスタジアム

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ママスタジアム

ママスタ

第1回から読む。
前回からの続き。ダンス&ボーカルグループEXILE・EXILE THE SECONDのパフォーマーとして知られるEXILE TETSUYAさん(以下、TETSUYAさん)。一方で2023年10月には株式会社expg 代表取締役社長CEOに就任するなど、現在は子どもたちの教育や後進の育成にも尽力しています。

第3回となる今回は、子どもたちに教えることのおもしろさ、子どもが夢を叶えるために大切なことなどをお聞きしました。

子どもの目に一瞬輝く“流れ星”を見られる喜び


──ダンスを通じた教育というお話がありましたが、もともと教育に興味をお持ちだったのですか?

TETSUYAさん:いえ、まったくというほど(笑)。ただ、自分がダンスを職業にしてご飯を食べていきたいと考えたとき、まずは先生という立場になってレッスンを始めました。それを続けるうちに考えるようになったのが、「僕がこの子たちにしてあげられることは、なんだろう?」。
そうこうするうち約20年前に都内で「EXPG STUDIO」(エンタテイナーを育成していく本格的なダンススクール)が開校し、インストラクターの話をいただきました。当初からEXILEが掲げ続けている“Love, Dream, Happiness”のテーマを、生徒さんにどう伝えていくか、まだ夢を叶える途中である自分が、子どもたちに夢に向き合うことをどうやって伝えるか……。考え続けるうちにダンスは、硬い言葉になりますが「教育」にもなるなと気づきました。

──そこには子どもたちに教えることのおもしろさもあったのでしょうか?

TETSUYAさん:そうですね!ちょっとした言葉でも、子どもたちが目を輝かせる瞬間があります。飾った言葉ではなく、僕が本心で思っていることや勉強したことを伝えると、子どものたちの目が輝く瞬間が。僕の中で、あれは“流れ星”だと思っています(笑)。
これまでたくさんの子どもたちと接してきましたが、その流れ星は何度も見られるものではなくて。「今日は見られたな。これは心に刺さったな」と思っても、同じ言葉を次のタイミングで伝えると同じ反応は返ってこない。でも同じクラスの中でひとりが変わるだけで、まったく違う集団になったりもする。とても奥深いですし、おもしろい。そのときどきに合ったアプローチ法に、正解がないところが。そう考えると、世の中で「先生」と呼ばれている方々はどんなジャンルであってもすごいなと思います。
僕は勉強を教えることはできないですが、大好きなダンスを教えながら人間力を上げたり、社会性を持ったり、コミュニケーション能力を高めたり。そうした経験の場を提供できるのは、すごく素敵なことだなと思います。それはEXPGという場があったからこそできたチャレンジですし、環境に恵まれたなと感じます。

今の中高生のダンススキルの高さは、間違いなくSNSや動画の影響




──TETSUYAさんが監修されたダンス映像教材「中学校の現代的なリズムのダンス授業 〜ダンスレクチャームービー〜」は、中学校の必修科目であるダンスの教材としても活用されていますね。

TETSUYAさん:ダンスを本格的に学ぶために2017年度に入学した早稲田大学院の修士論文を、中学生の教育現場にいる先生向けに教材化しました。ダンスをどう教えていいのかわからず悩まれていた先生方の、助けになればいいなと。教材作りに協力してくださった長野県の教育委員会を始め、今ではいくつもの自治体の教育現場に取り入れていただいています。

3_3081──今の中学生高校生はダンススキルが高い印象ですが、やはり授業での必修化の影響が大きいのでしょうか?

TETSUYAさん:それもあるかもしれませんが、大きいのはSNSの発達だと思います。TikTokやYouTubeのおかげで、世界中のダンスを一瞬で知ることができるので。僕らの時代はまず東京に行ってレッスンに通って先生と仲よくなって……という、長い道のりが必要でした(笑)。今は地方にいても一瞬で情報を得られる時代ですから。スキルもそうですし、今は好きなものがどのジャンルでも一極化していないですよね。その分チョイスするのは難しいと思いますが、幅広さという意味では僕らの時代とはまったく違う感覚があるなと思います。

──EXPGのスクールで教えるカリキュラムにも変化はありますか?

TETSUYAさん:もちろんです。「EXPG高等学院」ができたこともそうですし、中学生に向けたアプローチやキッズクラスの見直しなども含め、時代に合わせて少しずつ変化させ、よりよい環境作りを目指しています。LDHというエンタテインメント企業が直下で運営しているスクールなので、その強みも活かしながらです。アーティストだけではない出口(卒業後の進路)についても、今はどんどんチャレンジをしているところです。

──たしかに生徒全員がアーティストになれるわけではないですよね。

TETSUYAさん:EXILE TRIBEでいうと、スクール出身者は少なからずいます。ただ、「アーティストになりたい」と考える生徒全員の希望が叶うかといえば、そうではない場合がはるかに多いと思います。
悲しいのは「アーティストになれないからダンスや歌をやめた」という話を聞くときです。ダンスや歌はやめるものではないと思っています。好きならばどこでも踊れるし、歌える。アーティストになれなくても、インストラクターや振付師になった子もいます。ダンスとは遠い職業でも、踊れる医者や歌える政治家になれます。こういった方が増えればより楽しい社会になると思っています。

親から与えられる環境は、夢の実現に不可欠だと思います




──TETSUYAさんは子どもたちが夢を叶えるためには、何が大切だと思いますか?

TETSUYAさん:まずはそのやりたいことをどれだけ好きになるかが大切です。そのためには、僕は“環境”だと思います。環境が整っていれば、好きにもなりやすいし、夢を叶える近道になると思います。大きくなれば自分で環境を選ぶこともできると思いますが、小さな頃は親がチョイスした環境の影響が少なからずあると思います。もちろんお金も時間も必要ですが、そこに対する意識を高く持てるかだと思います。

3_3040──環境が整っていなかった場合、その夢は諦めるしかないのでしょうか。

TETSUYAさん:僕は「諦める」という言葉は、あまり好きではないです。夢は絶対に変化できるので。形を変えればいいので、それを挫折と考えないほうがいいと思います。もし挫折したとしても、また目指せるような次の手があればいいですよね。“これだけ、絶対”というひとつにかけるパワーは大切だと思いますが、意外にもろいものなので。それくらいラフな感覚で、親御さんはそばにいて見守ってほしいなと思います。

子どもが夢をかなえるために必要なものは「環境」。しかし環境がないからといって夢を諦めることはないともTETSUYAさんは語っていました。親としても、子どもの夢をできる限りの形で応援したいですね。第4回は、ママたちの悩みについて。TETSUYAさんのお考えが垣間見える言葉は必見です。

【インタビューをもっと読む】バスケットボール河村勇輝選手、声優・能登麻美子さん、そのほか専門家が多数登場!

取材、文・鈴木麻子 撮影・松橋晶子 編集・千永美

■ママスタセレクトで読む

このニュースに関するつぶやき

  • 早い段階でやりたいことを見つける事ちゃうか (´・Д・)」 やりたくないことを極めさせようとしてもモノにはならない
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定